33曲目は3枚のレコード
村上春樹『古くて素敵なクラシック・レコードたち』で流れる音たち、
33曲目バルトーク:「中国人の不思議な役人」作品19。
この曲は、
脚本家レンジェル・メニヘールトの書いた台本に基づく1幕のパントマイムのための舞台音楽。
脚本のタイトルは、
『中国の不思議な役人-グロテスクなパントマイム』。
その通りにこの脚本の内容は、
かなりグロテスクなもの。
なので、
上演にはかなり苦労している。
当初予定していた、
ブダペスト歌劇場での初演は実現していない。
結局初演は1926年ドイツのケルンで行われたが、
聴衆・評論家から不評だったようだ。
結局その時も、
1日で上演品目から下ろされている。
その後、
再度ブタペストでの上演計画は失敗。
更に、
チェコスロバキアのプラハでは一旦は成功したもののやはり上演禁止になっている。
そんなわけで、
演奏会用の作品として1928年に組曲版を完成させている。
他にも、
バルトーク自身による2手/4手ピアノ版もある。
曲の構成
全曲版の構成は、
こんな感じ。
01 序奏-若い娘と三人のならず者
02 最初の誘惑の標的:みすぼらしい年老いた道楽者
03 第二の誘惑の標的:若い学生
04 第三の誘惑の標的
05 役人は入ってきて戸口で佇む
06 娘はためらいがちに踊り始める…
07 役人はよろめく-より情熱的に追い回す
08 三人のならず者は飛び出て、
役人を捕まえそして娘から引き裂かれる
09 突然役人の頭はクッションの間から現れ、
その目はじっと娘を見つめている
10 恐怖にかられたならず者たちは
彼をどうやって始末したらいいか議論する
11 役人の体はみどり色に光る
12 娘はもはや抵抗しない-抱擁
ヤ―ノシュ・フェレンチェク
János Ferencsik,
Hungarian Radio Symphony Orchestra-
Bartók Béla:
The Miraculous Mandarin,
Op.19,
Sz.73
1960年代半ば?
指揮:ヤ―ノシュ・フェレンチェク
演奏:ブタペスト放送交響楽団
音は見つからず。
ジャン・マルティノン
Jean Martinon,
The Chicago Symphony Orchestra-
Bartók Béla:
The Miraculous Mandarin
Op.19,
Sz.73
1966年
指揮:ジャン・マルティノン
演奏:シカゴ交響楽団
小澤征爾
Seiji Ozawa,
The Boston Symphony Orchestra-
Bartók Béla:
The Miraculous Mandarin
Op.19,
Sz.73
1975年
指揮:小澤征爾
演奏:ボストン交響楽団
ピエール・ブーレーズ
Pierre Boulez,
New York Philharmonic-
Bartók Béla:
The Miraculous Mandarin
Op.19,
Sz.73
1972年
指揮:ピエール・ブーレーズ
演奏:ニューヨーク・フィルハーモニック
ジャケットは出てこないけど、
少しだけ触れられているので。
ユージン・オーマンディ
Eugene Ormandy,
The Philadelphia Orchestra-
Bartók Béla:
The Miraculous Mandarin
Op.19,
Sz.73
1962年
指揮:ユージン・オーマンディ
演奏:フィラデルフィア管弦楽団
こちらも、
ほんの少し出てくるので一緒に。
というわけで…
今回の村上春樹、
『古くて素敵なクラシック・レコードたち』で流れる音楽。
33曲目は、
バルトーク:「中国人の不思議な役人」作品19をお届けしました。
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