- Jack Stauber’s Micropop – Spring Cleaning
- Fats Weller – Spring Cleaning
- Girls from Mars – Spring Cleaning
- Oscar Peterson Trio – Younger Than Springtime
- Jacky Terrasson – I Love Paris In The Springtime
- Marlene Ver Planck – They Said It’s Spring
- Nina Simone – Spring is Here
- Norah Jones – Spring Can Really Hang You Up the Most
- Donald Fagen – Springtime
- Mel Brooks – Springtime For Hitler
- Tom Waits – You Can Never Hold Back Spring
- Igor Stravinsky – Le Sacre du printemps
- というわけで…
- まとめPlaylist
- Another Nowhere Playlist
Jack Stauber’s Micropop – Spring Cleaning
Spring Cleaning
春の大掃除
日本だと年末の大掃除だけど、
欧米には春の大掃除の習慣があったみたい。
春になるとやっと家中の窓を開け放して、
ホコリを外に出すことができたからだそうだ。
というわけで今回のNowhere Playlistは、
前回の『12 Best Songs with Spring in the Title』の続編的プレイリスト。
前回は女性ジャズ・ヴォーカルに限定したけど、
今回は縛りなしで『12 Best Songs About Spring』。
とはいっても前回の曲以外にあんまり『Spring』がタイトルに付く曲で、
Pick Upしたいものはそんなにはない。
なので、
前回の曲の違うヴァージョンも入れていこうと思う。
先ず最初の曲は、
2019年のジャック・ストゥーバーズ・マイクロポップの曲。
ミュージシャンでありデザイナーでありアニメーターであり、
まあいろいろやっているアメリカはペンシルバニアのアーティスト。
タイトルは、
そのまんま『Spring Cleaning』。
オープニングの曲には、
ちょうど良い長さとキャッチ―なメロディだ。
Fats Weller – Spring Cleaning
I’ll polish the leaves make them green again
Whitcup/Powell/Samuels – Spring Cleaning
Shake out the trees change the scene again
Spring cleaning gettin’ ready for love…
葉っぱを磨いてもう1度グリーンにしよう
木を振り払ってもう1度場面を変えよう
春の大掃除で愛の準備をするのさ…
2曲目はファッツ・ウェラーが、
85年も昔の1937年に吹き込んだ『Spring Cleaning』。
全然関係ない話だけれど、
ビートルズ1968年の『Lady Madonna』って曲があるよね。
ポールはこの曲をつくる時に、
何故かファッツ・ドミノを思い出したらしい。
‘Lady Madonna’ was me,
Paul McCartney
sitting down at the piano trying to write a bluesy boogie-woogie thing …
It reminded me of Fats Domino for some reason,
so I started singing a Fats Domino impression.
It took my other voice to a very odd place.
“Lady Madonna”は僕がピアノの前に座って
ブルージーなブギウギ・ナンバーを書こうとしてでき上がったんだ
その時僕はどういうわけかファッツ・ドミノを思い出した
そしてファッツ・ドミノっぽく歌って
あのとても風変わりな歌声になったんだよ
それで面白いのは、
ファッツ・ドミノがこの曲を同じ年にカヴァーしている。
聴き比べると確かに似ている感じだけど、
ファッツ・ドミノも敢えてポールの唄い方に寄せたのかもしれない。
Girls from Mars – Spring Cleaning
次の曲は、
前出の『Spring Cleaning』のカヴァー曲。
ガールズ・フロム・マーズ、
1999年のアルバム『Planet Swing』からの1曲。
最初、
同じ曲だとは思わなかったけれどやはり同じだね。
オリジナルも良いけど、
このカヴァーはなかなか良いのだ。
Oscar Peterson Trio – Younger Than Springtime
4曲目はオスカー・ピーターソン・トリオ、
1965年のアルバム『Eloquence』からの1曲。
Bass – Ray Brown
Drums – Ed Thigpen
Piano – Oscar Peterson
元々はリチャード・ロジャースとオスカーハマースタインIIのミュージカル、
1949年の『South Pacific』のショー・チューン。
オリジナルのブロードウェイ・ショーでは、
ウィリアム・タバートが唄っていたもの。
1958年の映画の方では、
ジョン・カーが唄っていた。
オリジナルと比べると、
かなり違う感じのこの演奏ならこの曲も聴ける。
ヴォーカルのヴァージョンは、
どれもちょっとボクには甘い感じが強すぎる。
Jacky Terrasson – I Love Paris In The Springtime
ドイツ・ベルリン出身のジャッキー・テラソン、
2000年のアルバム『A Paris…』からの1曲。
Bass – Ugonna Okegwo
Drums – Leon Parker
Electric Piano – Jacky Terrasson
Piano – Jacky Terrasson
この曲って、
コール・ポーター1953年の『I Love Paris』だね。
歌詞に『I Love Paris In The Springtime』ってあるから、
このタイトルなんだろう。
Marlene Ver Planck – They Said It’s Spring
さて、
ここからは前回『12 Best Songs with Spring in the Title』に出てきた曲の違うヴァージョンを何曲か。
先ずはマレーネ・バー・プランク、
2009年のアルバム『Once There Was A Moon』からの1曲。
前回のブロッサム・ディアリーのヴァージョンとは随分違うけれど、
こういったノリの良い感じも悪くない。
この人って1956年に『I Think Of You With Every Breath I Take』というアルバムをリリースして、
その後消えてしまった人なんだよね。
まあ消えたといっても、
商業用のジングルを何千と吹き込んでいる。
そして23年の時を経て、
1979年に2ndアルバムをリリースしてからは20枚以上ものアルバムを出している。
この曲が入っているアルバムの後も、
4枚のアルバムを出して2018年に83歳に亡くなっている。
Nina Simone – Spring is Here
ニーナ・シモン、
1961年のアルバム『Forbidden Fruit』の2005年のCDバージョンからの1曲。
前回は、
エラ・フィッツジェラルドのものだったけどこれも捨てがたい。
1961年頃に吹き込まれたけれど、
アルバムには入らなかった曲。
この曲を含めて11曲のボーナス・トラックが入っているんだけど、
だったらもう1枚アルバムつくれたのにね。
リリースに耐えられるだけの、
充分なクオリティはあると思うんだけど。
1966年の『Nina with Strings』にこの曲が収められているけど、
アルバム名通りストリングスがオーバー・ダビングされて短く編集されている。
どう聴いても、
ない方が圧倒的に良い。
Norah Jones – Spring Can Really Hang You Up the Most
ノラ・ジョーンズ、
1stアルバム『Come Away With Me』発売20周年記念スーパー・デラックス・エディション。
最新リマスター&22曲の未発表音源を収録したもので、
その先行シングル第2弾。
通っていた高校の音楽室でピアノ弾き語りで吹き込んで、
デモ音源としてブルーノートに送ったというキャリア最初期の超貴重音源。
これがきっかけとなって、
当時のブルーノート社長ブルース・ランドヴァルの目に留まってデビューに繋がったわけだね。
前回はこれもエラ・フィッツジェラルドだけど、
デビュー前のデモなんだから比べてはいけない。
Donald Fagen – Springtime
Swing out to Lake Nostalgia
Donald Fagen – Springtime
Take Route 5 to Laughing Pines
Get off at Funway West
Drive into Springtime
Drive into Springtime…
ノスタルジア・レイクにスイング・アウト
ルート5でラフィング・パインへ
ファー・ウェストで降りるのさ
春にドライヴ
春にドライヴ…
さて今度はドナルド・フェイゲン、
1993年のアルバム『Kamakiriad』からの1曲。
1982年『The Nightfly』から11年たってリリースした、
2ndアルバム。
スティーリー・ダン時代のパートナー、
ウォルター・ベッカーがプロデュースしている。
アルバム販促のためにスティーリー・ダン名義で1974年以来のツアーを行い、
これをきっかけにスティーリー・ダンが再結成された。
ちなみにこのアルバムのタイトルは、
日本語の『カマキリ』とギリシャ古典文学『イリアス』の英語表記『イリアッド』を合わせたものだ。
Mel Brooks – Springtime For Hitler
Springtime for Hitler and Germany
Mel Brooks – Springtime For Hitler
Deutschland is happy and gay
ヒトラーとドイツに春がきたんだ
ドイツは幸せで楽しそう!
ジョン・モリス/メル・ブルックス、
1968年のサントラ『Music And Dialogue From Mel Brooks’ “The Producers”』からの1曲。
メル・ブルックス監督、
アカデミー賞脚本賞受賞の1967年の映画『The Producers』の為の曲。
憎むんで罵るのよりも、
コケにして笑い飛ばす方が良いのかもしれない。
Tom Waits – You Can Never Hold Back Spring
You can never hold back spring
Kathleen Brennan/Tom Waits – You Can Never Hold Back Spring
You can be sure that I will never
Stop believing…
オマエは春をしまい込んでおくことなんてできないさ
わかるだろ?
オレが信じることを止めるわけがないことくらいは…
トム・ウェイツ、
2006年のアルバム『Orphans: Brawlers, Bawlers & Bastards』からの1曲。
2005年のロベルト・ベニーニ監督・脚本・主演の映画、
『La Tigre e La Neve』の為の曲。
トム・ウェイツ本人が、
冒頭シーン登場してこの曲を歌っていた。
Igor Stravinsky – Le Sacre du printemps
最後は、
やはりストラヴィンスキーで締めくくろう。
バレエ・リュスの為に作曲した、
1913年初演のバレエ音楽。
以前にも1度出てきた、
イーゴリ・ボリソヴィチ・マルケヴィチ指揮/フィルハーモニア管弦楽団1959年のヴァージョンで。
Le Sacre Du Printemps (The Rite Of Spring)
A1 Adoration Of The Earth
(L’ Adoration De La Terre)
B1 The Sacrifice
(Le Sacrifice)
というわけで…
どこにもないプレイリスト、
今回の『Nowhere Playlist』は『12 Best Songs About Spring』。
これは、
前回の『12 Best Songs with Spring in the Title』の続編的プレイリストだ。
前回は女性ジャズ・ヴォーカルだったけれど、
今回はいろいろアレコレと選曲。
ジャンルがバラバラの雑食だけれど、
どれも悪くない。
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