『ムーングロウ』/『言い出しかねて』
女は時間をかけてブランデーを三杯飲み、更に何枚かのレコードを聴いた。エロール・ガーナーの『ムーングロウ』、バディー・デフランコの『言い出しかねて』。
―村上春樹-木野-P232
Erroll Garner – Moonglow
エロール・ガーナ―(Erroll Louis Garner)、
1921年6月15日-1977年1月2日。
音符が読めなかった、
左利きのジャズ・ピアニスト。
ここに出てくる『ムーングロウ(Moonglow)』は、
1933年に発表されたジャズ・スタンダード・ナンバー。
ウィル・ハドソンちエディ・デ・ランジ、
アーヴィング・ミルズの三人の共作。
1956年の映画『ピクニック(Picnic)』で、
ハル(ウィリアム・ホールデン)とマッジ(キム・ノヴァック)がダンスを踊るシーンで流れていた。
Buddy DeFranco – I Can’t Get Started
バディー・デフランコ(Buddy DeFranco)、
1923年2月17日 – 2014年12月24日。
スイング期は花形楽器だったクラリネットだけど、
ビ・バップ以降になると一気に廃れてしまった感がある。
でも彼はそんな中でも、
モダンなアプローチを追求し続けた。
『言い出しかねて(I Can’t Get Started)』は、
1936年のジャズ・スタンダード・ナンバー。
ジョージ・ガーシュウィンの兄アイラ・ガーシュウィンの作詞だけど、
曲は弟ではなくヴァーノン・デューク。
短編集『女のいない男たち』で流れる他の音たちはこちら!
女のいない男たち
村上春樹『女のいない男たち』で流れる音楽たち
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