モーツァルト – ピアノソナタ第10番ハ長調 K.330 (300h)

モーツァルト

村上春樹作品にはモーツァルトが頻繁に出てくる

正面の壁からはモーツァルトの肖像画が臆病な猫みたいにうらめし気に僕をにらんでいた。

―村上春樹,風の歌を聴け

以前に1つのカテゴリーをつくったくらい、
村上春樹作品にはモーツァルトが頻繁に出てくる。

だから、
ここに出てくる『正面の壁からはモーツァルトの肖像画が…』も既に出てきている。

バーバラ・クラフトのモーツァルトの肖像画

モーツァルト

ところで、
ナゼここでうらめし気に僕をにらんでいたのがモーツァルトの肖像画なんだろう?

ここに出てくるのはバーバラ・クラフトが1812年に描いたもののような気がするんだけど、
もちろん作者以外には本当のところはわからない。

臆病な猫みたいにうらめし気に僕をにらんでいたというのは、
実際は『僕』がそんなふうに感じただけで全然そんな肖像画ではないかもしれない。

そもそも、
そんな肖像画なんてないのかもしれない。

ヨーゼフ・ランゲのモーツァルトの肖像画

モーツァルトの肖像画(ヨーゼフ・ランゲ)

さて、
モーツァルトの肖像画はそんなに多くはないけれど中でも異彩を放っているものがある。

ヨーゼフ・ランゲの未完成の油絵とされる、
1789年の『ピアノに向かうモーツァルト』だ。

タイトルとは裏腹に、
ピアノも楽譜も鍵盤の上にあるはずの手もそして背景も何もない。

そのことでモーツァルトはただ空間を見つめているだけで、
実は何も見ていないように見えなくもない。

これって元々の絵をオリジナルから切り取って少し回転させて、
別のカンヴァスに貼り付けた跡は見られるという話を読んだことがある。

未完に終わったのか?
敢えて未完のように見えるが完成した作品だったのか?はわからない。

ボクはこれで完成のような気がするんだけど、
どうなんだろう?

ピアノには向かっているのかもしれないけれど、
彼が見ているのは楽譜でも鍵盤でもなくて目の前に降ってきた音楽が見えているのかもしれない。

何しろ天才モーツァルトは、
降ってきた音符をただそのままこれから弾くのかもしれない。

ボクには、
そんなふうに見えるんだけどなあ。

ピアノソナタ第10番ハ長調 K.330 (300h)

それでは最後に1曲、
グレン・グールドのモーツァルト。

以前にもリリー・クラウスのピアノでアップしたことがあるけど、
全然違う演奏はやはり面白い。

【風の歌を聴け】で流れる他の音たちはこちら!

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