26曲目は6枚のレコード
村上春樹『古くて素敵なクラシック・レコードたち』で流れる音たち、
26曲目はロッシーニ:歌劇「泥棒かささぎ」序曲。
La gazza ladra、
泥棒カササギ。
ロッシーニが、
1817年にミラノ・スカラ座向けに作曲したオペラ・セミセリア。
原作はT.B.ドービニー、
ルイ・シャルル・ケーニエ。
悲劇『La Pie voleuse』を基に、
ジョヴァンニ・ゲラルティーニが台本を書いた。
これは、
実際にパリで起きた事件が題材になっている。
カササギが銀のスプーンを盗んだのに、
ヒロイン(二ネッタ)が冤罪を被る。
やがてカササギの仕業だということがわかり、
最後が釈放されてハッピー・エンドという物語。
実際の事件では、
ヒロインは処刑されていしまうんだけどね。
ところでオペラ・セラミアは、
19世紀初期~中期に人気のあったイタリアのオペラのジャンル。
Opera semiseria、
半分シリアスなオペラの意味。
この歌劇の構成は、
2幕4場からなる。
第1幕
第1場
ファブリッツィオ家の中庭
第2場
ファブリッツィオ家の一階の部屋
第2幕
第1場
ニネッタのいる牢獄と面会所
第2場
ファブリッツィオ家の一階の部屋
第3場
法廷
第4場
村の広場
ねじまき鳥クロニクル
村上春樹作品、
1994-95に出版された『ねじまき鳥クロニクル』。
この1冊目、
第一部のタイトルが『泥棒かささぎ編』だったね。
文中にもこの長編小説の章タイトルに使ったことがあるから、
数あるロッシーニの序曲の中でこの曲を選んだようだ。
フリッツ・ライナー
Fritz Reiner-
Rossini:
La gazza ladra:
Overture
1959年
指揮:フリッツ・ライナー
演奏:シカゴ交響楽団
ジョージ・セル
George Szell-
Rossini:
La gazza ladra:
Overture
1957年
指揮:ジョージ・セル
演奏:クリーヴランド管弦楽団
トマス・ビーチャム
Sir Thomas Beecham
Rossini:
La gazza ladra:
Overture
1961年
指揮:トマス・ビーチャム
演奏:ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
イゴーリ・マルケヴィッチ
Igor Markevitch
Rossini:
La gazza ladra:
Overture
1957年
指揮:イゴーリ・マルケヴィッチ
演奏:フランス国立放送管弦楽団
ランベルト・ガルデッリ
Lamberto Gardelli
Rossini:
La gazza ladra:
Overture
1973年
指揮:ランベルト・ガルデッリ
演奏:ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
クラウディオ・アバド
Claudio Abbado
Rossini:
La gazza ladra:
Overture
1975年
指揮:クラウディオ・アバド
演奏:ロンドン交響楽団
というわけで…
今回の村上春樹、
『古くて素敵なクラシック・レコードたち』で流れる音楽。
26曲目は、
ロッシーニ:歌劇「泥棒かささぎ」序曲をお届けしました。
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