ドミトリ・ショスタコビッチ
「ところで彼は今、
街とその不確かな壁 P429
どんな本を読んでいるんだろう?」
「ドミトリ・ショスタコビッチの書簡集です」と添田さんは即座に答えた。
「愉しそうな本だ」
添田さんはそれに対して意見は述べなかった。
眉をほんの少し寄せただけだった。
彼女は言葉よりは表情や仕草で、
より多くを語る女性なのだ。
ここでは、
ドミトリ・ショスタコビッチの書簡集が出てくるだけだ。
音楽は、
流れない。
でも、
ショスタコビッチの名前が出てくれば必然的に曲が流れだす。
ショスタコビッチは、
もちろんソビエト連邦時代の作曲家だ。
体制に迎合したソ連のプロパガンダ作曲家、
というイメージが強いかもしれない。
まあ、
音楽を聴くときに政治絡みのことはどうでも良い。
それにしても、
言葉よりは表情や仕草でより多くを語る添田さん。
ボクは、
結構好きなんだけど。
弦楽四重奏曲第8番 ハ短調 作品110
それで今回は、
弦楽四重奏曲第8番 ハ短調 作品110。
ファシズムと戦争の犠牲者の想い出に献呈するように見せてはいるが、
圧政により精神的荒廃に追い込まれた自身への献呈と言える曲。
この曲を書く直前、
ショスタコビッチは不本意ながら共産党に入党することを決意している。
Струнный квартет № 8 До минор, соч. 110
弦楽四重奏曲第8番 ハ短調 作品110
第1楽章 Largo ハ短調 4分の4拍子
第2楽章 Allegro molto 嬰ト短調 2分の2拍子。
第3楽章 Allegretto ト短調 2分の2 – 4分の3拍子
第4楽章 Largo 嬰ハ短調 4分の3拍子
第5楽章 Largo ハ短調 4分の4拍子
Borodin Quartet
では、
ボロディン弦楽四重奏団で。
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