Art Carney
Spike Jones & His City Slickers – All I Want For Christmas (Is My Two Front Teeth)
で出てきた詩『The Night Before Christmas』。
この詩そのままを、
曲にしているものがある。
今回のクリスマス・ソングは、
アート・カーニーとヒューイ・ピアノ・スミス・アンド・ザ・クラウンズ。
タイトルは詩の最初のフレーズ、
『‘Twas the night before Christmas』。
『’Twas』は、
『It was』のことだ。
アート・カーニーは、
1974年の映画『Harry and Tonto』でアカデミー賞主演男優賞を受賞した人だね。
この曲はクリスマス・ソングとは言っても、
ただこの詩をドラムのリズムに合わせて語っているだけなんだけどね。
A Visit from St. Nicholas
1823年12月23日、
ニューヨークの『Troy Sentinel』という新聞にこの詩が掲載された。
タイトルは『A Visit from St. Nicholas』で、
作者名はなく匿名だった。
作者はコロンビア大学の東洋・ギリシア文学教授、
クレメント・クラーク・ムーアとされている。
1837年に発行された『The New-York Book of Poetry』の中で、
初めて作者名入りで詩が載る。
そして、
1844年に彼の作品集『Poems』に収録された。
ただ、
これには異説もあってヘンリー・ビークマンリビングストン・ジュニアの作品だという主張もある。
まあどちらでも周辺の人以外は、
本来どうでも良い話だ。
ところでこの詩、
今の商業的クリスマスやサンタクロースに大きな影響を与えたものとして知られる。
The stockings were hung by the chimney with care
A Visit from St. Nicholas
In hopes that St. Nicholas soon would be there;
靴下は煙突のそばに丁寧に吊るされ
サンタクロースがやって来るのを待ちわびていた
確か煙突のそばに靴下を吊るすのは、
サンタのモデルとされている聖ニコラウスの伝説が由来だったはず。
近所の貧しい家族の娘が身売りしなければならなくなったと知った聖ニコラス、
煙突からお金を投げ入れると暖炉のそばに吊るしてた靴下の中に入りそのおかげで娘は救われたというお話。
それでサンタクロースは、
暖炉のそばにぶら下げた靴下にプレゼントを入れてくれるという話になっていったらしい。
When, what to my wondering eyes should appear,
A Visit from St. Nicholas
But a miniature sleigh, and eight tiny reindeer,
キョロキョロと見回すと
小さなソリと8頭の小さなトナカイが見えた
今でも描かれる、
空飛ぶソリに乗るサンタのイメージそのものだね
ちなみに8頭のトナカイの名前は、
- Dasher
- Dancer
- Prancer
- Vixen
- Comet
- Cupid
- Donder
- Blitzen
赤鼻のトナカイ、
Rudolphは入っていない。
あれは、
この詩が書かれたもっと後にロバート・L・メイによる童話に出てくるトナカイだからね。
So up to the house-top the coursers they flew,
A Visit from St. Nicholas
With the sleigh full of Toys, and St. Nicholas too.
トナカイたちは屋根の上へ向かって飛んだ
おもちゃがいっぱいのソリとサンタクロースを乗せて
As I drew in my head, and was turning around,
A Visit from St. Nicholas
Down the chimney St. Nicholas came with a bound.
窓から頭をひっこめ振り向くと
サンタクロースが煙突から降りてきた
His eyes—how they twinkled! his dimples how merry!
A Visit from St. Nicholas
His cheeks were like roses, his nose like a cherry!
His droll little mouth was drawn up like a bow,
And the beard of his chin was as white as the snow;
The stump of a pipe he held tight in his teeth,
And the smoke it encircled his head like a wreath;
He had a broad face and a little round belly,
That shook when he laughed, like a bowlful of jelly.
He was chubby and plump, a right jolly old elf,
サンタクロースの目はキラキラ光りニッコリ笑顔のえくぼ
ほっぺはバラのように赤くて鼻はまるでサクランボみたい
おどけた口は弓みたいだしアゴに生えたひげは白い雪のよう
パイプをきつくかんで煙は輪となりあたあの周りを囲んでる
顔は大きくお腹は丸く笑うたびにゼリーの入ったボウルのように揺れる
可愛くぽっちゃりした姿は愉快な妖精みたいだ
きっと多くの人がイメージするサンタクロースが、
そこには描かれている。
Huey “Piano” Smith & The Clowns
アート・カーニーのように、
この詩を朗読している感じのものはいろいろある。
ただメロディが付いて、
ちゃんと歌になっているものもある。
ヒューイ・ピアノ・スミス・アンド・ザ・クラウンズ、
1962年のご機嫌なクリスマス・アルバム『’twas The Night Before Christmas』からタイトル曲。
というわけで…
今回のクリスマス・ソングは、
アート・カーニー。
まあソングと言うよりも、
語りみたいな『‘Twas the night before Christmas』
それとは別に、
メロディがあるヒューイ・ピアノ・スミス・アンド・ザ・クラウンズのヴァージョンをお届けしました。
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