フランクとドビュッシーのヴァイオリン・ソナタ

vヴァイオリン

フランスの女性ヴァイオリニスト

フランクとドビュッシーのヴァイオリン・ソナタが演奏されたと記憶している。

村上春樹-一人称単数-謝肉祭(Carnaval)P161

この演奏をしたのは、
本文にあるように『フランスの女性ヴァイオリニスト』。

それが誰なのか?
はちょっとわからない。

ただフランスの女性ヴァイオリニストといえば、
天才的ヴァイオリニストのジネット・ヌヴーを最初に思い浮かべる。

もちろん彼女は1949年に飛行機事故で30歳の若さでなくなってしまったから、
ここに出てくるフランスの女性ヴァイオリニストなわけはないのだが。

ジネット・ヌヴー

少し話が逸れるけど、
ジネット・ヌヴーのことを。

彼女は12歳の時にウィーンのコンクールに出て、
あのカール・フレッシュに見出されている。

フレッシュの指導を受けて15歳の時には、
ワルシャワで開催されたヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクールに出場。

そこで1位となったんだけど、
その時の2位がダヴィッド・オイストラフ。

その後は、
当然大活躍の日々。

ただ3度目のアメリカ・ツアーのために、
兄ジャンとともに飛行機に乗った際に悲劇は訪れる。

乗員11名/乗客37名の計48名を乗せたロッキード・コンステレーション機は、
ポルトガル領アゾレス諸島のバラ山に衝突し墜落してしまうのだ。

残念ながら、
生存者はいなかった。

『もしも』はないけれど、
30歳で亡くならずにいたらいったいどんなヴァイオリニストになっていっただろう?

あまりにも早い死は、
本当に残念で仕方がない。

フランクのヴァイオリン・ソナタ

さて、
ここに登場するのはフランクとドビュッシーのヴァイオリン・ソナタだ。

先ずは、
フランクのヴァイオリン・ソナタ イ長調 FWV 8 。

1886年に作曲した、
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ。

ピアノはヴァイオリンの伴奏というより対等で、
ピアノとヴァイオリンの二重奏曲。

曲は4つの楽章からなる大作で、
同郷のヴァイオリニストであるウジェーヌ・イザイの結婚祝いとして作曲され献呈されたもの。

第1楽章:Allegretto ben moderato 8分の9拍子 イ長調
第2楽章:Allegro 4分の4拍子 ニ短調
第3楽章:Recitativo-Fantasia (ben moderato) 2分の2拍
第4楽章:Allegretto poco mosso 2分の2拍子 イ長調

ダヴィッド・オイストラフのヴァイオリン、
レフ・オーボーリンのピアノで。

ドビュッシーのヴァイオリン・ソナタ

ドビュッシー最後の作品といわれていた、
ヴァイオリン・ソナタ。

初演もドビュッシー自身がピアノを弾き、
ガストン・プーレがヴァイオリンを奏でた。

その後ピアノ曲が発見されて、
最後ではなくなったみたいだけど曲の素晴らしさが変わるわけじゃあない。

曲はト短調で3つの楽章からなり、
15分前後の作品。

第1楽章 Allegro vivo 4分の3拍子ト短調
第2楽章 Intermède. Fantasque et léger 4分の2拍子 ト短調
第3楽章 Finale. Très animé 8分の3拍子・16分の9拍子・16分の6拍子ト短調

この曲は、
はりジネット・ヌヴーで。

ピアノは、
もちろん兄のジャン ・ヌヴー。

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