Arthur Alexander – Anna (Go to Him)
さて、
ビートルズのカヴァーしたオリジナルや他のカヴァーを追ってみよう!シリーズ。
今回が、
その第一弾。
1st Album『Please Please Me』から、
先ずは『Anna (Go to Him)』。
アルバムでは、
『I Saw Her Standing There』~『Misery』に続く3曲目に位置する。
このカヴァーのオリジナルは、
アーサー・アレキサンダーが1962年にリリースした曲。
何故かタイトルは『Go to Him』なのに、
実際に唄う時は『Go with Him』ナゼなんだろう?という疑問はさて置き。
彼は、
以前にアップした『Original&Cover The Rolling Stones』に出てきている。
ストーンズがカヴァーした、
アーサー・アレキサンダー最大のヒット曲『You Better Move On』の時だ。
この曲がA面で、
B面が今回の『Anna (Go to Him) 』。
A面をストーンズに、
B面がビートルズにそれぞれカヴァーされたというなかなかスゴイシングルなのだ。
この曲をジョンが唄う時は『♫ア~アンナ』という感じだけど、
こちらは『♫アンナ~ア』と唄い方がちょっと違う。
先に何回も聴いていたのはビートルズの方だったから、
最初は違和感があったけれど今ではもうすっかり慣れてしまった。
The Beatles – Anna (Go to Him)
そんなわけで、
ジョンが唄う『Anna (Go to Him) 』。
わりと忠実にカヴァーされている感じだけど、
歌もアレンジもビートルズの方が良いかな?
ここではジョージがフィンガー・ピッキングとピック弾きを上手く組み合わせて、
独特のフレーズでオリジナルのピアノとはまた違う感じになっている。
ジョンのヴォーカルも『All of my life,I’ve been searchin’ for a girl…』から盛り上がっていく感じは、
オリジナルを完全に超えていると思う。
このレコーディングの日、
ジョンが風邪をひいていたという話は有名だけどそれでも改めて聴くと良い声だな。
何だっけ?
ホラ『1/fゆらぎ』とかいうやつだっけ?
人は心地が良いと感じる音のゆらぎが存在するらしくて、
このゆらぎのことを『1/fゆらぎ』っていうんだよね。
ジョンの声は、
この『1/fゆらぎ』を持つ声って言われている。
他にもヒトラーもそうだったという話だし、
美空ひばりや最近だと宇多田ヒカルもそうみたい。
あとモーツァルトやベートーヴェンの曲にもあるらしいし、
雅楽の『越天楽』なんかもそうみたいだ。
他にもたくさんあるみたいだけど、
人を気持ち良くさせるということではどれも共通している。
そうそうビートルズのこの曲のカヴァーは、
別ヴァージョンがある。
1963年、
BBCのラジオ番組『Pop Go the Beatles』で流れたやつだ。
2回吹き込まれているみたいだけど、
取り敢えず聴けるのは『On Air – Live at the BBC Volume 2』のヴァージョン。
1963年6月17日と8月1日に録られているみたいだけど、
これは後者のヴァージョン。
それにしても、
誰が唄うのか?の選択肢がビートルズの場合は4つもあるわけで。
そこは、
ストーンズとは違うところだな。
そしてビートルズのカヴァーのヴォーカルは、
この曲にはやはりこの人だなと納得させるものが多い。
この曲をポールが唄うのは想像できないし、
リンゴも違う。
ジョージはありかもしれないけれど、
やはりジョンだよなとなる。
このリード・ヴォーカルを誰にするのか?
というのも1つのセンスなのかもしれない。
とは言っても、
デビュー前から唄ってた曲が多いんだけどね。
確かデビュー前とデビューしてカヴァーした時に、
リード・ヴォーカルが替わっている曲があったはずだけど…。
それはそのうち出てくるから、
今回は取り上げないでおく。
他のカヴァー
それでビートルズ以外のこの曲のカヴァーと言っても、
この曲はもうビートルズで完結してしまっているので他のカヴァーはあまり惹かれるものがない。
ただ、
これは結構良いよというものがもう1つだけある。
それは、
ハンブル・パイがカヴァーしたやつなのだ。
彼らのアルバムに、
1974年の『Thunderbox』がある。
ジャケットが結構インパクトのあるやつだから、
知っている人は多いだろう。
あのヒプノシスが手掛けたもので、
鍵穴とその奥のトイレに座っている女性のジャケットが印象的なやつだ。
ちなみにこのアルバムのタイトル『Thunderbox』は、
17世紀のトイレの俗語らしい。
そう考えると、
このジャケットもちゃんとそのタイトルに基づいたものなわけだね。
このカヴァーのスティーヴ・マリオットのヴォーカルも、
ロバート・プラントが『スティーヴ・マリオットになりたい』と言ったことがあるくらいだからやはり素晴らしい。
というわけで…
今回はビートルズがカヴァーした曲、
アーサー・アレキサンダーがオリジナルの『Anna (Go to Him) 』。
オリジナルとビートルズのカヴァー、
そしてハンブル・パイのヴァージョン。
ところでこの歌に出てくる『Anna』は誰なんだろう?
実在の人物なんだろうか?
まあ本当のところさほど興味はないけれど、
何かエピソードがあればそれはそれで面白いんだけどな。
それはそうと、
昔々甲斐バンドの『安奈』って曲があったっけとふと思い出した。
今聴くと、
とてつもなく古い印象を受ける。
ギリギリ、
耐えられるかどうかという感じだ。
まあここで聴くわけではないから、
良いんだけど。
もちろんビートルズやオリジナルの音の方が古いわけだけど、
ナゼかこちらはあまり古いとは感じない。
これは多分、
この時代の音が聴き慣れているせいなのかもしれない。
普遍性がある音だとも言えるんだけど、
他の人の耳には実は『古いね~コレ』となるのかもしれないけど。
まあ、
古いのは間違いない。
60年前後も昔の音なんだから、
あたりまえだ。
コメントしてみる お気軽にどうぞ!