モーツァルト – クラリネット協奏曲 イ長調 K.622    

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【羊をめぐる冒険】の中のモーツァルト

天井のスピーカーからはモーツァルトのコンチェルトが流れていた。

羊をめぐる冒険

村上作品では壁とか天井とかのスピーカーから、
良く音楽が流れる。

レコードを掛けた音でもなく、
口笛で吹いたりハミングしたりした音とも違う。

そこには、
何か違いがあるだろうか?

聴く・口ずさむといった能動的ではない、
勝手に聞こえる・流れているという受け身な感じ。

モーツァルトのコンチェルト(協奏曲)

モーツァルトのコンチェルト(協奏曲)と一言で言っても、
それはかなりの曲数になる。

ピアノやヴァイオリンはもちろん、
フルートにホルンなどなど確か80曲以上あったはず。

もちろん多く作曲されているのは、
ピアノ協奏曲で30曲近くある。

それ以外は、
皆1桁台。

どんな曲がスピーカーから流れていたんだろう?
と考えればピアノ協奏曲なんだろうけど。

ここは、
ちょっと違うものを。

クラリネット協奏曲 イ長調 K.622

クラリネット協奏曲 イ長調 K.622は、
モーツァルト1791年の作曲。

モーツァルトが協奏曲で残した最後の作品、
クラリネットの為のものとしては唯一の協奏曲。

この年の12月、
モーツァルトは亡くなってしまう。

元々この曲はバセットクラリネットの為の曲で、
アントン・シュタードラーというクラリネット奏者の為に作曲されたもの。

1791年10月16日にプラハ、
アントン・シュタードラーが初演を行っている。

この曲の自筆譜は失われてしまったが、
シュタードラーが売却したという話がある。

自分の為に作られたものなんだから、
どうしようが勝手でしょの理屈なんだろうけど本当ならまあ何とも酷い話だ。

ちなみにバセットクラリネットは、
普通のクラリネットよりも

ちなみにバセットクラリネットは、
普通のクラリネットよりも長く低音域が追加されたもの。

ウィーンの大手クラリネット・メーカー、
テオドール・ロッツはシュタードラーの為にこのクラリネットをつくったらしい。

ただシュタードラーは、
自分が発明したと主張していたらしいが…。

なかなか、
癖のある人物が浮かんでくる。

それで、
クラリネット協奏曲 イ長調 K. 622は3つの楽章で構成されている。

Konzert in A für Klarinette und Orchester KV 622
クラリネット協奏曲 イ長調 K.622

第1楽章 Allegro イ長調 4分の4拍子 ソナタ形式
第2楽章 Adagio ニ長調 4分の3拍子 三部形式
第3楽章 Rondo: Allegro イ長調 8分の6拍子 ロンド形式

そういえばこの曲の第1楽章はコリン・ファースやヘレナ・ボナム=カーターの2010年の映画、
【The King’s Speech(英国王のスピーチ)】で流れていたっけ。

第2楽章はメリル・ストリープとロバート・レッドフォードの1985年の映画、
【Out Of Africa(愛と哀しみの果て)】で流れていたはずだ。

アルフレート・プリンツカール・ベーム/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

今回はクラリネットがアルフレート・プリンツ、
カール・ベーム指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団で。

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