The Beach Boys – California Girls(Mono)

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ビールを飲みながら一人で「カリフォルニア・ガールズ」を聴いた。

三日間、
僕は彼女の電話番号を捜しつづけた。
僕にビーチ・ボーイズのLPを貸してくれた女の子のだ。
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僕は家に帰り、
ビールを飲みながら一人で「カリフォルニア・ガールズ」を聴いた。

―村上春樹,風の歌を聴け

ビーチ・ボーイズのLP『Summer Days (and Summer Nights!!)』を小指のない女の子の働くレコード店で買った『僕』は、
そのLPを貸してくれた女の子の電話番号を捜しつづけた。

わかったことと言えば、
大部分のクラス・メートが彼女が存在していたことさえ覚えていなかったこと。

何故だかわからないが、
『僕』とは口も聞きたくないというクラスメートがいたこと。

女の子が、
山の手にある二流の女子大の英文科に進学したこと。

今年の3月、
病気の治療という理由で休学ではなく退学届けを出したこと。

住んでいた学校に近い下宿屋を、
春に出たっきり行く先はわからないこと。

そして、
『僕と彼女を結ぶラインの最後の端』はプツリと切れてしまう。

1970年頃ならではの話で、
今だったら個人情報をここまで決して辿ることは出来ないだろう。

それでも結局ラインは途中でプツリと切れてしまい、
僕は一人で『カリフォルニア・ガールズ』を聴くことになる。

The Beach Boys – California Girls(Mono)

再び『カリフォルニア・ガールズ』、
まあ何度聴いても飽きないし本当に良い曲だ。

前回はRemix/Remastered 2001バージョンだったので、
今回はMonoバージョンで。

ブライアンの右耳の聴力の悪化で、
モノ・ミックスのみで制作されていた時期だからね。

【風の歌を聴け】で流れる他の音たちはこちら!

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