Come On

カム・アゲイン・スーン

Chuck Berry – Come On

June 7, 1963 1st Single(UK)

 A:Come On
   (Chuck Berry)
 B:I Want to Be Loved
   (Willie Dixon)

ローリング・ストーンズの記念すべきデビュー・シングルに選ばれた曲は、
本人たちはあまり納得がいかなかったらしい『Come On』。

B面の『I Want to Be Loved』も、
カヴァーだ。

やはり『Rolling Stone Classic』に出てくる順番ではなくて、
リリース順で聴いていこうかと思う。

とは言え、
この曲が『Rolling Stone Classic』の1曲目でもあるんだけど。

この曲のオリジナルは、
もちろんチャック・ベリー。

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で、
マーティが『Earth Angel』のあとに『Johnny B. Goode』を演っているシーン

いとこのマーヴィン・ベリーが、
電話を掛ける相手でもある。

このシーン、
いつまで経っても好きなんだ。

Chuck!Chuck,it’s Marvin.
Your cousin, Marvin Berry.
You know that new sound you’re looking for ?
Well,listen to this!

Back to the Future

もちろん、
マーヴィン・ベリーは実在しない。

それでこの曲はチャック・ベリー1961年のシングルなんだけど、
残念ながら全米でチャート・インはしなかった。

ただ、
B面の『Go Go Go』は全英で40位にランクインしたんだよね。

ここではあの『Johnny B. Goode』や『Bye Bye Johnny』に続いて、
またジョニーが出てくる。

The Weekly Record Hopでギターを弾くジョニー、
1958年の『Johnny B. Goode』から3年経ってジョニーも出世したみたい。

結局、
まだ引き摺るというか引っ張っている。

このシングルをリリースしたあと、
チャックは1959年のある事件の裁判で有罪となり1年半ほどの務所暮らしとなってしまう。

その間にビートルズやストーンズが彼の曲をカヴァーしてくれたおかげで、
出所後もキャリアを積み重ねていくことができたんだろうね。

The Rolling Stones – Come On

それで、
ストーンズのカヴァー。

チャックが刑務所暮らしをしている頃、
1963年にストーンズがデビュー・シングルとしてこの曲をリリースする。

チャックのイントロのチープさは何とも言えないけれど、
ストーンズのはちょっと違う。

ブライアン・ジョーンズのハーモニカがね、
なかなか良くてこの曲のクオリティを上げている感じ。

ただこの曲、
最初に書いたように1stシングルにすることをストーンズ側はかなり拒絶していたらしい。

でもストーンズといえどもまだこの時は新人バンドだったわけで、
結局はレコード会社の圧力に負けて渋々リリースとなったようだ。

そんなわけで、
記念すべき1stシングルにも拘わらずこの曲をライブで演ったのはデビュー当時だけ。

その後、
一切この曲を取り上げることはなかった。

確か今までに、
たったの11回しか演っていない。

しかも最後が1966年のことだから、
半世紀以上経っている。

チャック・ベリーのカヴァー自体は、
1番多い『Little Queenie』 など他の曲も併せれば最も多く演奏されているにもかかわらずだ。

ただ、
2013年の『50 & Counting Tour』で少しだけ演っている。

このシングルがリリースされた50年後となる前日の公演で、
数小節だけチャーリーのドラムで唄っていた。

それにしてもこのシングル、
久しぶりに聴いてみるとそんなに悪くない気もするんだけど贔屓目なのかもしれない。

デッカ・レーベルはこのデビュー・シングルの見本盤を、
バンドの事務所に届けたがその枚数はわずか4枚。

気に入っていないとはいえ、
メンバーたちは自分たちのレコードを購入する羽目になったという話もある。

ストーンズといえども、
最初はこんな感じだったんだね。

そういえば、
2017年リリースの『On Air』の一発目にもこの曲が登場する。

これはBBCのラジオ番組『Saturday Night』の為に録音したもので、
オリジナルとは若干違う。

いずれにしても、
この曲を始まりにしてストーンズは今も何とか転がり続けている。

チャーリーを失ってもまだ転がり続けるだろうか?
それはわからない。

確かにチャーリーの死後も、
新たなツアーが既に始まっている。

ただ考えたくはないが終焉が近付いていることも、
紛れもない事実だろう。

他のカヴァー

例えば、
ウィッシュボーン・アッシュがこの曲を演っている。

1979年、
シングル・リリース。

オリジナルともストーンズのものとも全く違うけど、
これはこれで悪くない。

そんなわけで…

今回は、
ストーンズのデビュー曲となった『Come On』。

チャック・ベリーのオリジナルと、
ストーンズのカヴァー2ヴァージョン。

そして、
ウィッシュボーン・アッシュ。

こうやって好きなアーティストがカヴァーした曲を探して聴くと、
いろいろな音に出会うことになる。

そこからどんどん、
音の世界は拡がっていく。

そういうのが嫌いじゃあない人の為に、
ここが1つの場所になると良いと思う。

他のストーンズのカヴァーはこちら!

おまけ

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