9月
ヘルマン・ヘッセの詩に、
『September』という詩がある。
1927/9/23、
50歳の時に創られたものだ。
Der Garten trauert,
kühl sinkt in die Blumen der Regen.
Der Sommer schauert
still seinem Ende entgegen.
Golden tropft Blatt um Blatt
nieder vom hohen Akazienbaum.
Sommer lächelt erstaunt und matt
In den sterbenden Gartentraum.
Lange noch bei den Rosen
bleibt er stehn, sehnt sich nach Ruh.
Langsam tut er
die müdgeword’ nen Augen zu.庭は喪に服し
ヘルマン・ヘッセ-Septembere
雨が花々に冷たくしみ込む
夏は震える
静かにその終わりを待ちながら
金色の葉が次々と
高いアカシアの木から落ちる
夏は慌てて物憂げに微笑む
絶えてゆく庭の夢に
長い間薔薇の傍らに
夏はたたずみ休息を望む
そしてゆっくりと
疲れきった目を閉じる
四つの最後の歌
リヒャルト・ストラウスの死の直前の曲、
『四つの最後の歌(Vier letzte Lieder)』。
この中に、
ヘッセの先程の詩に曲をつけたものがある。
それが、
4曲の中の2番目の『September』。
この曲のオーケストラの始まり方が結構好きで、
そこが聴きたいがためにこの曲を流すことが多い。
もちろん、
歌が始まってからも良いに決まっているけどスイッチはいろんなところにあるものなのだ。
Elisabeth Schwarzkopf – September
それで誰が唄ったものが良いかな?
と考えるとやはりこの人になる。
デイム・オルガ・マリア・エリーザベト・フリーデリケ・レッグ=シュヴァルツコップ、
つまりはエリーザベト・シュヴァルツコップ。
ドイツ人の両親のもとポーランドのポーゼンに生まれた彼女は、
20世紀を代表するソプラノ歌手と言われるだけの素晴らしい歌声を聴かせてくれる。
伴奏はベルリン放送交響楽団、
指揮はジョージセル。
この素晴らしい歌声に、
見事に寄り添っている演奏もまた見事なものがある。
アルバムは、
1966年の『Four Last Songs And Five Other Songs With Orchestra』から。
というわけで…
今回は、
リヒャルト・ストラウスの『September』をエリーザベト・シュヴァルツコップで。
この曲、
昔はあまり惹かれることもなかった。
いつの頃からか、
この曲を含めた『四つの最後の歌(Vier letzte Lieder)』を聴くようになった。
意外に、
そういう曲ってあったりする。
もちろん、
逆もある。
昔は好きで良く聴いていた曲でも、
今では全く聴かなくなったものもある。
そして、
しばらく聴かなかったのにまた聴き始める曲もある。
こういうのって、
音楽に限らずいろいろな対象でよくある話だ。
本にしても、
絵にしても…。
いずれにしても、
狭い範囲にならないように幅を持ちたいと思う。
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