『Monterey Pop』のジミ・ヘンドリックス
ジミ・ヘンドリックスの伝記とか、
―村上春樹-イエスタデイ
詰め将棋の本とか、
『宇宙はどこから生まれたのか』とか。
ジミ・ヘンドリックスの伝記は、
読んだことはない。
もちろんどんな人生だったのか?に興味がないわけではないけれど、
誰かが書いた文字よりも彼自身が奏でた音があるんだからそれで充分な気がしている。
ジミ・ヘンドリックスを知ったのは中学生の頃で、
もう彼はあっちの世界に消えてしまっていた。
最初に聴いたのは、
というより観たのが先。
1967年に開かれたモントレー・ポップ・フェスティバルの様子を記録した、
映画『Monterey Pop』でのパフォーマンス『Wild Thing』。
何しろ今みたいに簡単にああいった動画を観られるような時代じゃあなかったから、
そりゃあ初めてあの映像を観た時はなかなかの衝撃だった。
ブライアン・ジョーンズに紹介されてステージに上がった彼は、
歯でギターを弾いたりギターに火をつけたりと初めて観るその光景に目が釘付けになったものだ。
この映画には、
多くのミュージシャンが登場する。
- Scott McKenzie – San Francisco (Be Sure to Wear Flowers in Your Hair)
- The Mamas & the Papas – Creeque Alley/California Dreamin’
- Canned Heat – Rollin’ and Tumblin’
- Simon & Garfunkel – “The 59th Street Bridge Song (Feelin’ Groovy)
- Hugh Masekela – Bajabula Bonke (The Healing Song)
- Jefferson Airplane – High Flying Bird/Today
- Big Brother and the Holding Company – Ball and Chain
- Eric Burdon & The Animals – Paint It Black
- The Who – My Generation
- Country Joe and the Fish – Section 43
- Otis Redding (backed by Booker T. & the M.G.’s) – Shake/I’ve Been Loving You Too Long
- The Jimi Hendrix Experience – Wild Thing
- The Mamas & the Papas – Got a Feelin’
- Ravi Shankar – Dhun (Dadra and Fast Teental) (mistitled as Raga Bhimpalasi)
ジャニス・ジョプリンとジミ・ヘンドリックス、
ザ・フーとオーティス・レディングの映像は今でも覚えている。
ポール・マッカートニーとジミ・ヘンドリックスのエピソード
ところで、
モントレー・ポップの彼の印象に残っているエピソードが2つある。
1つは彼が出演した経緯には、
ポール・マッカートニーの紹介があったという話。
ママス&パパスのジョン・フィリップスはフェスティバルの参加者を集めている時に、
ポールに会いに行きビートルズの出演交渉をしている。
でもビートルズは前年にライブ活動を止めていた。
それに『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』のレコーディングの真っ最中。
その代わりにと紹介されたのが、
ジミ・ヘンドリックスだったというエピソード。
もう1つはザ・フーとジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスを連続してステージに登場させようとした際に、ピート・タウンゼントが自分たちを先に出してほしいと懇願したってやつ。
どちらも楽器を破壊するパフォーマンスをしていたから、
当然先に出たもの勝ちというのがあったんだろう。
結局ザ・フーが先に出演、
グレイトフル・デッドを挟んでジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスとなっている。
今となってみれば、
連続して出演しようがどちらが先だろうが関係ないくらい両パフォーマンスは素晴らしいものだったけどね。
The Jimi Hendrix Experience – All Along the Watchtower
さて、
この物語のこの場面ではジミ・ヘンドリックスの名前が伝記で出てくるだけだから音楽は流れているわけじゃあない。
なので、
ボクが勝手に選んだ曲を1曲。
1968年にシングルでリリースされた後、
彼の存命中最後のスタジオ・アルバムになった『Electric Ladyland』にも収録された曲。
ボブ・ディランのカバー、
デイヴ・メイソンがギターでブライアン・ジョーンズがパーカッションで参加している『All Along the Watchtower』だ。
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