You Better Move On

レコーディング

Arthur Alexander – You Better Move On

January 10, 1964 1st EP(UK) The Rolling Stones

 A1:Bye Bye Johnny
    (Chuck Berry)
 A2:Money
    (Berry Gordy/Janie Bradford)
 B1:You Better Move On
    (Arthur Alexander)
 B2:Poison Ivy
    (Jerry Leiber/Mike Stoller)

ストーンズが1stEP『The Rolling Stones』でカヴァーした曲、
3曲目は『You Better Move On』。

EPだったら1度針を上げて、
レコードを裏っ返して再び針を下ろすという作業をしなければならない。

面倒臭い反面、
そういう行為を挟んで再び音を鳴らすというのは悪くはなかった。

今では、
クリック1つで音は流れるし飛ばすことだってできる。

それはそれで便利だけれど、
音楽を聴くという行為が何となくただ流すという行為に変わってしまった気がしないでもない。

さて、
アーサー・アレキサンダーの『You Better Move On』。

B面は、
A Shot Of Rhythm And Blues』。

彼は最初にジューン・アレキサンダーの名前で、
1960年に『Sally Sue Brown』でデビューしている。

その後、
アーサー・アレキサンダーとして再デビューした時の曲がコレ。

作詞・作曲は、
どちらも本人。

この曲やビートルズがカヴァーした『Anna (Go to Him)』など、
最初は何曲かヒットしたけれどその後はなかなかうまくいかなかったんだよね。

結局引退してしまってその後はバスの運転手に、
本格的な活動を再開した矢先の1993年に残念なことに亡くなってしまう。

プロデューサーは、
あのリック・ホール。

アメリカ南部のアラバマ州の片田舎、
マッスル・ショールズのフェイム・スタジオ創設者だね。

2013年の映画『黄金のメロディ~マッスル・ショールズ(Muscle Shoals)』で、
その名前を知った人も多いはず。

アメリカ南部なんて黒人差別が激しい場所なのに、
リックはもちろん白人。

そして、
地元の白人ミュージシャンを集めて作ったリズムセクションをバックにヒット曲を生み出していく。

この曲は、
その彼が手掛けた最初のヒット曲でもある。

もちろん、
レコーディングはフェイム・スタジオで行われている。

ちなみに、
アルバムのヴァージョンはシングルのものとは随分違ってよりポップな感じ。

最初聴いた時は、
かなり???という感じだった。

シングル・ヴァージョンの方が良いと思うんだけど、
意外にアルバム・ヴァージョンも何回か聴いているうちにそれはそれで味があって悪くないと思えるようになる。

もしアルバムの方を先に聴いていたら、
この曲のイメージはきっと違うものになっていたかもしれない。

The Rolling Stones – You Better Move On

それで、
ストーンズのカヴァー。

この曲、
ミックの声にかなり合っているよね?

2017年リリースの『On Air』では、
ラジオ番組『Blues in Rhythm』の時の演奏が収録されている。

この音源はミックの声にフォーカスされている感じで、
なかなか良いのだ。

他のカヴァー

この曲、
もちろん他の人にもカヴァーされていけどどれもイマイチかな。

それでも、
ホリーズはなかなか面白い。

彼らの1stアルバム、
ストーンズと同じ1964年リリースの『Stay with The Hollies』に入っている。

あとは、
ウィリー・デヴィルも悪くない。

2002年の『Acoustic Trio Live in Berlin』でこの曲を演っていて、
やはりその声はいつ聴いても惹かれるものがある。

というわけで…

今回はリック・ホールのプロデュースでつくられたシングル、
アーサー・アレキサンダーの『You Better Move On』。

オリジナルのシングルとアルバムのヴァージョンとストーンズの2バージョン、
更にホリーズとウィリー・デヴィルの計6曲。

最初にストーンズを聴いて育ったので、
やはりこれはミックが唄っているのがしっくりとくる。

なんでもそうだけど最初の体験っていうのは、
後々まで影響することが多い。

そんなことないという人は、
多分最初の体験のイメージが良かったからなんだろう。

最初を覚えていない、
というのはイヤな印象がなかったということだからだ。

いろいろな初体験を、
ちょっと思い出してみると良い。

覚えている数が多い人と、
少ない人がいるだろう。

少ない人は、
ある意味幸いである。

他のストーンズのカヴァーはこちら!

The Rolling Stones
The Rolling Stones

おまけ

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