アレクサンドル・ボロディン – 弦楽四重奏曲

ボロディン 弦楽四重奏曲

アレクサンドル・ボロディンの弦楽四重奏曲を聴きながら

FMラジオでアレクサンドル・ボロディンの弦楽四重奏曲を聴きながら、
何枚かのシャツとシーツにアイロンをかけた。

街とその不確かな壁

もちろんボクは、
ボロディンの弦楽四重奏曲を聴きながら何枚かのシャツとシーツにアイロンをかけたことはない。

というよりも、
もう随分と長いことアイロンをかけたこと自体がない。

村上春樹とアイロン

村上作品でアイロンがけと言えば、
やはり『ねじまき鳥クロニクル』で『僕』がアイロンをかけるシーンだ。

シャツにアイロンをかけようと僕は思った。
頭が混乱してくると、
僕はいつもシャツにアイロンをかける。
昔からずっとそうなのだ。
僕がシャツにアイロンをかける工程は全部で十二にわかれている。
それは、(1)襟(表)にはじまって(12)左袖・カフで終わる。
僕はひとつひとつ番号を数えながら、
きちんと順序どおりにアイロンをかけていく。
そうしないことにはうまくいかないのだ。

ねじまき鳥クロニクル

シャツをアイロンにかける十二工程、
それはまるで儀式のようだ。

だいたいアイロンをかける工程が全部で十二もあるなんて、
ボクには全く想像できなかったので妙に記憶に残っている。

だからといって、
その十二の工程にはまるで興味が湧かない。

きっとそれは、
自分を落ち着かせる為の術が違うんだろう。

何かプロセスを踏むことで、
自分を落ち着かせるというのは想像できなくもない。

ただボクは、
儀式みたいなもので混乱している自分を落ち着かせるということがないのだ。

アイロンのある風景

村上春樹・アイロン繫がりで思い出すのが、
短編集『神の子どもたちはみな踊る』には『アイロンのある風景』。

そこでは、
アメリカの作家ジャック・ロンドンの『To Build a Fire(たき火)』が登場する。

この物語は、
1902年版と1908年版の2つが存在する。

1902年版では主人公は生き延びるが、
1908年版では自然環境に対抗しうる火を起こすことに失敗して死を受け入れ安らかな眠りにつく。

ここに出てくるのは、
後者の方だろう。

これを読書感想文の課題として何度も何度も読んだ順子は、
主人公の男は死を求めていると感じる。

死を求めているのに、
圧倒的な自然という存在と全力を尽くして闘わなければならない矛盾性。

順子の焚火フレンド、
画家の三宅は順子にジャック・ロンドンが海で溺れて死ぬと考えていたという話をする。

実際はモルヒネを飲んで自殺をしたけれど、
ある意味ひとりぼっちで海で死んだようなものでその予感は一種の身代わりだと言う。

三宅も自分の死に方についてしょっちゅう考えていて、
冷蔵庫の中に閉じ込められて死ぬと予感している。

そして最近描いた絵のタイトルが『アイロンのある風景』で、
そのアイロンは何かの身代わりだと言う。

きっと、
冷蔵庫もそうなんだろう。

それぞれの身代わりは何なのか?
いろいろ考えられるし想像することはできるけれど正解はわからない。

アレクサンドル・ボロディン

さてアレクサンドル・ボロディンは、
このあと書かれているように科学者として有名で生涯有機化学研究家として多大な業績を残している。

30歳まで作曲を正式に学んだことがなかったボロディンだけど、
ロシア5人組のうちの1人。

ロシア5人組は、
ロシアで民族主義的な芸術音楽の創造を志向した作曲家集団。

あとの4人は本の中で出てくるムソルグスキーとリムスキー・コルサコフ、
そしてツェーザリ・キュイとまとめ役だったミリイ・バラキレフ。

おもしろいのは、
ボロディン以外も音楽家でありながら音楽家だけではなかったこと。

元々音楽家のバラキレフは、
生活のためにサンクトペテルブルク・ワルシャワ鉄道で勤務したこともあった。

キュイは実践的な軍事教練の専門家として著名だったし、
ムソルグスキーは下級官吏として生計を立てていたし。

リムスキー=コルサコフはロシア海軍だったし、
みんな音楽だけつくっていたわけではない。

正式に音楽を学んだのはバラキレフくらいで、
あとはアマチュアの集団だったともいえるがみんな素晴らしい曲を残している。

ボロディンの弦楽四重奏曲は2曲

ボロディンというと先ず交響詩『中央アジアの草原にて』が思い浮かぶが、
有名な科学者だったからそんなに多くを作曲しているわけではない。

それで、
弦楽四重奏曲は2曲。

弦楽四重奏曲第1番 イ長調と、
弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調。

1番は、
ベートーベンの弦楽四重奏曲第13番作品130のフィナーレの主題を引用している。

2番は、
第三楽章の夜想曲で有名だ。

弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調

FMラジオからはどちらが流れていたのか?は書かれていないので、
弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調の方を。

この曲は、
妻に愛を告白した20周年の記念としてエカテリーナに献呈されている。

ボロディン 弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調

第1楽章:Allegro moderato ニ長調
第2楽章:スケルツォ:Allegro ヘ長調
第3楽章:ノクターン(夜想曲、ノットゥルノ):Andante イ長調
第4楽章:Finale:Andante – Vivace ニ長調

【街とその不確かな壁】で流れる他の音たちはこちら!

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