Beach Boys – California Girls(Stereo)

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「カリフォルニア・ガールズ」のレコードは、
まだ僕のレコード棚の片隅にある。
夏になるたびに僕はそれをひっぱり出して何度も聴く。
そしてカリフォルニアのことを考えながらビールを飲む。
レコード棚の隣りには机があり、
その上には乾いてミイラのようになった草の塊りがぶらさがっている。
牛の胃袋から取り出した草だ。
死んだ仏文科の女の子の写真は引越しに紛れて失くしてしまった。
ビーチ・ボーイズは久し振りに新しいLPを出した。
素敵な女の子がみんなカリフォルニア・ガールならね……。

―村上春樹,風の歌を聴け

乾いてミイラのようになった草の塊りは、
過去を引きずっている証拠だ。

そのくせ死んだ仏文科の女の子の写真は失くしてしまった、
という。

写真を失くしてしまったことで、
ある意味仏文科の女の子は永遠に『僕』の中に残るに違いない。

写真よりも薄れていく面影の方が、
明確でない分ずっとそこに存在していたりするものなのだ。

Beach Boys – California Girls(Stereo)

そして最後にまた、
ビーチ・ボーイズの『California Girls』が出てくる。

更に、
ビーチ・ボーイズは久し振りに新しいLPを出したニュースが語られる。

でも、
聴くのは「カリフォルニア・ガールズ」のレコード。

1970年、
ビーチ・ボーイズが久し振りにリリースした新しいLP。

多分リプリーズ移籍後初のアルバム、
70年代の彼らの作品の中では出来の良い『Sunflower』のことなんだろう。

ボクはこのアルバムは嫌いじゃあないけど、
やはり彼らはそうは言っても60年代。

別にリアルタイムで聴いていたわけではないんだけれど、
やはりボクの中では60年代なのだ。

でもまあ、
『Sunflower』の中から1曲。

デニス・ウィルソンとブルース・ジョンストンの曲、
『Forever』。

【風の歌を聴け】で流れる他の音たちはこちら!



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