モーツァルト – オペラ『ドン・ジョバンニ』K.527 1

【騎士団長殺し】の中のモーツァルト

それから私ははっと思いだした。
モーツァルトのオペラ『ドン・ジョヴァンニ』だ。
その冒頭にたしか「騎士団長殺し」のシーンがあったはずだ。

騎士団長殺し

そもそも作品のタイトルが『騎士団長殺し』なわけで、
そうなると当然すぐにモーツァルトのオペラ『ドン・ジョバンニ』を思い出す。

ただ、
実際に作品中に出てくるのは100ページほど経ってからだ。

そこから、
何度も出てくることになる。

そしてこの物語で『騎士団長殺し』は、
雨田具彦の絵のタイトルでもある。

オペラの台本はイタリア語で、
冒頭のシーンで殺される老人がコメンダトーレ=騎士団長。

ドン・ジョバンニ(スペイン語でいえばドン・ファン)は、
騎士団長の娘ドンナ・アンナを力尽くで誘惑する。

それを見咎めた父である騎士団長(名前は出てこない)と果し合いになり、
ドン・ジョバンニは騎士団長を殺してしまうという有名なシーン。

騎士団長は最初に殺されると、
その後は最後になるまでもう出てこない。

まあ殺されたのだから、
当たり前と言えば当然なんだけど。

でも最後に歩く不吉な彫像として再び登場、
ドン・ジョバンニの前に現れて彼を地獄に連れて行ってしまう。

思うに、
確かにドン・ジョバンニは悪いと言えば悪い。

でも、
ドン・ジョバンニはこう言っている。

Va, non mi degno
Di pugnar teco.

消えろ
私はそなたと争うつもりはないとね。

そして、
既に剣を抜いているのは騎士団長の方だ。

ということは、
これはある意味正当防衛じゃないのかなあとも思ってしまう。

まあ父親からすれば、
娘を守る為ということなんだろうけど。

オペラ『ドン・ジョバンニ』K.527

さて、
このオペラは正式にはIl dissoluto punito, ossia il Don Giovanni。

罰せられた放蕩者、
またはドン・ジョバンニという感じか。

以前出てきたプラハで評判となった『フィガロの結婚』
翌シーズンの為に作品を依頼されてできたのがこの作品だ。

プラハのエステート劇場(スタヴォフスケー劇場)、
1787年10月29日にモーツァルト自身の指揮で初演を行っている。

リブレットを書いたのは『フィガロの結婚』と同じで、
ロレンツォ・ダ・ポンテ。

Il dissoluto punito, ossia il Don Giovanni
歌劇 ドン・ジョバンニ K.527

Ouverture
 01序曲

Primo atto
 第一幕
 02 Introduzione Notte e giorno faticar
   昼も夜もあくせく
 03 Leporello, ove sei? 
   レポレッロ、どこだ?
 04 Ma Qual Mai S’Offre, O Dei
   何ということ神様!
 05 Orsu, spiciati presto
   おい、早く言え
 06 Ah, chi mi dice mai
   ああ、誰が教えてくれるの
 07 Chi e la?… (Stelle! che vedo!)
   どなた?…(ああっ!何だこりゃあ!)
 08 Madamina, il catalogo e questo
   可愛い奥様、これが目録ですよ
 09 Giovinette che fate all’amore
   恋にたわむれる若い娘さんたち
 10 Manco male, e partita
   やれやれ、やっといなくなったな
 11 Ho capito, signor, si!
   分かりました、旦那様
 12 Alfin siam liberati, Zerlinetta gentil
   やっと自由になれた
 13 La ci darem la mano
   そこで手を取り合おう
 14 Fermati, scellerato!
   止まりなさい、悪党!
 15 Ah! fuggi il traditor!
   さあ!裏切り者からお逃げなさい!
 16 Mi par ch’oggi il demonio si diverta
   どうやら今日は魔物がお楽しみのようだ
 17 Non ti fidar, o misera
   信じてはだめ、お気の毒な方
 18 Don Ottavio, son morta!
   ドン・オッターヴィオ!私死にそうだわ!
 19 Or sai chi l’onore
   今こそお分かりでしょう
 20 Dalla sua pace
   あの人の平安に
 21 Io deggio ad ogni patto
   何とか手立てを見つけなきゃな
 23 Finch’han dal vino
   ぶどう酒で
 24 Masetto, senti un po!
   マゼット…ちょっと聞いてよ
 25 Batti, batti, o bel Masetto
   ぶって、ぶってよ、ねえ大好きなマゼット
 26 Guarda un po’ come seppe questa strega sedurmi
   見ろよあの手管
 27 Presto, presto, pria ch’ei venga
   急いで、急いで、奴が来る前に
 28 Bisogna aver coraggio
   私たちは勇気を持たなくてはなりません
 29 Protegga il giusto cielo
   正しき天よ護りたまえ
 30 Riposate, vezzose ragazze!
   休憩しよう、かわいい娘たちよ!
 31 Venite pur avanti
   こちらにお進みください
 32 Ecco il birbo che t’ha offesa
   こいつがお前を襲った悪党だな

Secondo atto
 第二幕
 01 Eh via, buffone
   おい、馬鹿者
 02 Leporello!… Signor?
   レオポルド!…旦那?
 03 Ah! taci, ingiusto core
   ああ黙って、不実な心よ!
 04 Amico, che ti par?
   お前、どう思う?
 05 Deh, vieni alla finestra
   さあ 窓辺に来ておくれ
 06 V’e gente alla finestra!
   窓のところに誰かいるな!
 07 Meta di voi qua vadano
   あんたらの半分はこっちに
 08 Zitto! Lascia ch’io senta
   黙れ!聞き耳立てさせてくれ!
 09 Vedrai, carino
   ねえ、愛しい人
 10 Di molta faci il lume
   たくさんの松明の光が
 11 Sola, sola, in buio loco
   一人、ただ一人、この暗い場所で
 12  Mille torbidi pensieri
   山のような奇妙な考えが
 13 Dunque quello sei tu… Ah, pieta, signori miei
   じゃああんたなのね…ああ、お慈悲を、みなさま
 14 Ferma, perfido, ferma…
   待ちなさい、悪党、待ちなさい…
 15 Il mio tesoro intanto
   私の大切な人をその間
 16 In quali eccessi, o numi
   何てひどい、おお神々よ
 17 Mi tradì, quell’alma ingrata
   私を裏切ったのよ、あの不実な魂は
 18 Ah, ah, ah, ah! questa e buona!
   ハッ、ハッ、ハッ、ハッ!これは良いぞ!
 19 O statua gentilissima
   おお 最も高貴なる彫像さま
 20 Calmatevi, idol mio
   お気を静めてください、愛しい人!
 21 Crudele?… Non mi dir
   残酷?…私に言わないで
 22 Gia la mensa e preparata
   すでにテーブルは準備できたな
 23 L’ultima prova dell’amor mio
   私の愛の最後の証を
 24 Don Giovanni, a cenar teco
   ドン・ジョヴァンニ 一緒の晩餐に
 25 Ah, dov’e il perfido?
   ああ、どこなのだあの悪人は?
 26 Questo e il fin di chi fa mal!
   これぞ悪事をなす者の最期!

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

この『ドン・ジョバンニ』は、
この後も何回も出てくるからね。

今回は、
先ず序曲から。

オペラでは子の序曲の後に、
このまま幕が開いて物語が始まる。

ただ演奏会で序曲だけが演奏される場合、
モーツァルト自身が改編したコーダが付けられる。

今回は全曲盤から、
フルトヴェングラー指揮のウィーン・フィルで。

1953年、
ザルツブルク音楽祭のライブ録音。

そういえば、
もう70年の昔のこの時の映像がYouTubeでも見られるんだからありがたい。

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