Handel:OP1
村上春樹『更に、古くて素敵なクラシック・レコードたち』で流れる音楽、
12)はヘンデル ブロックフレーテと通奏低音のためのソナタ 作品1より。
曲の構成
ヘンデルの作品1は、
いわゆる1730年頃に出版業者ロジェ名義で出版されたものだとこうなる。
ソナタⅠ フルート・ソナタ ホ短調 (HWV 359b)
ソナタⅡ リコーダー・ソナタ ト短調 (HWV 360)
ソナタⅢ ヴァイオリン・ソナタ イ長調 (HWV 361)
ソナタⅣ リコーダー・ソナタ イ短調 (HWV 362)
ソナタⅤ フルート・ソナタ ト長調 (HWV 363b)
ソナタⅥ ヴァイオリン・ソナタ ト短調 (HWV 364a)
ソナタⅦ リコーダー・ソナタ ハ長調 (HWV 365)
ソナタⅧ オーボエ・ソナタ ハ短調 (HWV 366)
ソナタⅨ フルート・ソナタ ロ短調 (HWV 367b)
ソナタⅩ ヴァイオリン・ソナタ イ長調 (HWV 372)
ソナタⅪ リコーダー・ソナタ ヘ長調 (HWV 369)
ソナタⅫ ヴァイオリン・ソナタ ホ長調 (HWV 373)
1732年に出版されたいわゆるウォルシュ版だと、
ソナタⅩがヴァイオリン・ソナタ ト短調 (HWV 368)に。
あとソナタⅫが、
ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 (HWV 370)に差し替えられている。
詳しいことは、
最後に『おまけ』で。
ヘンデル ブロックフレーテと通奏低音のためのソナタ 作品1より 4枚のレコード
ここでは、
4枚のレコードが紹介されている。
・ハンス=マルティン・リンデ(Hans-Martin Linde)
/グスタフ・レオンハルト(Gustav Leonhardt)1969年
・ハンス=マルティン・リンデ(Hans-Martin Linde)
/カール・リヒター(Karl Richter)1969年
・フランス・ブリュッヘン(Frans Brüggen)
/グスタフ・レオンハルト(Gustav Leonhardt)1962年
・アラン・マリオン(Alain Marion)
/ルイ=ノエル・ベローブル(Louis-Noël Belau)1971年
ハンス=マルティン・リンデ/グスタフ・レオンハルト
1枚目はハンス=マルティン・リンデのリコーダー、
グスタフ・レオンハルトのチェンバロ。
ヴィオラ・ダ・ガンバは、
アウグスト・ヴェンツィンガー。
ハンス=マルティン・リンデ/カール・リヒター
2枚目はやはりハンス=マルティン・リンデで、
こちらはフルート。
チェンバロは、
カール・リヒター。
ヨハネス・コッホが、
ヴィオラ・ダ・ガンバ。
作品1ではない『ハレ・ソナタ第1-3番』も収録されているけど、
こちらも一緒に。
フランス・ブリュッヘン/グスタフ・レオンハルト
3枚目はフランス・ブリュッヘンのリコーダー、
グスタフ・レオンハルトがチェンバロ。
チェロは、
アンナー・ビルスマ。
通称『フィッツウィリアム・ソナタ』と呼ばれる、
変ロ長調(HWV 377)とニ短調(HWV 367a)も収録されているのでこれも一緒に。
アラン・マリオン/ルイ=ノエル・ベローブル
4枚目はアラン・マリオンのフルート、
ルイ=ノエル・ベローブルのチェンバロ。
残念なんがら、
音が見つからず。
おまけ
このヘンデルの『作品1(OP1)』は、
1730年頃出版業者ロジェ名義で出版されたもの。
許可を得ることなく、
勝手に出版したらしい。
タイトルは、
『G.F.ヘンデルによって作曲された通奏低音付きの,トラヴェルソ,ヴァイオリン,あるいはオーボエのためのソナタ』。
その後の1732年、
ウォルシュ版が出る。
タイトルは、
『ヘンデル氏によって作曲された,ハープシコードあるいはバス・ヴァイオリンのための通奏低音を伴う,ドイツ・フルート,ヴァイオリン,あるいはオーボエのためのソロ。』
注意として、
この版は以前のものより正しいとある。
とは言え、
どちらも信頼性に欠けるものらしい。
この『作品1』というのは、
ウォルシュが1734年以降の新聞広告で用いた番号で定着してしまったという話だ。
内容は4曲のリコーダー・ソナタを含む、
12曲のソロ・ソナタで他はトラヴェルソ(横笛)とオーボエとヴァイオリン用。
その後、
1837年のクリュザンダー版というのがある。
ロジェ版とウォルシュ版の両方を合わせて、
更に曲を足したもの。
新しいものだと、
ベルント・バーゼルトが作成した『ヘンデルハンドブック(Händel-Handbuch)』のHMV(Händel-Werke-Verzeichnis)なのかな?
1番から612番まで番号が付けられていて、
ジャンル別に分類されているものだ。
まあ番号はあまりどうでも良いのだけど、
紛らわしいのは困る。
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