34曲目は5枚のレコード
村上春樹『古くて素敵なクラシック・レコードたち』で流れる音たち、
34曲目ヘンデル:「水上の音楽」。
ロンドン駐在プロイセン弁務官、
フリードリヒ・ボネットの記録がある。
1717年7月17日20時、
国王は船に乗る。
その船の近くには数にして50名ほどの音楽家達を乗せた船が続き、
彼らはあらゆる楽器による演奏をした。
音楽は、
ヘンデルにより特別に作曲されたものである。
陛下はそれをことのほか気に入り、
1時間もかかるその音楽を3回も繰り返させた。
夕食前に2回、
夕食後に1回である。
この時演奏された曲が、
今回の『水上の音楽』。
この曲は、
ヘンデルの自筆譜がない。
だからなんだろうけど、
色々な楽譜の版が存在している。
例えば旧ヘンデル全集である、
最初のクリュザンダー版。
例えば新ヘンデル全集、
レートリヒ校訂のハレ版。
例えば指揮者ハミルトン・ハーティが、
選んで編曲したもの。
レートリヒ版
例えばレートリヒ版は、
こんな感じ。
第1組曲 ヘ長調 HWV 348
第1曲:序曲(ラルゴ – アレグロ)
第2曲「アダージョ・エ・スタッカート」
第3曲「(アレグロ) – アンダンテ – (アレグロ)」
第4曲「メヌエット」
第5曲「エアー」
第6曲「メヌエット」
第7曲「ブーレ」
第8曲「ホーンパイプ」
第9曲(アレグロ・モデラート)
第2組曲 ニ長調 HWV 349
第1曲(序曲)
第2曲「アラ・ホーンパイプ」
第3曲「ラントマン」
第4曲「ブーレ」
第5曲「メヌエット」
第3組曲 ト長調 HWV 350
第1曲(メヌエット)
第2曲「リゴードン」
第3曲「メヌエット」
第4曲(アンダンテ)
第5曲「カントリーダンスI・II」
エイドリアン・ボールト
Adrian Boult,
London Philharmonic Promenade Orchestra-
Handel:
The Water Music
1950年代初期
指揮:エイドリアン・ボールト
演奏:フィルハーモニック・プロムナード管弦楽団
音は見つからず。
ボイド・ニール
Boyd Neel,
The Boyd Neel Orchestra-
Handel:
The Water Music
1954年
指揮:ボイド・ニール
演奏:ボイド・ニール管弦楽団
アンタル・ドラティ
Antal Doráti,
London Symphony Orchestra-
Handel:
The Water Music
1957年
指揮:アンタル・ドラティ
演奏:ロンドン交響楽団
ロリン・マゼール
Lorin Maazel,
Berlin Radio Symphony Orchestra-
Handel:
The Water Music
1964年
指揮:ロリン・マゼール
演奏:ベルリン放送交響楽団
エドゥアルト・ファン・ベイヌム
Eduard van Beinum,
Royal Concertgebouw Orchestra-
Handel:
The Water Music
1959年
指揮:エドゥアルト・ファン・ベイヌム
演奏:コンセルトヘボウ管弦楽団
というわけで…
今回の村上春樹、
『古くて素敵なクラシック・レコードたち』で流れる音楽。
34曲目は、
ヘンデル:「水上の音楽」をお届けしました。
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