Murakami Radio ~Do You Know Mose Allison?

Murakami Radio ~Do You Know Mose Allison?

~モーズ・アリソンを知っていますか?~

以前『村上RADIO』で『~モーズ・アリソンを知っていますか?~』、
と題して特集していたっていう話をこのまえ書いたけどいったいどんな曲が流れたんだっけ?

ということで、
その時に流れていた曲をアレコレと。

放送されたのは、
2021年9月26日。

ちなみにアリソンのことを『密やかな一群の熱心なファンを持つ人』と村上氏は言っていたけど、
ボクも熱心とまではいかないにしても結構この人のピアノもボーカルも好きなだったりするのだ。

この放送で少しはアリソンのことを知って聴くようになった方が増えたりしたのだろうか?
そうだと良いけどなと思いながらちょっと始めてみよう。

モーズ・アリソン

モーズ・アリソンは、
ジャズ歌手でありジャズ・ピアニストでもある。

そして、
優れたソング・ライターでもある。

1927年アメリカ南部ミシシッピー州に生まれて、
2016年に89歳で亡くなっている。

ジャズ・ミュージシャンっていうとまだまだ若かったのに…という人も多いけれど、
アリソンはそういうタイプではなかった。

知らない人も多いのかもしれないけれど、
ザ・フーがカバーした『Young Man Blues』のオリジナル『Young Man』の人。

そう言うと、
わかる人が少しは増えるかもしれない。

他にも、
例えばレオン・ラッセルは『I’m Smashed』をカバー。

例えば、
ザ・クラッシュは『Look Here』をカバー。

例えば、
エルヴィス・コステロは『Everybody’s Cryin’ Mercy』や『Your Mind Is on Vacation』をカバー。

こんなふうにいうとわかる人が随分と増えるかもしれないけど、
実際はそうでもないのかな。

そもそもそんなこと以前に、
これを読んで下さる人が果たしているのかどうなのか?が問題だったりするわけで。

まあいずれにしても他にも有名・無名問わず幅広く、
いろんなアーティストがアレコレとカバーしていたりするのだ。

そう考えると、
その影響は意外に大きかったりするのかもしれない。

ラジオで流れた曲たち

実際にどんな曲が流れたのか?
というとこんな感じになる。

『村上RADIO』で『~モーズ・アリソンを知っていますか?~』で流れた音楽たち

01 Mose Allison – The Seventh Son
02 Mose Allison – I Love The Life I Live
03 Mose Allison – Fool’s Paradise
04 Mose Allison – That’s Alright
05 Mose Allison – Blueberry Hill
06 The Stan Getz Quartet – To The Ends Of The Earth
07 Ben Sidran – If You Live
08 Georgie Fame – Was
09 Mose Allison – The Song Is Ended
10 Mose Allison – Please Don’t Talk About Me When I’m Gone
11 Mose Allison – Stop This World
12 Earl Brooks – Je T’Aime Moi Non Plus

全部で12曲、
本人の音が8曲。

クインテット参加のものが1曲、
他のアーチストにカバーされたものが2曲。

そしてアリスンとは関係のない、
クロージングで流れる1曲。

それをここでただなぞるだけじゃあ何ら面白くもないので、
例えばアリスンがカバーした曲ならそのオリジナルとか。

リリースしたものがシングルなら、
そのB面とか。

そのB面がカバー曲なら、
これまたそのオリジナルとか…。

あんまり深堀りすると1曲から何曲にもなってキリがないので、
ある程度のところで収めようとは思うんだけど果たしてそうなるのかどうか?はわからない。

でもまあ、
取り敢えず始めてみよう。

The Seventh Son

先ず最初にかかるのは、
ウィリー・ディクソンが書いた『The Seventh Son』。

1曲目としては、
なかなか良い選曲。

アリソンのピアノとボーカルの魅力を知るには、
最適な1曲かもしれない。

Mose Allison – The Seventh Son

この曲は、
アリソン4枚目のアルバム『Creek Bank』のオープニングを飾る曲。

Mose Allison – Creek Bank

A1 The Seventh Son(Willie Dixon)
A2 If I Didn’t Care(Jack Lawrence)
A3 Cabin In The Sky(Vernon Duke)
A4 If You Live(Willie Mabon)
A5 Yardbird Suite(Charlie Parker)
B1 Creek Bank(Mose Allison)
B2 Moon And Cypress(Mose Allison)
B3 Mule(Mose Allison)
B4 Dinner On The Ground(Mose Allison)
B5 Prelude To A Kiss(Duke Ellington)

Released : 1958
Label : Prestige – PRST 7152

そして、
その後シングルでもリリースされている。

Mose Allison – The Seventh Son

A-side : The Seventh Son(Willie Dixon)
B-side : Do Nothing Till You Hear From Me(Duke Ellington)

Released : 1959
Label : Prestige – 45-150

アルバムではこの曲と、
もう1曲『If You Live』でアリソンはピアノとボーカル。

なぜかこの『If You Live』、
LPのラベルのクレジットがWillie Mabonになっているんだけどアリソンのオリジナルだよな。

それで収録された10曲中2曲しか唄っていないんだけれど、
それくらいがちょうど良いのかもしれない。

もうちょっと彼の歌声が聴きたいのに、
というあたりで止めくのがバランス的に良い気がする。

アリソンと一緒にプレイするのは、
ベースのアディソン・ファーマーとドラムズでのロニー・フリー。

裏ジャケには、
アリスン個人名義ではなく『Mose Allison Trio』とクレジットされている。

Seventh son of a seventh son

ところでタイトルの『7番目の息子』は、
民間伝承『Seventh son of a seventh son(七男の七男)』からきているものなんだろね。

7人兄弟の7番目の息子から生まれた、
7人兄弟の7番目の息子(しかも間に姉や妹がいるとダメみたい)には特別な力があるってやつだ。

特別な力っていうのは、
超自然的な能力や治癒能力とかみたいだ。

Everybody talkin’ ‘bout the seventh son
In the whole wide world there is only one
I’m the one, yes, I’m the one
I’m the one they call the seventh son…

―Willie Dixon – The Seventh Son

みんなで7番目の息子のことを語っている
この広い世界じゃたった1人の存在なんだぜ
オレは唯一の存在 そう たった1人なんだ
オレは唯一の存在 みんな7番目の息子って呼ぶのさ…

First Release : Willie Mabon – The Seventh Son

それでこの『The Seventh Son』の1stリリースは、
ウィリー・メイボン。

Willie Mabon – The Seventh Son

A-side : The Seventh Son(Willie Dixon)
B-side : Lucinda(Bill Martin)

Released : 1955
Label : Chess – 1608

アリソンのカバーを聴いた後で、
このメイボンのオリジナルを聴くのはなかなか面白い。

曲が同じでもアプローチが違うとこうも違うもになるになるんだな、
という見本みたいなものだ。

アリソンがブルースを唄っても、
重たさは全くなくて軽いものになる。

でも軽いから悪いということではなくて、
カラリとした感じが案外癖になるのだ。

癖になる人はファンになるだろうし、
そうでない人にとっては微妙な位置付けになってしまいそうだ。

もう少し見直されても良い気もするが、
仕方がないのかもしれない。

Mose Allison – The Seventh Son B-side

アリソンのシングル『The Seventh Son』のB面もカバーで、
デューク・エリントンが書いた『Do Nothing Till You Hear From Me』。

オリジナルのインスト曲ではなくて、
ボブ・ラッセルが後から付けた歌詞を付けたバージョン。

元々インスト曲で、
タイトルは『Concerto For Cootie(クーティ・コンチェルト)』。

こちらは『Creek Bank』には入っていなくて、
後にリリースされるアリソンのボーカル曲を集めたコンピ・アルバム『Mose Allison Sings』で収録。

Mose Allison – Mose Allison Sings

A1 The Seventh Son(Willie Dixon)
A2 Eyesight To The Blind(Sonny Boy Williamson)
A3 Do Nothin’ Till You Hear From Me(Duke Ellington)
A4 Lost Mind(Percy Mayfield)
A5 I Got A Right To Cry(Joe Liggins)
A6 Baby Let Me Hold Your Hand(Ray Charles)
B1 Parchman Farm(Nick Stabulas)
B2 If You Live(Mose Allison)
B3 Don’t Get Around Much Anymore(Duke Ellington)
B4 One Room Country Shack(Mercy Dee Walton)
B5 I Hadn’t Anyone Till You(Ray Noble)
B6 Young Man(Mose Allison)
B7 That’s All Right(Jimmy Rogers)

Released : 1963
Label : Prestige – 7279

First Release : Duke Ellington And His Famous Orchestra – Concerto For Cootie

それでオリジナルの方は、
もちろんデューク・エリントン・アンド・ヒズ・フェイマス・オーケストラ。

Duke Ellington And His Famous Orchestra – Concerto For Cootie

A-side : Concerto For Cootie(Duke Ellington)
B-side : Me And You(Duke Ellington)

Released : 1940
Label : His Master’s Voice – B.9104

楽団のリード・トランペットだった、
クーティ・ウィリアムスの演奏を活かすための曲だったらしい。

後にタイトルが差し替えられて、
最初の『Concerto For Cootie』は『Do Nothing Till You Hear From Me』になっている。

Muddy Waters And His Guitar – I’m Your Hoochie Cooche Man

ディクソンが1954年に書いて、
マディ・ウォーターズがリリースした『I’m Your Hoochie Cooche Man』。

Muddy Waters And His Guitar – I’m Your Hoochie Cooche Man

A-side : I’m Your Hoochie Cooche Man(Willie Dixon)
B-side : She’s So Pretty(Muddy Waters)

Released : 1954
Label : Chess – 1560

この曲の中に、
直接『7番目の息子』は出てこないけどこんな歌詞がある。

On the seventh hour, on the seventh day
On the seventh month, seven doctors say
“He was born for good luck, that you’ll see.”
I got seven hundred dollars
don’t you mess with me!

―Willie Dixon – Hoochie Coochie Man

七つめの時 七つめの日
七つめの月 七人の博士が言うんだ
彼は生まれつき幸運の持ち主 それをいつか知ることになる
オレは$700持っているんだぜ
みくびるととんでもないことになるぜ…

Willie Dixon – The Seventh Son

この曲を書いたウィリー・ディクソン自身も、
アルバム『I Am The Blues』に吹き込んでいる。

Willie Dixon – I Am The Blues

A1 Back Door Man
A2 I Can’t Quit You, Baby
A3 The Seventh Son
A4 Spoonful
B1 I Ain’t Superstitious
B2 You Shook Me
B3 I’m Your Hoochie Cooche Man
B4 The Little Red Rooster
B5 The Same Thing

Released : 1970
Label : Columbia – CS 9987

つくった人のものが1番良いというのは、
この人にはあまり当てはまらなかったりするけどまあ悪くはない。

ただ並んでいるディクソンの曲のタイトルを見ているだけで、
この人のソングライターとしてのスゴサはよくわかるというものだ。

まさに『I Am The Blues』、
そんなタイトルが似合う。

I Love The Life I Live

次の曲も、
またウィリー・ディクソンの書いた曲で『I Love The Life I Live』。

Mose Allison – I Love The Life I Live

アルバム『I Love The Life I Live』のタイトル曲で、
1曲目に収められている。

Mose Allison – I Love The Life I Live

A1 I Love The Life I Live(Willie Dixon)
A2 News(Mose Allison)
A3 Fool’s Paradise(Jesse Fuller,David Rosenbaum,Bob Geddins)
A4 You Turned The Tables On Me(Louis Alter,Sidney Mitchell)
A5 Isobel(Al Cohn)
A6 You’re A Sweetheart(Harold Adamson,Jimmy McHugh)
B1 Night Ride(Mose Allison)
B2 Path(Mose Allison)
B3 Mad With You(Lightnin’ Hopkins)
B4 Hittin’ On One(Mose Allison)
B5 I Ain’t Got Nobody(Roger Graham,Spencer Williams)
B6 Can’t We Be Friends(Kay Swift,Paul James)

Released : 1960
Label : Columbia – CS 8365

アリソンのバージョンは、
モーズ・アリソン・トリオ名義。

モーズがピアノとボーカル、
ドラムスはポール・モチアンでベースがヘンリー・グライムズ。

アルバムではドラムズがジェリー・シーガルでベースがアディソン・ファーマーのトリオもあるけど、
この『I Love The Life I Live』は最初のセット。

First Release : Muddy Waters – I Live The Life I Love (I Love The Life I Live)

Muddy Waters – I Live The Life I Love (I Love The Life I Live)

A-side : I Live The Life I Love (I Love The Life I Live)(Willie Dixon)
B-side : Evil(M. Morganfield)

Released : 1957
Label : Chess – 1680

この曲の1stリリースはマディ・ウォーターズ、
タイトルは『I Live The Life I Love (I Love The Life I Live)』。

I Live The Life I Love (I Love The Life I Live)

ところでこのタイトル、
ボブ・マーリーの名言『Love the life you live, Live the life you love』みたいだけど。

ボブ・マーリーが生まれたのは1945年で、
この曲がリリースされたのは1958年。

まあボブ・マーリーなら13歳でも言うかもしれないけど、
普通に考えればこの曲のタイトルの方が先なんだろう。

どちらでも良いけど『自分の生きる人生を愛し自分の愛する人生を生きる』っていうのは、
なかなか素敵な言葉だしそうありたいものだ。

Fool’s Paradise

続いての3.4曲目はライブ音源が2曲続くんだけど、
その1曲目が『Fool’s Paradise』。

Mose Allison – Fool’s Paradise

1965年10月、
カリフォルニアのハーモサ・ビーチにある『The Lighthouse』でのライブ・アルバム『Mose Alive!』から。

ピアノとボーカルがモーズ・アリソン、
ドラムズがメルリーでベースがスタンギルバート

このライトハウスでレコーディングしたミュージシャンって、
結構たくさんいるけどそれはまたの機会にでも。

Mose Allison – Mose Alive!

A1 Smashed (Mose Allison)
A2 Seventh Son (Willie Dixon)
A3 Fool’s Paradise (Jesse Fuller)
A4 I Love The Life I Live (Willie Dixon)
A5 Since I Fell For You (Buddy Johnson)
A6 Love For Sale (Cole Porter)
B1 Baby Please Don’t Go (Big Joe Williams)
B2 That’s Alright (Jimmy Rogers)
B3 Parchman Farm (Mose Allison)
B4 Tell Me Somethin’ (Mose Allison)
B5 The Chaser (Mose Allison)

Released : 1966
Label : Atlantic – 1450

この曲のスタジオ・バージョンもあって、
先ほど出てきた『I Love The Life I Live』に収録されている。

元々は、
ジェシー・フラー/デビッド・アビッド/ボブ・ゲディンズの曲。

このアルバムのクレジットだと、
ジェシー・フラーだけになっているけど。

First Release : Jesse Fuller – Fool’s Paradise

1stリリースは、
ジェシー・フラー。

Jesse Fuller – Fool’s Paradise

A-side : Johnny Ace’s Last Letter(Jesse Fuller)
B-side : Fool’s Paradise (Jesse Fuller)

Released : 1957
Label : Chess – 1680

この曲は、
A面じゃあなくてB面だった。

サム・クックやレオン・ラッセルなんかもカバーしていて、
それらもかなり良い感じだ。

ただ、
アリソンのバージョンはオリジナルとも他のバージョンとも異なる。

それにしてもこのライヴ、
村上氏がおっしゃるように『ライブ、聴きたかったなあ』となるよな。

Fool’s Paradise

セシル・B・デミル監督、
1921年のアメリカのサイレント ・ロマンス映画も同じタイトルだけど関係ないだろう。

この『Fool’s Paradise』を直訳すると『愚か者の楽園』となるけど、
実際は『儚い幸福』とか『幸福の幻影』とかいう意味。

誤った希望の上にある幸福という感じが、
何となくしっくりくる。

歌詞に出てくる『livin’ in a fool’s paradise』は、
儚い幸せを夢見て暮らすということだろう。

確かシェイクスピアが『ロミオとジュリエット』で使ってから、
慣用表現として広まったらしい。

That’s Alright

4曲目のこちらも『Fool’s Paradise』に続いて、
同じライブ・アルバム『Mose Alive!』から『That’s Alright』。

Mose Allison – That’s Alright

こちらもスタジオ・バージョンがあって、
アルバム『Autumn Song』の収録曲。

Mose Allison – Autumn Song

A1 Promenade (Mose Allison)
A2 Eyesight To The Blind (Sonny Boy Williamson)
A3 It’s Crazy (Al Fields,Timmie Rogers)
A4 That’s Alright (Jimmy Rogers)
A5 Devil In The Cane Field (Mose Allison)
B1 Strange (John Latouche,Marvin Fisher)
B2 Autumn Song (Mose Allison)
B3 Do Nothing ‘Til You Hear From Me (Bob Russell,Duke Ellington)
B4 Spires(Mose Allison)
B5 Groovin’ High (Dizzy Gillespie,Kirby Stone)

Released : 1959
Label : Prestige – PRLP 7189

スタジオの方はピアノとボーカルがモーズ・アリソン、
ドラムズがロニーフリーでベースがアディソン・ファーマー。

First Release : Jimmy Rogers and His Trio – That’s Alright

ジミー・ロジャースの書いた曲で、
1950年ジミー・ロジャース&ヒズ・トリオが1stリリース。

Jimmy Rogers and His Trio – That’s Alright

A-side : That’s Alright(Jimmy Rogers)
B-side : Ludella (Jimmy Rogers)

Released : 1950
Label : Chess – 1435

マディ・ウォーターズとのセッションのあとで、
リトル・ウォルターのハープとアーネスト・“ビッグ”・クロフォードのベースそのまま参加して録音。

この曲って、
実質リトル・ウォルター・Jとオサム・ブラウンが1947年に出した『Ora-Nelle Blues』と同じ。

まあよくある話で、
こういうのはただ聴き比べて楽しめば良いのだ。

You told me baby, once upon a time
You said if I would be yours, you would sure be mine
That’s alright
I know you don’t love me no more baby, but that’s alright
Every night and day I wonder who is loving you tonight…

―Jimmy Rogers – That’s Alright

なあ話していたよな昔々
オレがアンタのモノになるんだったら
間違いなくアンタはオレのモノになるって
まあいいけどな
分かってるよもうオレを愛していないことくらい
まあいいけど
四六時中どいつが今夜オマエを愛するんだって思い巡らすのさ…

全然ザッツ・オールライトじゃあないけど、
強がって大丈夫だって言っちゃうタイプの男っているんだよな。

それが男らしさなのさ、
というところなんだろうけど。

まあボクの場合は全然大丈夫じゃあない、
って言っちゃうだろうな。

Blueberry Hill

5曲目は、
『Blueberry Hill』。

万が一オリジナルやファッツ・ドミノのバージョンを知らなくても、
美空ひばりからプレスリーまで有名どころがカバーしているからね。

あとドミノ・バージョンがアヲハタ・ブルーベリージャムのCMにも使われていたけど、
その印象が強いかもしれない。

他にもあれこれと流れていた気がするけど、
いずれにしてもこれまでの曲よりも随分一般的には有名なはずだ。

Mose Allison – Blueberry Hill

アリソンのバージョンは、
1957年のデビュー・アルバム『Back Country Suite For Piano, Bass And Drums』に入っている。

Mose Allison – Back Country Suite For Piano, Bass And Drums

Back Country Suite For Piano Bass And Drums(Mose Allison)
 A01 New Ground
 A02 Train
 A03 Warm Night
 A04 Blues
 A05 Saturday
 A06 Saturday
A07 January
A08 Promised Land
A09 Spring Song
A10 Highway 49
B01 Blueberry Hill (Al Lewis,Larry Stock,Vincent Rose)
B02 You Won’t Let Me Go (Bud Allen, Buddy Johnson)
B03 I Thought About You (Johnny Mercer, Jimmy Van Heusen)
B04 One Room Country Shack(Mercy Dee Walton)
B05 In Salah (Mose Allison)

Released : 1957
Label : Prestige – PRLP 7091

ドラムスはフランク・イソラ、
ベースはテイラー・ラファーグ。

First Release : Swing and Sway with Sammy Kaye – Vocal Refrain by Tommy Ryan – Blueberry Hill

この曲はラリー・ストックとアル・ルイスが作詞、
ヴィンセント・ローズが作曲したもの。

1stリリースは1940年、
スイング・アンド・スウェイ・ウィズ・サミー・ケイ & トミー・ライアン。

Swing and Sway with Sammy Kaye – Vocal Refrain by Tommy Ryan – Blueberry Hill

A-side : Blueberry Hill(Al Lewis,Larry Stock,Vincent Rose)
B-side : Maybe (Allan Flynn,Frank Madden)

Released : 1940
Label : Victor – 26643

Glenn Miller and His Orchestra – Vocal Refrain by Ray Eberle – Blueberry Hill

ただヒットしたのは、
グレン・ミラー・アンド・ヒズ・オーケストラのバージョン。

Glenn Miller and His Orchestra – Vocal Refrain by Ray Eberle – Blueberry Hill

A-side : Blueberry Hill(Al Lewis,Larry Stock,Vincent Rose)
B-side : A Million Dreams Ago(Dick Jurgens,Eddy Howard,Lew Quadling)

Released : 1940
Label : Bluebird – B-10768

ボーカルにレイ・エベールをフューチャーして、
全米2位になっている。

聴き比べると、
やはりグレン・ミラーのバージョンの方が良いかな。

Fats Domino – Blueberry Hill

そして50年代になって世界的にヒットしたのは、
1956年にImperialからリリースされたファッツ・ドミノのカバー。

Fats Domino – Blueberry Hill

A-side : Blueberry Hill(Al Lewis,Larry Stock,Vincent Rose)
B-side : Honey Chile (Domino & Bartholomew)

Released : 1956
Label : Imperial – 5407

ビルボードトップ40で3週間連続2位、
R&Bベスト・セラー・チャートでは連続ではないけど8週間1位に輝いている。

Blueberry Hill

ブルーベリーは丘になんか生えない、
最初ラリー・ストックが持ち込んだ出版社にそう言われて断られたという話がある。

そんな理由で断った人がいるんだなあ、
結局その出版社は儲けそこなったわけで。

Though we’re apart, you’re part of me still
For you were my thrill on Blueberry Hill…

―Al Lewis,Larry Stock,Vincent Rose – Blueberry Hill

ボクたちが別れてしまってもキミはボクの一部分
ブルーベリーの丘でドキドキしたんだもの…

切ないんだけれど、
ファッツ・ドミノのバージョンになるまでままり歌からそれを感じることはない。

To The Ends Of The Earth

6曲目は、
『To The Ends Of The Earth』。

The Stan Getz Quartet – To The Ends Of The Earth

スタン・ゲッツ1959年リリースの『The Soft Swing』、
このアルバムにアリスンが参加していてこのアルバムのみの共演。

The Stan Getz Quartet – The Soft Swing

A1 All The Things You Are (Jerome Kern, Oscar Hammerstein II)
A2 Pocono Mac(Stan Getz)
B1 Down Beat(Stan Getz)
B2 To The Ends Of The Earth(Joe Sherman, Noel Sherman
B3 Bye Bye Blues(David Bennett, Chauncey Gray, Fred Hamm, Bert Lown)

Released : 1959
Label : Verve Records – MG V-8321

この中から、
ノエル・シャーマンとジョー・シャーマンが書いた『To The Ends Of The Earth』。

サックスはもちろんスタン・ゲッツで、
アリソンはピアノ。

ベースはアディソン・ファーマーで、
ドラムスはジェリー・シーガル。

First Release : Nat “King” Cole with the Music of Nelson Riddle – To The Ends Of The Earth

この曲のオリジナルは1956年、
ナット・キング・コールがヒットさせたのが最初

Nat “King” Cole with the Music of Nelson Riddle – To The Ends Of The Earth

A-side : The Ends Of The Earth(Joe Sherman, Noel Sherman)
B-side : Toyland (Bernie Lowe, Kal Mann)

Released : 1956
Label : Capitol Records – CL. 14661

ナット・キング・コールって、
あまり好んでは聴いてこなかったんだけれどこれは何だか良いな。

何かの映画のサントラの中の曲のような雰囲気で、
甘くないし悪くない。

To The Ends Of The Earth

I’ll follow you, my love
You’ll never be free
To the ends of the earth
Till you’ve given your love to me…

―Joe Sherman, Noel Sherman – To The Ends Of The Earth

ボクは追いかけるよ愛する人よ
キミは決して自由になんかなれやしないのさ
キミがボクに愛を与えてくるまでは
地の果てまで…

まあ時と場合と相手によるんだろうけど、
今こんなこと言っていたらハラスメントで大変なことになりそうだ。

If You Live

7.8曲目はモーズ・アリソンの作った曲を、
彼をリスペクトするミュージシャンたちがカバーした曲として紹介されている。

Ben Sidran – If You Live

どちらも1996年リリースのアルバム、
ヴァン・モリスン/ジョージィ・フェイム/ベン・シドラン『Tell Me Something (The Songs Of Mose Allison)』に入っている。

ヴァン・モリソン/ジョージー・フェイム/モーズ・アリソン/ベン・シドラによる、
コラボレーション・アルバム。

1日でレコーディングしたらしくて、
全てライブの1テイクまた2テイクの音のようだ。

Van Morrison, Georgie Fame, Mose Allison, Ben Sidran – Tell Me Something

A1 One Of These Days
A2 You Can Count On Me (To Do My Part)
A3 If You Live
A4 Was
A5 Look Here
A6 City Home
B1 No Trouble Livin’
B2 Benediction
B3 Back On The Corner
B4 Tell Me Something
B5 I Don’t Want Much
B6 News Nightclub
B7 Perfect Moment

Released : 1996
Label : Verve Records – 533 203-1

その1曲目が、
ベン・シドランが唄う『If You Live』。

ベースはアレク・ダンクワース、
ドラムスはラルフ・サルミンズ。

ハモンド・オルガンはジョージィ・フェイム、
ピアノとボーカルがベン・シドラン。

Mose Allison – If You Live

アリスンのオリジナルは、
既に出てきている1959年の『Creek Bank』に入っている。

聴き比べるとかなり良い線いってるんだけど、
同じようなアプローチだとやはりオリジナルの方が良いなとなってしまう。

Paul Butterfield’s Better Days – If You Live

ポール・バターフィールズ・ベター・デイズのカバー、
1973年の『It All Comes Back』に入っているんだけどこれは結構良い感じだ。

If You Live

Well if you live
A day will come
I say if you live
A day will come
When the sun will shine and the crops will grow
And you think that you not gonna worry no more…

―Mose Allison – If You Live

生きていれば
また良いときも来るさ
生きてさえすれば
ちゃんと良い時がやって来る
太陽は輝き穀物は育って
もう先のことなんて案じる必要はきっとなくなるさ…

良い時もあるし悪い時もあるし、
今がもし悪い時だとしても必ず良い時はやって来る。

そう信じられるかどうかは、
結局自分の心持ち次第。

Was

もう1曲が、
『Was』。

Georgie Fame – Was

こちらは、
ジョージィ・フェイムが唄っている。

ベースはアレク・ダンクワース、
ドラムスはラルフ・サルミンズ。

ウーリッツァー電子ピアノがロビン・アスプランド、
ハモンド・オルガンとボーカルがジョージィ・フェイム。

Mose Allison – Was

こちらのアリスンのオリジナルは、
1990年Blue Noteからリリースの『My Backyard』の中の1曲。

Mose Allison – My Backyard

A1 One Of These Days
A2 You Can Count On Me (To Do My Part)
A3 If You Live
A4 Was
A5 Look Here
A6 City Home
B1 No Trouble Livin’
B2 Benediction
B3 Back On The Corner
B4 Tell Me Something
B5 I Don’t Want Much
B6 News Nightclub
B7 Perfect Moment

Released : 1996
Label : Verve Records – 533 203-1

Ben Sidran – Was

このアルバムで『If You Live』を唄っていたベン・シドランが、
2017年のアルバム『Picture Him Happy』でこの曲をカバーしている。

『If You Live』も『Was』も最初はオリジナルの方がやはり良いでしょうとなるんだけれど、
何回も聴いているうちにどんどん良くなってくる感じ。

Was

When I become Was and We become Were
Will there be any sign or a trace of the lovely contour of your face
And will there be someone around
With essentially my kinda sound…

―Mose Allison – Was

ボクが『Was』になってしまった時
そしてボクたちが『Were』になってしまった時
キミの美しいその顔のにはまだその気配をあとに残しているだろうか
ボクの好きなサウンドはまだ誰かが奏でているだろうか…

確かに、
味わい深い曲である。

Covers

何だよ掛けないのかいっ!って突っ込んだのが、
このセクション。

まあ好みだから仕方がないんだろうけど、
タイトルが出て来たのに掛けなかった曲が2曲ある。

せっかくなので、
それ以外にもアリソンの曲をカバーしたバージョンとオリジナルをいくつか並べてみる。

The Who – Young Man Blues / Mose Allison – Back Country Suite: Blues

先ず村上氏が『やっぱり今回はThe Whoは遠慮してもらおうと思って』と掛けなかったのが、
ザ・フー1970年のライブ・アルバム『Live at Leeds』でカバーされている『Young Man Blues』。

オリジナルとは全く別モノになっていて、
ピート・タウンゼントのギターがやたらカッコいい。

レコード化されたのは1970年だけど、
もっと昔1964年からライブではカバーしている。

オリジナルは既に出てきている、
アリスンのデビュー・アルバム『Back Country Suite For Piano, Bass And Drums』の中の1曲。

A面『Back Country Suite For Piano Bass And Drums』の4曲目、
『Back Country Suite: Blues』。

ザ・フーのものと比べると、
そりゃあ全然違う感じだけど。

でも案外この曲をロックにするとこうなるよな、
というレベルで大きく逸脱しているわけじゃあない。

むしろ、
ああなるべくしてなったオリジナルの完成されたスタイルがそこにはある。

John Mayall & the Bluesbreakers / Mose Allison – Parchman Farm

そして『でもこれもちょっと』で掛けなかったのが、
ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズがカバーした『Parchman Farm』。

このカバーは、
1966年リリースの『Blues Breakers with Eric Clapton』に入っている。

ピアノの代わりに、
ハープが良い感じで鳴っているのがなかなかなのだ。

アリスンのオリジナルは、
1958年の『Local Color』の中の1曲。

ここではドラムズが二ック・スタビュラス、
ベースがアディソン・ファーマ。

アリソンはピアノとボーカルだけじゃあなくて、
B1の『Trouble In Mind』でトランペットを吹いている。

Mose Allison – Local Color

A1 Carnival(Mose Allison)
A2 Parchman Farm (Mose Allison)
A3 Crepuscular Air(Mose Allison)
A4 Mojo Woman(Mose Allison)
A5 Town(Mose Allison)
B1 Trouble In Mind(Mose Allison)
B2 Lost Mind(Percy Mayfield)
B3 I’ll Never Be Free(Bennie Benjamin,George David Weiss)
B4 Don’t Ever Say Goodbye(Duke Ellington)
B5 Ain’t You A Mess(Mose Allison)

Released : 1958
Label : Prestige – 7121

First Release : Duke Ellington And His Famous Orchestra – Don’t Get Around Much Anymore

この曲はシングルにもなっていて、
B面はデューク・エリントンが書いた『Don’t Get Around Much Anymore』。

Mose Allison – Parchman Farm

A-side : Parchman Farm(Mose Allison)
B-side : Don’t Get Around Much Anymore(Duke Ellington)

Released : 1958
Label : Prestige – 45-130

B面の『Don’t Get Around Much Anymore』の1stリリースは、
もちろん曲を書いたデューク・エリントン&ヒズ・フェイマスオーケストラ

Duke Ellington And His Famous Orchestra – Never No Lament

A-side : Never No Lament(Duke Ellington)
B-side : Cotton Tail(Duke Ellington)

Released : 1940
Label : His Master’s Voice – JK 2230

元々は『Never No Lament』というタイトルでリリースされて、
ボブ・ラッセルが詞を付けて『Don’t Get Around Much Anymore』になった曲。

Leon Russell / Mose Allison – I’m Smashed

最初に書いた、
それ以外のカバー。

レオン・ラッセルがカバーしているのは、
『I’m Smashed』。

この人も人のカバーをすると完全に自分のものにしちゃうけど、
これもオリジナルのごとく良い感じだ。

バックは、
このアルバムである意味ブレイクするギャップ・バンド。

1974年リリース、
『Stop All That Jazz』の中の1曲。

ボビー・ダーリンの『If I Were a Carpenter』や、
ボブ・ディランの 『Ballad of Hollis Brown』のカバーと共に吹き込まれている。

アリスンのオリジナルは、
1970年からリリースの『…Hello There, Universe』の収録曲。

モーズ・アリソンがピアノとオルガン、
そしてボーカル。

ジョー・コクーゾがドラムズ、
ボブ・クランショーがベース。

ジミー・ノッティンガムとリチャード・ウィリアムズがトランペット、
ジェローム・リチャードソンがフルートとアルトサックス。

ジョー・ヘンダーソンがテナー・サックス、
ペッパー・アダムスがバリトン・サックス。

Mose Allison – …Hello There, Universe

A1 Somebody Gotta Move(Mose Allison)
A2 Monsters Of The Id (Mose Allison)
A3 I Don’t Want Much(Mose Allison)
A4 Hello There, Universe(Mose Allison)
A5 No Exit(Mose Allison)
B1 Wild Man On The Loose(Mose Allison)
B2 Blues in the Night(Harold Arlen & Johnny Mercer)
B3 I’m Smashed(Mose Allison)
B4 Hymn to Everything(Mose Allison)
B5 On The Run(Mose Allison)

Released : 1970
Label : Atlantic – SD 1550

The Clash / Mose Allison – Look Here

ザ・クラッシュがカバーした『Look Here』は、
1980年リリースの3枚組アルバム『Sandinista!』の中の1曲。

1枚目のB面、
2曲目に収められている。

クラッシュがアリソン?と思ったけど、
これが想定外の良さで驚いた記憶がある。

アリスンのオリジナルは、
1964年Atlanticからリリース『The Word From Mose』の収録曲。

ロイ・ランドバーグがドラムズ、
ベン・タッカーがベースで参加している。

Mose Allison – The Word From Mose

A1 Foolkiller(Mose Allison)
A2 One of These Days (Mose Allison)
A3 Look Here(Mose Allison)
A4 Days Like This(Mose Allison)
A5 Your Red Wagon(Don Raye, Gene DePaul, Richard Jones)
A6 Wild Man(Everett Barksdale, Sam Willis)
B1 Rollin’ Stone(Muddy Waters)
B2 New Parchman(Mose Allison)
B3 Don’t Forget To Smile(Mose Allison)
B4 I’m Not Talking(Mose Allison)
B5 Lost Mind(Percy Mayfield)

Released : 1964
Label : Atlantic – SD 1424

Elvis Costello / Mose Allison – Everybody’s Cryin’ Mercy

エルヴィス・コステロがカバーした『Everybody’s Cryin’ Mercy』は、
1995年リリースの全曲がカバー曲で構成された『Elvis Costello’s Kojak Variety』の中の1曲。

キンクスやボブ・ディランやアレサ・フランクリンやドリフターズなんかのカバーと共に、
この曲が収められている。

この人もコステロ節にしちゃうから、
やはりオリジナルのように良い。

アリスンのオリジナルは、
1968年の『I’ve Been Doin’ Some Thinkin’』の収録曲。

ドラムズがビルグッドウィン
ベースがレッド・ミッチェルで参加。

Mose Allison – I’ve Been Doin’ Some Thinkin’

A1 Jus Like Livin’(Mose Allison)
A2 City Home (Mose Allison)
A3 If You’re Goin’ To The City(Mose Allison)
A4 Now You See It(Mose Allison)
A5 You Are My Sunshine(Charles Mitchell, Jimmie Davis)
A6 Your Molecular Structure(Mose Allison)
B1 Look What You Made Me Do(Mose Allison)
B2 If You Really Loved Me(Mose Allison)
B3 Everybody Cryin’ Mercy(Mose Allison)
B4 Feel So Good(Mose Allison)
B5 Let It Come Down(Mose Allison)
B6 Back On The Corner(Mose Allison)

Released : 1968
Label : Atlantic – 1511

Elvis Costello / Mose Allison – Your Mind Is on Vacation

コステロのカバーもう1曲は、
Your Mind Is on Vacation』。

1986年リリースの『King of America』、
ボーナス・ディスクの中の1曲。

アリスンのオリジナルは、
1962年リリースの『I Don’t Worry About A Thing』の収録曲。

Mose Allison – I Don’t Worry About A Thing

A1 I Don’t Worry About A Thing(Mose Allison)
A2 It Didn’t Turn Out That Way (Mose Allison)
A3 Your Mind Is On Vacation(Mose Allison)
A4 Let Me See(Count Basie, Harry Edison)
A5 Everything I Have Is Yours(Burton Lane, Harold Adamson)
B1 Stand By(Mose Allison)
B2 Idyll(Mose Allison)
B3 The Well(Mose Allison)
B4 Meet Me At No Special Place(Arthur Terker, Harry Pyle, J. Russel Robinson)
B5 Let It Come Down(Mose Allison)
B6 The Song Is Ended(Irving Berlin)

Released : 1962
Label : Atlantic – 1389

1976年にこの曲のタイトルを付けたアルバムをリリースしていて、
全然違う曲に仕上がっている。

ドラムズがジェリー・グラネリで、
ジャックハンナがベース。

デイヴィッド・サンボーンがアルト・サックス、
ジョー・ファレルがテナー・サックス。

あとは、
アル・ポーシノがトランペット。

Mose Allison – Your Mind Is On Vacation

A1 Your Mind Is On Vacation(Mose Allison)
A2 Foolin’ Myself (Jack Lawrence, Peter Tinturin)
A3 No Matter(Mose Allison)
A4 One Of These Days(Mose Allison)
A5 I Feel So Good(Mose Allison)
A6 Fires Of Spring(Mose Allison)
B1 If You Only Knew(Mose Allison)
B2 I Can’t See For Lookin’(Arnold Stanford, Nadine Robinson)
B3 What Do You Do After You Ruin Your Life(Mose Allison)
B4 Swingin’ Machine(Mose Allison)
B5 Perfect Moment(Mose Allison)
B6 Your Molecular Structure(Mose Allison)

Released : 1976
Label : Atlantic – SD 1691

こちらのバージョンをカバーしているのが、
ヴァン・モリソン。

1995年リリース、
『How Long Has This Been Going On』に入っている。

The Song Is Ended

次は、
村上氏が『どちらもちょっとシブいスタンダード・ソング』として2曲紹介されている。

Mose Allison – The Song Is Ended

1曲目は、
アーヴィング・バーリンの作った『The Song Is Ended』。

既に出てきているアルバム、
『I Don’t Worry About A Thing』の中の1曲。

First Release : Sam Lanin and His Troubadours – The Song is Ended (But the Melody Lingers On)

1stリリースはサム・ラニン&ヒズ・トルバドゥールズで、
1927年Lincolnからリリースされている(音が見つからない)。

Sam Lanin and His Troubadours – The Song is Ended (But the Melody Lingers On)

A-side : The Western Wanderers– Teasin’ Me(Jones, Thomas)
B-side : The Song is Ended (But the Melody Lingers On)(Irving Berlin)

Released : 1927
Label : Lincoln – 2715

Ella Fitzgerald – The Song is Ended

エラ・フィッツジェラルドが、
1958年にVerve Recordsからリリースしたアルバム『Ella Fitzgerald Sings The Irving Berlin Songbook』でも出てくる。

このアルバムは第1回グラミー賞最優秀アルバム賞にノミネート、
エラはグラミー賞最優秀女性ポップ・ボーカル・パフォーマンス賞を受賞している。

Please Don’t Talk About Me When I’m Gone

シブいスタンダード・ソング、
もう1曲は『Please Don’t Talk About Me When I’m Gone』。

Mose Allison – Please Don’t Talk About Me When I’m Gone

作詞はシドニー・クレア、
作曲はサム・H・ステプト。

1962年、
Epicからリリースされた『Takes To The Hills』の中の1曲。

ドラムズはオシー・ジョンソン、
ベースはアーロン・ベル

Mose Allison – Takes To The Hills

A1 V-8 Ford Blues(Willie Love)
A2 Please Don’t Talk About Me When I’m Gone (Sam H. Stept, Sidney Clare)
A3 Baby, Please Don’t Go(Big Joe Williams)
A4 Hey, Good Lookin’(Hank Williams)
A5 I Love The Life I Live(Willie Dixon)
A6 I Ain’t Got Nobody (And Nobody Cares For Me)(Roger Graham, Spencer Williams)
B1 Back On The Corner(Mose Allison)
B2 Life Is Suicide(Percy Mayfield)
B3 ‘Deed I Do(Fred Rose, Walter Hirsch)
B4 Ask Me Nice(Mose Allison)
B5 You’re A Sweetheart(Harold Adamson, Jimmy McHugh)
B6 Mad With You(Lightnin’ Hopkins)

Released : 1962
Label : Epic – BA 17031

First Release : Ernie Golden and His Orchestra – Please Don’t Talk About Me When I’m Gone

この曲の1stリリースはアーニー・ゴールデン&ヒズ・オーケストラ、
1931年にVictorからリリースされている(音は見つからず)。

Gene Austin – Please Don’t Talk About Me (When I’m Gone)

ただヒットしたのは、
同じ1931年ジーン・オースティンのバージョン。

Gene Austin – Please Don’t Talk About Me (When I’m Gone)

A-side : A Garden In The Rain(Carroll Gibbons, James Dyrenforth)
B-side : Gene Austin – Please Don’t Talk About Me (When I’m Gone)(Sam H. Stept, Sidney Clare)

Released : 1938
Label : Bluebird – B-7557

Stop This World

エンディング前のアリソン最後の曲は、
彼のオリジナル『Stop This World』。

Mose Allison – Stop This World

1962年、
『Swingin’ Machine』の中の1曲。

ピアノとボーカルは、
もちろんアリスン。

ベースがアディソン・ファーマー、
ドラムスがフランキー・ダンロップ。

サックスはジム・ライダー、
トロンボーンはジミー・ネッパー。

Mose Allison – Swingin’ Machine

A1 Swingin’ Machine(Mose Allison)
A2 Do It(Mose Allison)
A3 Stop This World(Mose Allison)
A4 Promenade(Mose Allison)
B1 If You’re Goin’ To The City(Mose Allison)
B2 Saritha(Mose Allison)
B3 I Ain’t Got Nothin’ But The Blues(Don George, Duke Ellington)
B4 So Rare(Jack Sharpe, Jerry Herst)

Released : 1962
Label : Atlantic – 1398

Diana Jean Krall – Stop This World

この曲、
コステロの奥様ダイナ・クラークがカバーしていたっけ。

夫婦揃って、
アリソンをカバーしているわけだ。

2004年、
Verve Recordsからリリースした『The Girl In The Other Room』の収録曲。

Earl Brooks – Je T’Aime Moi Non Plus

クロージングで流れるのは、
アリスンとは関係がない。

気持ちの良いスティール・パンは、
アール・ブルックス。

オリジナルは『Je T’Aime Moi Non Plus』で、
セルジュ・ゲンスブールが作詞・作曲。

ゲンスブールは映画監督で、
当時不倫関係にあったブリジット・バルドーのためにこの曲を書いている。

そして1969年、
セルジュ・ゲンスブールとジェーン・バーキンがFontana Recordsからリリースしている。

スティール・パンとはまるで違うオリジナル、
さすがにこれを最後に掛けるわけにはいかないよな。

MATOME Play List

というわけで、
今回は『村上RADIO』で『~モーズ・アリソンを知っていますか?~』で流れた曲。

プラス、
関連曲でした。

最後にそのまとめプレイ・リスト、
全48曲約2時間半。

村上春樹氏が、
最後にこんなことを言っていた。

この番組でモーズ・アリソンをこれだけ1時間かけても、
モーズ・アリソンがいいなんて思ってくれる人は少なくて、
20人に1人くらいかもしれないけど、
1人いたら大正解なんです。
そういう人がずっとモーズ・アリソンを聴いてくれるだけでもありがたい。
だからこういう音楽を特集するのは有意義だと思う。
でも20人に1人、
いるかなあ(笑)

―村上RADIO

20人に1人はないかなという気もするけど、
確かにいたら良いなあ。

OMAKE Play List

01 アリソンがカバーした『The Seventh Son』の1stリリース、
ウィリー・メイボンのシングルのB面でB.マーティンが書いた『Lucinda』。

02 ウィリー・ディクソンの『The Seventh Son』に言及した曲、
マディ・ウォーターズの『I’m Your Hoochie Cooche Man』。

03 チャック・ベリーやボ・ディドリー成功以前のチェス最大のヒット・ソング、
  メイボン自身が書いた『I Don’t Know』

04 そのB面、
  『Worry Blues』。

05 アリソンのカバー『The Seventh Son』繋がりで出てきた、
  マディ・ウォーターズが書いた『I’m Your Hoochie Cooche Man』B面『She’s So Pretty』。

06 アリソンのシングル『The Seventh Son』のB面のオリジナル、
  デューク・エリントン・アンド・ヒズ・フェイマス・オーケストラ『Concerto For Cootie』B面。
  デューク・エリントンが書いてアイビー・アンダーソンが唄った『Me And You』。

07 アリソンのカバー『I Live The Life I Love (I Love The Life I Live)』のオリジナルのB面、
  本名のマッキンリー・モーガンフィールドのクレジットでマディ・ウォーターズ『Evil』。

08 アリソンのカバー『Fool’s Paradise』のオリジナル、
  ジェシー・フラーのシングルのA面でフラーが書いた『Johnny Ace’s Last Letter』。

09 アリソンのカバー『That’s Alright』のオリジナルのB面、
  ジミー・ロジャースが書いた『Ludella』。

10 アリソンのカバー『Blueberry Hill』を最初にヒットさせた、
グレン・ミラー・アンド・ヒズ・オーケストラのB面『A Million Dreams Ago』

11 ファッツ・ドミノのカバー『Blueberry Hill』のB面は、
ドミノ&バーソロミューが書いた『Honey Chile』。

12 アリソンのカバー『To The Ends Of The Earth』のオリジナル、
B面はチェスター・コンとサミーギャロップが書いた『Night Lights』。

13 アリソンがカバーした『To The Ends Of The Earth』オリジナルのB面、
ナット・キング・コール『Night Lights』。

14 アリソン『Parchman Farm』B面の『Don’t Get Around Much Anymore』オリジナル、
B面の『Cotton Tail』。

15 アリソン『The Song is Ended』のオリジナルB面、
  ウェスタン・ワンダラーズ『Teasin’ Me』。

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