僕はビートルズの『サージェント・ペパーズ』とビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』のことを緩く念頭に置いていた

コンセプト・アルバム

コンセプト・アルバム

そういう意味では、
この本は音楽でいえば「コンセプト・アルバム」に対応するものになるかもしれない。
実際にこれらの作品を書いているあいだ、
僕はビートルズの『サージェント・ペパーズ』と
ビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』のことを緩く念頭に置いていた。

―村上春樹-女のいない男たち-まえがき

この短編集が音楽でいうとコンセプト・アルバムに対応するとか、
この作品群を『サージェント・ペパーズ』と『ペット・サウンズ』のことを緩く念頭に置いて書いたとかなかなか興味深い話だ。

まあ本当かどうかはわからないけれど、
まえがきにこういうことが書かれているのは結構楽しい。

ところでコンセプト・アルバムの始まりはいったいどのアルバムなんだろう?
って話は多分いろいろな捉え方があるんだろうね。

例えばウディ・ガスリー1940年の『Dust Bowl Ballads』だとか、
マザーズ・オブ・インヴェンション1965年の『Freak Out!』とかね。

ここに出てくる『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』も『Pet Sounds』も、
もちろんコンセプト・アルバムって言われている。

ビーチ・ボーイズの『Pet Sounds』は、
ビートルズの『Rubber Soul』に影響を受けたとブライアン・ウィルソンは言っている。

ジョージ・マーティンは『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』が『Pet Sounds』に追いつこうという試みだった、
と語っている。

『Freak Out!』は『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』にインスピレーションを与えたなんて話もあるし、
いろいろと影響し合って繋がっていてこれもなかなか面白い話だ。

ボクにとって、
いわゆるコンセプト・アルバムはかなりの好物だ。

多分クラシックが最初に聴き始めた音楽だったかもしれないが、
いくつかの曲で構成されている長いものの方が多分好きなんだろうと思う。

当然コンセプト・アルバムを聴く時はアルバム丸ごと聴くわけだけれど、
きっと今はそういう時代じゃあないんだろうね。

シャッフルで聴いたら並びが当然崩れるし、
本来続く曲が続かないのは妙な違和感を覚えるからな。

The Beatles – Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band

ビートルズのSgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』は昔は良く聴いていたけど、
今は殆ど聴くことがない。

たまに『A Day in the Life』を聴きたくなって聴くことはあるけれど、
他の曲は最近聴いた記憶がない。

でもこの曲は少し前に1度出てきているからな。

というわけで、
『Being For The Benefit Of Mr. Kite!』を聴こうかな。

昨年訪れた『DOUBLE FANTASY John&Yoko』で、
この曲の元になったサーカス公演のポスターを見たことを思い出す。

Beach Boys – Pet Sounds

ビーチ・ボーイズはあまり聴いてこなかったけれど、
この『Pet Sounds』は良く聴いた。

このアルバムからは、
結局は『God Only Knows』になる。

ポール・マッカートニーが、
最大級の賛辞を寄せたことで知られる曲だね。

とにかく美しい。

短編集『女のいない男たち』で流れる他の音たちはこちら!

女のいない男たち
村上春樹『女のいない男たち』で流れる音楽たち

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