Bye Bye Johnny

汽車

The Rolling Stones 1st EP

January 10, 1964 1st EP(UK) The Rolling Stones

 A1:Bye Bye Johnny
    (Chuck Berry)
 A2:Money
    (Berry Gordy/Janie Bradford)
 B1:You Better Move On
    (Arthur Alexander)
 B2:Poison Ivy
    (Jerry Leiber/Mike Stoller)

ストーンズが1stシングル『Come On』、
2ndシングル『I Want Be Your Man』に続いてリリースしたのはEP。

タイトルは、
バンド名まんまの『The Rolling Stones』。

A面とB面に2曲ずつで、
全てカヴァー曲で構成されている。

アルバムはまだつくらせてもらえなかったけれど、
そのテストみたいな感じでこのEPはリリースされた。

Chuck Berry – Bye Bye Johnny

そのEPの最初を飾る曲が、
1stシングル『Come On』に続いて2度目になるチャック・ベリーのカヴァー。

ボイジャー1・2号機に搭載された、
ゴールデンレコードに収録された『Johnny B. Goode』のセルフ・アンサー・ソング。

1960年シングル・リリースされた後、
アルバム『Rockin’ at the Hops』の1曲目に登場する『Bye Bye Johnny』だ。

1stシングルの選曲はいかがなものか?と思うけど、
こちらの選曲はとても良い。

Rockin’ at the Hops

このアルバムは、
ミックとキースが小学校以来久しぶりに再会した時のエピソードに登場する。

1961年10月17日、ロンドン近郊にあるダートフォード駅。
そこでミックとキースが運命的な再会を果たした。
ロンドンの大学生となったミック・ジャガーとアートスクールに通うキース・リチャーズ。
ミックが抱えていた数枚のチェス・レーベルのレコード。
それに目を止めたキースがミックに話しかけた。


その時ミックが抱えていたレコードの1枚が、
この『Rockin’ at the Hops』。

他はマディ・ウォーターズの『The Best Of Muddy Waters』、
リトル・ウォルターの『The Best Of Little Walter』だったみたい。

ミックはこのレコードを、
アメリカから取り寄せていたんだよね。

さすが、
実は中流階級のお坊ちゃまなだけのことはある。

よく勘違いしている人がいるけど、
この再会がきっかけでストーンズが誕生したわけではない。

ブライアン・ジョーンズが広告でバンド・メンバーを募集して、
それでミックもキースも加わっただけの話だ。

ストーンズがライヴでカヴァーした曲で1番多いのは?

ちなみに、
ストーンズがカヴァーした曲はチャック・ベリーが1番多いんじゃないかな?

そしてライヴで演奏しているのも、
やはり同じだと思う。

今のところ、
その数は460回あまり。

1曲だけじゃなくて、
何曲もカヴァーしているからね。

どんな曲をどれくらい演っているのか?
ちょっと見てみるかい?こんな感じだ。

SongPlay Count
Little Queenie162
Bye Bye Johnny 63
Around and Around51
Let It Rock51
Carol35
Roll Over Beethoven32
Sweet Little Sixteen25
Come On11
I’m Talking About You11
Beautiful Delilah7
Memphis, Tennessee6
Jaguar and Thunderbird2
Back in the U.S.A.1
Johnny B. Goode1
Nadine1
No Money Down1
1962.9-2021.9

今回の『Bye Bye Johnny』は?と言えば、
なんと『Little Queenie』に次いでのセレクトとなっている。

もちろん、
これはチャック・ベリーのカヴァーではということだけど。

ちなみに、
最も多くカヴァーしている曲はザ・クリケッツの『Not Fade Away』で190回。

次いでボブ・ディランの『Like a Rolling Stone』、
そして3番目に『Little Queenie』が入る。

それで『Bye Bye Johnny』は、
16番目。

The Rolling Stones – Bye Bye Johnny

それでストーンズのカヴァーは、
やはりいつものことだけどオリジナルのスカスカな感じとは違う。

どっちが良いか?
は好みなんだろうけどストーンズの方がカッコいいかな。

カッコいいと言えば、
1972年の北米ツアー『Ladies & Gentlemen』の音源は実にカッコイイ。

ミックがメンバー紹介をして、
最後にキースを紹介するとおもむろにこの曲のイントロを弾き出して始まるところが堪らない。

この時のライヴを生で観たかった、
といつも思う。

他のカヴァー

他のカヴァーだとこれなんかどうかな?
ザ・リージェンツ1964年のシングル。

バディ・ホリーから一部名前を拝借したバディ・ブリティンが、
後にディープ・パープルになるニック・シンパーらと組んだバンドだね。

オリジナルともストーンズとも違うんだけど、
これも悪くない。

そういえば、
ビートルズがデビュー・シングル『Love Me Do』をリリースした日の話がある。

この日、
彼らはウォリックシャー・ヌニートンの『Co-operative Hall』で演奏している。

その時同じステージに立っていたのが、
実はこのバディ・ブリティン& ザ・リージェンツなのだ。

ビートルズが機材のセッティングを終えた後、
この2つのバンドがジャム・セッションを行ったという話がある(ピート・チェインバーズ-Sent To Coventry)。

というわけで…

今回の曲は、
チャック・ベリーがオリジナルの『Bye Bye Johnny』。

オリジナルとストーンズのカヴァー2ヴァージョン、
そしてザ・リージェンツのヴァージョン。

それぞれ極端に違うわけではないけど、
それぞれ特徴があって聴き比べると面白い。

あまり知られてないかもだけど、
意外にザ・リージェンツが結構良かったりするんだよな。

それにしてもこの曲もそうだけど、
チャック・ベリーのつくる歌詞は物語性があってなかなか良いんだよね。

これもジョニーの母親が主人公だけど、
短い曲の中でちゃんと物語が成立している。

音ばかりに行っちゃって、
案外このことを知らない人が多いのかもしれないな。

他のストーンズのカヴァーはこちら!

ローリング・ストーンズがカヴァーした曲
The Rolling Stones


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