モーツァルト – ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲変ロ長調K.424

haruki-murakami-pinball-1973-mozart

【1973年のピンボール】の中のモーツァルト

そして日曜日には鼠は漠然とした気持ちで一日を過ごし、
彼女はモーツァルトを弾いた。

1973年のピンボール

ここでの彼女は日曜の夜には電車に乗ってヴィオラの練習に通っているのだから、
彼女が弾いたのはヴィオラの為の曲なんだろうか?

だけど、
モーツアルトはヴィオラ・ソナタは作曲していないはずだ。

そうなると、
【ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲】とかね。

でも、
ヴァイオリンなしこの曲を弾くものなんだろうか?

現実的にはヴァイオリン用に作られたものを、
5度音程を下げて編曲したモーツァルトのヴァイオリン・ソナタということなだけかもしれない。

それにしても、
ナゼ彼女はヴィオラだったんだろう?

ヴァイオリンを盗まれないようにするには?ヴィオラのケースに入れておく、
なんてジョークがあるくらいだもんな。

でも、
それが彼女なのだ。

いつも目立ちこそしないが趣味の良いワンピースを着て、
こざっぱりとした下着をつけ、
体には朝のブドウ園のような香りのするオーデコロンをつけ、
注意深く言葉を選んでしゃべり、
余計な質問をせず、
鏡に向かって何度も練習を積んだような微笑み方をした。

1973年のピンボール

ならばヴァイオリンではなくて、
やはりヴィオラが似合う。

【ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲】

それでこの曲は、
大司教から求められて曲を書いていたハイドンが病に倒れた代わりにモーツァルトが急遽作曲した曲。

ハイドンはモーツァルトの後任として、
宮廷および教会の作曲家・オルガン奏者を務めていたわけで。

モーツァルトが1783年7〜10月、
ザルツブルクに帰省した時のことだ。

ハイドンは6曲求められていたが、
4曲つくって病に。

なのでモーツァルトは、
残りの2曲をつくっている。

1曲が、
【ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲ト長調K.423】。

そしてもう1曲が、
【ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲変ロ長調K.424】だ。

【ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲変ロ長調K.424】

ここでは、
【ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲変ロ長調K.424】の方を。

こちらを選んだ理由は、
特にない。

Duo No.2 In B-Flat Major For Violin & Viola, K.424
ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲変ロ長調K.424

 1.Adagio – Allegro
 2.Andante Cantabile
 3.Thema. Andante grazioso – Variazioni I-VI – Allegro(主題と6つの変奏)

ジョセフ・フックス/リリアン・フックス

演奏の方は、
フリックス兄妹で。

ヴァイオリンがジョセフ・フックス、
ヴィオラがリリアン・フックス。

他の村上春樹作品の中のモーツァルトはこちらから

コメントしてみる お気軽にどうぞ!

タイトルとURLをコピーしました