モーツァルト – 弦楽四重奏曲 第18番 イ長調 K.464

【海辺のカフカ】の中のモーツァルト1

多くの人々はバッハやモーツァルトに比べてハイドンを軽く見ます。
その音楽においても、
その生き方においても。

海辺のカフカ

古風な喫茶店、
ハイドンのチェロ・協奏曲が流れている。

1番、
ピエール・フルニエのチェロだ。

店主は星野青年に、
ハイドンの人間と音楽について熱心に語る。

ここではハイドン>モーツァルトだけど、
モーツァルトの名前が出てくる。

名前が出てくるのであって、
音楽は流れない。

流れているのは、
ハイドンだ。

多くの人は、
果たしてハイドンを軽く見るんだろうか?

未完・断片のみや紛失した作品や偽作を除いても、
700曲ほどの曲を書いているし交響曲だけでも100曲以上ある。

交響曲の父とか弦楽四重奏の父とか言われているわけだし、
決して軽くは見られてはいないだろう。

現在のドイツ国歌『ドイツの歌(Deutschlandlied)』の原曲も、
ハイドンだしね。

ただバッハやモーツァルトとの比較となると、
軽く見る人も確かにいるだろう。

例えば、
モーツァルトが亡くなったのは36歳。

ハイドンが36歳の時には、
まだ重要な作品は殆ど書いていない。

比較するとね、
こうなっちゃう。

だからといって、
ハイドンの方が軽くなるわけではない。

ハイドン・セット

モーツァルト20代半ば、
ハイドン50歳の頃に初めて出会う2人。

2人は、
お互いに影響し合う。

モーツァルトが書いた、
弦楽四重奏曲にはハイドン・セットがある。

第14番 ト長調 K.387
第15番 ニ短調 K.421
第16番 変ホ長調 K.428
第17番 変ロ長調 K.458『狩』
第18番 イ長調 K.464
第19番 ハ長調 K.465『不協和音』

ハイドンが書いた『ロシア四重奏曲 作品33』、
弦楽四重奏曲は古典的な完成を果たしたと言われている作品。

この作品をモーツァルトが研究して、
2年あまりを費やし完成させたのがこのハイドン・セット。

ハイドンに献呈され、
出版前に自らもヴィオラを弾きハイドンに直接聴かせている。

弦楽四重奏曲 第18番 イ長調 K.464

以前に第15番 ニ短調 K.421は出てきているので、
ここでは第18番 イ長調 K.464。

セットの6曲中で最も規模が大きいもので、
ベートーヴェンが弦楽四重奏曲第1番~6番を書く際にこの曲を研究したとされる。

Streichquartett Nr.18 A-dur, Kv.464
弦楽四重奏曲 第18番 イ長調 K.464

第1楽章 Allegro イ長調 4分の3拍子 ソナタ形式
第2楽章 Menuetto e Trio イ長調 4分の3拍子 トリオはホ長調
第3楽章 Andante ニ長調 4分の2拍子 主題と6変奏(第4変奏はニ短調)
第4楽章 Allegro (初版では Allegro non troppo) イ長調 2分の2拍子 ソナタ形式

ウィーン弦楽四重奏団

演奏は、
ウィーン弦楽四重奏団で。

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