『イエスタデイ』と『独立器官』という小説

イエスタデイ

イエスタデイ

それから僕は『イエスタデイ』と『独立器官』という小説を、
「文藝春秋」に掲載することをとりあえず念頭に置いて書いた。

―村上春樹-女のいない男たち-まえがき

今度は、
この短編集の中の2番目の物語の『イエスタデイ』が出てくる。

ここで取り上げなくても本編に何度も出てくるからあとでも良かったんだけれど、
取り敢えず出てきちゃったんだから仕方がない。

この曲も前回の『ドライブ・マイ・カー』と同様に、
ボクは赤盤で初めて聴いたんだと思う。

もちろんそれ以前からラジオなんかで耳にしていたとは思うけど、
ちゃんと聴いたのはこの時だったはずだ。

この赤盤を買った後、
当然いわゆる青盤『The Beatles / 1967-1970』も購入した。

どっちが好きか?と言われれば、
やはり青盤だったような気がする。

今ではどちらも聴くことはないけれど、
それは多分いいとこどり風の寄せ集めはあまり好きではないからなんだと思う。

でもまあ小学生にとってのビートルズ入門には、
このアルバムはちょうど良かったかもしれない。

なぜ買ったのか?
の動機はどうしても思い出すことができない。

どんな物事にだって『始まり』というのは必ずあるはずだけれど、
それがどんな始まり方だったのか?は意外に曖昧なものが多い。

ボクの初めてのビートルズの記憶も、
なぜか正確には思い出すことができない。

ただ赤盤・青盤から始まったという事実だけは間違いがなくて、
もう何十年も経っているけど未だにビートルズは好きだしたまに聴くこともある。

The Beatles – Yesterday

それで『イエスタデイ』は、
赤盤ではA面の最後に出てくる曲。

もともとは、
1965年リリースの『Help!』のB面の6曲目に入っている。

レコーディングはアビイ・ロード第2スタジオで、
昔はこの時ポールは1人で他メンバーはそこには居なかったという話があった。

まあ確かにこの曲はポールの完全なるソロだけれど、
実際には『The Beatles Anthology 2』の『Yesterday (Take 1)』でジョージの声が聞こえる。

アルバム『Help!』は昔は良く聴いたが、
今となってはほぼ聴くことはない。

生涯再生回数をとっくの昔に越えてしまったと思われるこの曲は、
もうずっと聴いたことがない。

ビートルズのアルバムで今でも時々聴くのは、
『Rubber Soul』と『The Beatles』と『Abbey Road』のB面のメドレーくらいかもしれない。

まあそんなわけで、
こんな機会でもなければ多分もう聴く機会がなかったかもしれない『Yesterday』だ。

そういう意味では、
ここで書くことは以前は良く聴いていた曲を久しぶりに聴くことにもあるわけで案外悪くないかもしれない。

この物語を読んでからは、
英語ではなくてこの歌詞を思い出してしまうことになったな。

僕の知っている限り、
ビートルズの『イエスタデイ』に日本語の(それも関西弁の)歌詞をつけた人間は、
木樽という男一人しかいない。
彼は風呂に入るとよく大声でその歌を歌った。

昨日は/あしたのおとといで
おとといのあしたや

村上春樹-女のいない男たち イエスタデイ

もちろんこの歌詞で唄うことはないけど、
この歌詞の続きがいったいどんな展開をするのか?についてはなかなか興味深いものがある。

短編集『女のいない男たち』で流れる他の音たちはこちら!

Men Without Women
村上春樹 『女のいない男たち』 で流れる音楽たち

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