モーツァルト – ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466

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【ノルウェイの森】の中のモーツァルト

「昔モーツァルトのコンチェルト弾いたときはもっと拍手が大きかったわねえ」
と彼女は言った。

ノルウェイの森

コーヒー・ハウスで、
レイコさんがギターでS&Gの『スカボロー・フェア』を弾いたあとのセリフだ。

トレーナー・シャツとホワイト・ジーンズのポニー・テールの女の子と、
直子と僕が三人で拍手をしてレイコさんが丁寧に頭を下げたあと。

このあとレイコさんはビートルズの『ヒア・カム・ザ・サン』を弾き、
直子と僕は牧場の柵にそった平坦な道をのんびりと歩く。

やがて小さな湖のようにまわりを林に囲まれた丸い形の草原に出て、
草原の乾いた草の上に腰を下ろし抱きあう。

モーツァルトのコンチェルト

モーツァルトのコンチェルトは前々回の【羊をめぐる冒険】
前回の【世界の終りとハードボイルドワンダーランド】にも出てきたね。

前回は、
具体的に出てきた。

ピアノ協奏曲第23番 イ長調 K.488と、
ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491。

前々回はボクが勝手に選んだ、
クラリネット協奏曲 イ長調 K.622。

今回も具体的には曲のタイトルが出てきてはいないが、
ピアノ協奏曲であることは間違いがない。

ピアノ・コンチェルト

モーツァルトのピアノ協奏曲は、
全部で27曲ある。

最初の4曲は、
1767年(11歳の時)の作品。

他の人の作品を編曲した習作だけど、
ちゃんと番号は付いてはいる(KV37・39・40・41)。

そして1773年作曲の5番以降が、
オリジナルとなる。

ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466

それで、
具体的に曲名がないので勝手にまた選ぶことにする。

今回は、
ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466。

この曲は、
1785年に自らの予約演奏会の為に書かれたもの。

第24番とこの曲だけが、
ピアノ協奏曲の中では短調。

Klavierkonzert Nr.20 in d-Moll, KV466
ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466

第1楽章 Allegro ニ短調 4分の4拍子 協奏風ソナタ形式
第2楽章 Romanza 変ロ長調 4分の4拍子 三部形式
第3楽章 Rondò. Allegro assai ニ短調 – ニ長調 2分の2拍子 ロンドソナタ形式

第1楽章と第3楽章にはカデンツァがあるけど、
モーツァルトによるカデンツァは残されていない。

ベートーヴェンやブラームスがこの曲を演奏した時に、
カデンツァを書いている。

今回は、
3つの演奏を。

クララ・ハスキル/イーゴリ・マルケヴィチ/ラムルー管弦楽団

最初は、
クララ・ハスキルのピアノ。

指揮はイーゴリ・マルケヴィチで、
オーケストラはラムルー管弦楽団。

この吹き込みは、
ハスキルがこの世を去る(1895年1月7日-1960年12月7日)1ヵ月前1960年11月パリでのもの。

カデンツァは、
ハスキル自身のもの。

Yvonne Lefébure,Wilhelm Furtwängler,Berlin Philharmonic Orchestra

続いては、
イヴォンヌ・ルフェビュールのピアノ。

指揮はウイルヘルム・フルトヴェングラー、
オーケストラベルリン・フィルハーモニー管弦楽団。

1954年5月15日の吹き込みだから、
フルトヴェングラー(1886年1月25日-1954年11月30日)が亡くなる半年前のもの。

カデンツァは、
彼女と結婚したフレッド・ゴールドベックという人のものらしい。

Martha Argerich,Claudio Abbado,Orchestra Mozart

最後は、
マルタ・アルゲリッチのピアノ。

クラウディオ・アバド指揮、
モーツァルト管弦楽団。

2013年3月、
ルツェルンでのライブ。

前出2枚と比較して、
???の方も多いだろうけど。

カデンツァは、
ベートーヴェンのもの。

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