73曲目は5枚のレコード
村上春樹『古くて素敵なクラシック・レコードたち』で流れる音たち、
73曲目はオルフ:世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」。
カルミナ・ブラーナは19世紀初めにドイツ南部のバイエルン選帝侯領にある、
ベネディクト会のベネディクトボイエルン修道院で発見された詩歌集。
内容は恋愛からお酒や性に至るまで多岐に渡っており、
その数はおよそ300編
オルフはこの中から24編を選び作曲したのが、
同名の世俗カンタータ。
曲の構成
この曲は、
3部から成っている。
冒頭とエンディングに、
誰もが1度くらいは耳にしたことがあれであろう『おお、運命の女神よ』が配置されている。
全世界の支配者なる運命の女神(フォルトゥナ)
Fortuna Imperatrix Mundi
・おお、運命の女神よ(合唱) O Fortuna (Chorus)
・運命の女神の痛手を(合唱) Fortune plango vulnera (Chorus) §
第1部: 初春に
1 Primo vere
・春の愉しい面ざしが(小合唱)
Veris leta facies (Small Chorus)
・万物を太陽は整えおさめる(バリトン独唱)
Omnia sol temperat (Baritone Solo)
・見よ、今は楽しい(合唱)
Ecce gratum (Chorus)
芝生の上で
Uf dem anger
・踊り(オーケストラ)
Dance (Orchestra)
・森は花咲き繁る(合唱と小合唱)
Flore silva (Chorus & Small Chorus)
・小間物屋さん、色紅を下さい(2人のソプラノと合唱)
Chramer, gip die varwe mir (Sopranos & Chorus)
・円舞曲: ここで輪を描いて回るもの(合唱) – おいで、おいで、私の友だち(小合唱)
Reie: Swaz Hie gat umbe (Chorus) – Chume, chum, geselle min (Small Chorus)
・たとえこの世界がみな(合唱)
Were diu werlt alle min (Chorus)
第2部: 酒場で
2. In Taberna
・胸のうちは、抑えようもない(バリトン独唱)
Estuans Interius (Baritone Solo)
・昔は湖に住まっていた(テノール独唱と男声合唱)
Olim lacus colueram (Tenor Solo & Male Chorus)
・わしは僧院長さまだぞ(バリトン独唱と男声合唱)
Ego sum abbas (Baritone Solo & Male Chorus)
・酒場に私がいるときにゃ(男声合唱)
In taberna quando sumus (Male Chorus)
第3部: 愛の誘い
3. Cour d’amours
・愛神はどこもかしこも飛び回る(ソプラノ独唱と少年合唱)
Amor volat undique (Soprano Solo & Boy’s Chorus)
・昼間も夜も、何もかもが(バリトン独唱)
Dies, nox et omnia (Baritone Solo)
・少女が立っていた(ソプラノ独唱)
Stetit puella (Soprano Solo)
・私の胸をめぐっては(バリトン独唱と合唱)
Circa mea pectora (Baritone Solo & Chorus)
・もし若者が乙女と一緒に(3人のテノール、バリトン、2人のバス)
Si puer cum puellula (3 Tenors, Baritone, 2 Basses)
・おいで、おいで、さあきておくれ(二重合唱)
Veni, veni, venias (Double Chorus)
・天秤棒に心をかけて(ソプラノ独唱)
In trutina (Soprano Solo)
・今こそ愉悦の季節(ソプラノ独唱、バリトン独唱、合唱と少年合唱)
Tempus est iocundum (Soprano, Baritone, Chorus & Boy’s Chorus)
・とても、いとしいお方(ソプラノ独唱)
Dulcissime (Soprano Solo)
白い花とヘレナ
Blanziflor et Helena
・アヴェ、この上なく姿美しい女(合唱)
Ave formosissima (Chorus)
全世界の支配者なる運命の女神
Fortuna Imperatrix Mundi
・おお、運命の女神よ(合唱)
O Fortuna (Chorus)
オイゲン・ヨッフム/バイエルン放送交響楽団
Eugen Jochum,
Bavarian Radio Symphony Orchestra-
Carl Orff:
Carmina Burana
1952年
指揮:オイゲン・ヨッフム
演奏:バイエルン放送交響楽団
レオポルド・ストコフスキー/ヒューストン交響楽団
Leopold Stokowski,
Houston Symphony-
Carl Orff:
Carmina Burana
1958年
指揮:レオポルド・ストコフスキー
演奏:ヒューストン交響楽団
ウォルフガング・サバリッシュ/ケルン放送交響楽団
Wolfgang Sawallisch,
Cologne Radio Symphony Orchestra-
Carl Orff:
Carmina Burana
1956年
指揮:ウォルフガング・サバリッシュ
演奏:ケルン放送管弦楽
小澤征爾:ボストン交響楽団
Seiji Ozawa,
Boston Symphony Orchestra-
Carl Orff:
Carmina Burana
1969年
指揮:小澤征爾
演奏:ボストン交響楽団
デ・ブルゴス/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
Rafael Frühbeck de Burgos,
New Philharmonia Orchestra-
Carl Orff:
Carmina Burana
1965年
指揮:ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス
演奏:ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
というわけで…
今回の村上春樹、
『古くて素敵なクラシック・レコードたち』で流れる音楽。
73曲目は、
オルフ:世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」をお届けしました。
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