- 今回は『About Flowers』
- Bette Midler – The Rose
- The Jam – English Rose
- Simon & Garfunkel – Scarborough Fair/Canticle
- Nina Simone – Lilac Wine
- Thelonius Monk – Honeysuckle Rose
- Nirvana – Marigold
- Queen – Lilly of the Valley
- The Doors – Hyacinth House
- The Zombies – A Rose For Emily
- The Rolling Stones – Dandelion
- Paul Weller – Sunflower
- The Rolling Stones – Deadflowers
- Lenny Kravitz – Flower Child
- The Jam – Carnation
- Tom Waits – Flowers Grave
- 手島葵 – La Vie en Rose
- 忌野清志郎 – 花はどこへ行った
- はっぴいえんど – はないちもんめ
- フジファブリック – 赤黄色の金木犀
- Mr.Children – 花 – Memento-Mori-
- Bump of Chicken – 花の名
- 宇多田ヒカル – 花束を君に
- フジファブリック – 花
- 奥田民生 – 花になる
- 手嶌葵 – The Rose
- というわけで…
- まとめ Play List
- Another Nowhere Playlist
今回は『About Flowers』
特別すごくというわけでもないけれど、
花は好きだ。
よく自転車で走っている時に、
色々な花を見つけては写真を撮ったりもする。
でも花の名前って、
全然知らないしなかなか覚えられない。
ただ最近は便利になって、
写真に撮るだけで名前がわかるなんているアプリもあるから良いんだけど。
というわけで、
今回の『Nowhere Playlist』は『25 Best Songs About Flowers』。
Bette Midler – The Rose
Some say love, it is a river
Amanda McBroom – The Rose
That drowns the tender reed
Some say love, it is a razor
That leaves your soul to bleed
Some say love, it is a hunger
An endless aching need
I say love, it is a flower
And you, its only seed…
誰かが愛は河だと言う
それは柔らかい葦を沈めてしまう
誰かは剃刀のようだ言う
それは魂を切り裂いてしまう
愛は飢えだという人もいる
それは終わりなき疼くような欲望
わたしならこんなふうに言う
愛は花
そしてあなたはその種子だと…
1曲目は1979年のアメリカ映画、
ジャニス・ジョプリンがモデルの『The Rose』の主題歌。
主演のベッド・ミドラーが唄って、
グラミー賞最優秀女性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス部門を受賞している『The Rose』。
作詞・作曲のアマンダ・マクブルーム(Amanda McBroom)』は、
この曲でゴールデングローブ賞主題歌賞を受賞している。
アマンダ・マクブルームもこの曲をリリースしているけれど、
やはり最初に聴いたベッド・ミドラーのヴァージョンの方が良いかな。
そういえばこの曲、
2015年のTVドラマ『アルジャーノンに花束を』の主題歌になっていた。
他にも1991年のジブリ映画『おもひでぽろぽろ』、
その主題歌に『愛は花、君はその種子』というタイトルでなっていた。
まあそんなわけで、
誰もが聴いたことがあるような超メジャー曲から始めてみる。
The Jam – English Rose
No matter where I roam
Paul Weller – English Rose
I will return to my English rose
For no bonds can ever tempt me from she
I’ve sailed the seven seas
Flown the whole blue sky
But I’ve returned with haste
To where my love does lie…
どこを漂っていたって
ボクはイングリッシュ・ローズのもとに帰ってくる
どんな束縛もボクを彼女から引き離せやしない
ボクは世界中を航海してきたし
青い空いっぱい飛び回ってきた
でもボクは愛する人が横たわる場所に急いで戻ってきたんだ…
ジャム1978年の3rdアルバム、
このバンドのステージを一気に上げた『All Mod Cons』から。
曲は、
ポール・ウェラー。
オリジナルLP盤では、
この曲だけはなぜかタイトルも歌詞も記載されていない。
ここでいう『English Rose』は愛する人なのか?イギリスなのか?
と言ったいろいろな解釈があるみたい。
まあ正解は本人以外は誰もわからないんだけど、
名曲であるということだけは間違いがない。
ちなみにこの曲、
ポール・ウェラー2021年リリースの『An Orchestrated Songbook』にも収録されている。
ロンドンのバービカン・センターでの、
英BBC交響楽団との共演コンサートの模様を収録したライヴ・アルバム。
新型コロナウイルスの影響で無観客だったけど、
当日ライヴ配信されて6月にBBCテレビとラジオで放送されたものだ。
だいたいあとから吹き込んだものよりも最初のオリジナルの方が良かったりするもんだけど、
これも例に漏れずジャムのヴァージョンの方がやはり良いと思う。
Simon & Garfunkel – Scarborough Fair/Canticle
Are you going to Scarborough Fair
Traditional, arranged by Paul Simon, Art Garfunkel – Scarborough Fair/Canticle
Parsley, sage, rosemary and thyme
Remember me to one who lives there
She once was a true love of mine…
スカーバラの市へ行くのですか?
パセリ、セージ、ローズマリー、タイム
そこに住むある人に私を覚えているかと尋ねてほしい
彼女はかつて私が本当に愛した人なのです…
サイモン&ガーファンクル、
1966年のアルバム『Parsley, Sage, Rosemary and Thyme』の収録曲。
1967年の映画、
ダスティン・ホフマンとキャサリン・ロスの『The Graduate』の挿入歌でもある。
ダスティン・ホフマン演ずるベンが真っ赤なアルファ・ロメオに乗り、
ベイブリッジを越えてバークレーに向かって運転しているシーン。
ベンがキャサリン・ロス演ずるエレーンの大学のキャンパスの噴水に佇むシーン、
エレーンを人知れず見つめるシーンなどで流れていた。
ここで登場するのはどれもハーブ、
花ではないんだけどそれはそれで。
ちなみにこのタイトルのフレーズは、
おまじないだったりする。
元々この『Scarborough Fair』は、
イギリスの伝統的バラッド。
なので曲のクレジットは、
Traditional, arranged by Paul Simon, Art Garfunkelになっている。
イングランド北部ノース・ヨークシャーにある、
北海に面し中世から貿易で栄えた港町『スカーバラ(スカボローとは発音しない)』。
夏にはヨーロッパ各地から商人が訪れる盛大な市が、
18世紀頃まで開かれていた。
その間に人々の間で歌い継がれて来たのが、
元々の『Scarborough Fair』。
イギリスを訪れたポール・サイモンが、
マーティン・カーシー『Scarborough Fair』に出会ってこの曲が生まれたという話だ。
これは、
1965年のアルバム『Martin Carthy』の収録曲。
S&Gはこの『Scarborough Fair』に、
ポール・サイモンの反戦歌『The Side of a Hill』が加わっている。
それが、
タイトルにある『Canticle』。
ポール・サイモンの反戦歌で、
その歌詞にアート・ガーファンクルがメロディを付けたもの。
まあ詳しいことは、
あちこちで語られているみたいなのでこのあたりで。
Nina Simone – Lilac Wine
I lost myself on a cool damp night
James Shelton – Lilac Wine
I gave myself in that misty light
Was hypnotized by a strange delight
Under a lilac tree…
冷たく湿った夜
わたしは自分を見失ってしまった
朧げな光の中で
再び見つけ出した奇妙な悦びに導かれた
ライラックの木の下で…
ニーナ・シモン、
1966年のあの素晴らしいアルバム『Wild Is the Wind』に登場する。
この曲は、
元々1950年にジェームス・シェルトンが書いた曲。
歌詞はロナルド・ファーバンクの小説、
1925年の『Sorrow in Sunlight』からインスピレーションを得たものらしい。
offering a light,
lilac wine,
sweet and heady
ボブ・フォッシーの最初のミュージカル、
『Dance Me a Song』の中でホープ・フォイが唄ったのが始まり。
この曲、
いろんなカヴァーがある。
けれどこのヴァージョンは、
他とは比べ物にならない。
ヒットしたカヴァーとしては、
エルキー・ブルックス1978年のシングルがあるけどやはりニーナ・シモンには全く敵わない。
Thelonius Monk – Honeysuckle Rose
Every honey bee fills with jealousy
Fats Waller/Andy Razaf – Honeysuckle Rose
When they see you out with me
I don’t blame them
Goodness knows
Honeysuckle rose…
ミツバチはみんな嫉妬でいっぱい
あなたが私と一緒に出たのを見てね
私は彼らに責めたりしない
神のみぞ知る
ハニーサックル・ローズ…
ハニーサックル・ローズは、
蜜を吸わせるバラ。
元々はファッツ・ウォーラーが作曲して、
アンディ・ラザフが歌詞を書いた1929年の曲。
オフ・ブロードウェイ・ レヴュー、
『Load of Coal』で初めて登場。
作曲したファッツ・ウォーラー自身も、
1935年にリリースしている。
歌詞は結構刺激的なものだけど、
ここでは歌ではなくてセロニアス・モンクのヴァージョンを。
1956年のアルバム、
『The Unique Thelonious Monk』で収録されている。
ドラムはアート・ブレイキー、
ベースはオスカー・ペティフォードだ。
Nirvana – Marigold
He’s there in case I want it all
Dave Grohl – Marigold
He’s scared ‘cause I want
He’s scared in case I want it all
He’s scared ‘cause I want…
全てを望むとそこにいるのさ
望めば怯えるのさ
全てを望むと怯えるんだ
望めば怯えるのさ…
ニルヴァーナのシングル、
1993年の『Heart-Shaped Box』のB面で登場。
もともとはデイヴ・クロールが『Late!』という名前で出したアルバム、
1992年の『Pocketwatch』に収められていた曲。
その時のタイトルは、
『Color Pictures of a Marigold』。
ニルヴァーナとしては、
シングル面ヴァージョン以外に『In Utero Delax』にデモ・ヴァージョンがある。
あとはフー・ファイターズのライヴ・アルバム、
2006年の『Skin and Bones』でもデイヴはこの曲を演奏している。
それぞれ随分違うんだけど、
曲そのものが良いからどのヴァージョンも悪くない。
Queen – Lilly of the Valley
I am forever searching high and low
Freddie Mercury – Lilly of the Valley
But why does everybody tell me no?
Neptune of the seas Have you an answer for me, please?
And the lily of the valley doesn’t know…
あらゆる場所を永遠に探し続けている
なのになぜみんな知らないと言うのだろう?
海の神ネプチューン
どうか答えてくれませんか?
すずらんは知る由もない…
クイーン、
1974年のアルバム『Sheer Heart Attack』の中の1曲。
谷間のユリという邦題が付いているけど、
これはスズランのことだね。
歌詞の中に、
『My kingdom for a horse』というフレーズが出てくる。
これってシェイクスピア、
『The Tragedy of King Richard the Third』の引用だね。
A horse! a horse! my kingdom for a horse!
馬だ! 馬をよこせ! 代わりに我が王国をくれてやる!
美しい曲だけど、
内容は軟なものではない。
もしもこの歌の主人公がフレディだとしたら、
いったい彼は何を探し続けていたんだろう?
The Doors – Hyacinth House
What are they doing in the Hyacinth House?
Jim Morrison – Hyacinth House
What are they doing in the Hyacinth House?
To please the lions, yeah
This day…
いったい彼らはヒヤシンスの家で何をしているんだ?
今日のライオンどもを喜ばせるために…
ドアーズ、
1971年のアルバム『L.A. Woman』の中の1曲。
歌詞はジム・モリソンで、
曲はレイ・マンザレク。
ヒヤシンスといえば、
アポロ神の美しい若い恋人ヒュアキントス。
アポロとヒュアキントスが円盤投げしていて、
アポロの投げた円盤を取る為に走り出すと西風の神ゼピュロスが円盤に強く息を吹きかける。
円盤はヒュアキントスの額を直撃、
彼は死んでしまう。
そしてアポロはヒュアキントスの血から、
ヒヤシンスの花を創造したという話。
ジム・モリスンはこの物語のように、
自分の幸せや人生が終わりに近づいていることを唄っているという話もある。
実際この曲の入ったアルバム『L.A. Woman』がリリースされて三ヵ月後、
レコーディングを終えて旅立ったパリで彼は27歳の若さで死を迎えている。
The Zombies – A Rose For Emily
The summer is here at last
Rod Argent – A Rose For Emily
The sky is overcast
And no one brings a rose for Emily…
ようやく訪れた夏
空が雲で翳っても
誰もエミリーに薔薇を届けはしない…
ゾンビーズ、
1968年の傑作アルバム『Odessey and Oracle』の中の1曲。
曲は、
ロッド・アージェント。
内容はウィリアム・フォークナーの同名の小説、
1930年の『A Rose for Emily』が元ネタとかどこかで聞いた気がする。
この小説の最後は結構衝撃的だけれど、
この歌では『Not a rose for Emily(エミリーへの薔薇は無い)』で終わる。
フォークナーの小説では、
こうだ。
エミリーの葬式の日、
過去40年もの間誰一人見たことのない階段の上の部屋がこじ開けられる。
ベッドの上には、
ミイラ化した男が抱擁の姿勢をとったまま横たわっている。
その横の枕の上には、
頭の形をした窪み。
そこにあったのは、
一房の長い鉄灰色の髪の毛。
それは、
エミリーの髪の毛の色だったってやつね。
The Rolling Stones – Dandelion
Prince or pauper, beggar man or thing
Jagger–Richards – Dandelion
Play the game with ev’ry flow’r you bring
Dandelion don’t tell no lies
Dandelion will make you wise
Tell me if she laughs or cries
Blow away dandelion…
王子か貧乏人か
乞食か泥棒 か
ひと吹きさえすれば占える
タンポポは嘘をつかない
タンポポはいろんなことを教えてくれる
彼女が笑っているのか泣いているのか教えてほしい
タンポポの種を吹き飛ばすのだ…
ストーンズ、
1967年のシングル『We Love You』のB面でリリースされた曲。
ブライアン・ジョーンズのメトロトロン、
ニッキー・ホプキンスのチェンバロが絡む。
元々は1967年、
『Sometimes Happy, Sometimes Blue』というタイトルだったみたい。
まあ簡単に言ってしまえば、
タンポポ占いの曲だ。
タンポポの花言葉は、
愛の神託とか真実の愛とかそういう感じ。
これは古くからヨーロッパで、
タンポポの綿毛を使った恋占いをしていたことに由来するらしい。
好き・嫌い・好き・嫌い…ってタンポポの綿毛を抜いていく、
ってやつだね。
このシングル・ヴァージョンは、
エンディングに『We Love You』のイントロのピアノの音が流れている。
逆に『We Love You』の方は、
この『Dandelion』が流れている。
Paul Weller – Sunflower
I don’t care how long this lasts
Paul Weller – Sunflower
We have no future, we have no past
I write this now while I’m in control
I’ll choose the words and how the melody goes…
こんなことがいつまで続くのかなんて気にしない
過去も未来もないんだ
正気でいられるうちはこの曲を書こう
言葉とメロディの行方を選びながら…
ポール・ウェラー、
1993年の2ndアルバム『Wild Wood』の曲オープニングを飾る曲。
シングル・リリースもされて、
全英16位になっている。
そういえば少し前になるけど、
英サイトUncutが発表した『Paul Weller’s 30 best songs』というのがあった。
この曲は30曲中、
23位に入っていた。
まあジャム/スタイル・カウンシル/ソロのキャリア全ての中からの選曲だから、
これくらいの順位なのかなとも思うけどもう少し上でも良いのになとも思う。
ちなみに先に出てきていた、
ジャムの『Englishi Rose』が4位だったのはまあ納得できる。
The Rolling Stones – Deadflowers
Well when you’re sitting there in your silk upholstered chair
Jagger–Richards – Deadflowers
Talkin’ to some rich folk that you know
Well I hope you won’t see me in my ragged company
Well you know I could never be alone…
絹張りの椅子に座って
金持ち連中と親しげに会話を交わすおまえ
オレがみすぼらしい奴らとつるんでいるところに出くわさなきゃいいけどな
それにオレは一人でいることなんてできないしね…
ストーンズ、
1971年の『Sticky Fingers』の中の1曲。
歌詞の中に『Ah, I’ll be in my basement room with a needle and a spoon』って出てくるけど、
まあこれはアレですね。
ほのぼのとしたカントリーという感じだけど、
実はそんな内容ではないわけで。
ちなみにこの曲をジェリー・リー・ルイスは、
ミックをフィーチャーしてリリースしている。
ウィリー・ネルソンは『Willie Nelson & Friends – Stars & Guitars』で、
キースと共にこの曲を演っている。
もうこれは、
懐メロ的世界だな。
でもまあ、
それはそれで良いのかもしれない。
Lenny Kravitz – Flower Child
Dressed in purple velvets
Lenny Kravitz – Flower Child
With a flower in her hair…
紫のヴェルヴェットの服を着て
髪の毛に花を飾っている…
レニー・クラヴィッツ、
1989年の1stアルバム『Let Love Rule』の中の1曲。
このアルバムを始めて聴いた時、
一発で気に入ったのを覚えている。
多分、
ちょっとジョン・レノンぽいと感じたからかもしれない。
きっと、
そう思って彼を聴き始めた人も多いはずだ。
そして1989年以降、
そんなふうに一発で気に入ったとなるようなアルバムに出会ったことは殆どない。
そんなアルバムの最後を飾る曲が、
この曲だ。
そういえば昔、
武道館だったはずだけど彼のライヴに行ったっけ。
The Jam – Carnation
If you gave me a fresh carnation
Paul Weller – Carnation
I would only crush it’s tender petals…
もしも瑞々しいカーネーションをささげられたとしても
その柔らかい花びらをぶっ潰すだけさ…
ジャムの最後のスタジオ・アルバム、
バンド唯一の全英1位獲得アルバム。
1982年、
『The Gift』の中の1曲。
さっき出てきた英サイトUncutが発表した『Paul Weller’s 30 best songs』では、
19位にランクインしていた。
ジャムのトリビュート・アルバム、
1999年『Fire & Skill – The Songs Of The Jam』ではリアム・ギャラガーがカヴァーしている。
あと『English Rose』でも出てきたアルバム、
『An Orchestrated Songbook』でポール・ウェラーがソロで唄っている。
1982年当時、
イギリスはアルゼンチンとフォークランド紛争で戦っていた。
これって、
当時のエリザベス女王2世とサッチャー首相あたりを批判している曲なのかな?
それから4年後、
1986年6月22日に行われたFIFAワールドカップ・メキシコ大会の準々決勝。
マラドーナ率いるアルゼンチンはイングランドチームに2対1で勝利、
敗戦の屈辱が残るアルゼンチン国民を熱狂させている。
あのマラドーナの神の手ゴールや、
それから4分後の5人抜きドリブルが生まれたゲームだ。
Tom Waits – Flowers Grave
Someday the silver moon and I
Tom Waits – Flowers Grave
Will go to Dreamland
I will close my eyes…
いつか銀のお月さまと私は
夢の国に行くでしょう
目を閉じて
目を開ければそこは夢の国…
トム・ウェイツ、
2002年のアルバム『Alice』の中の1曲。
このアルバムの楽曲は、
元々は1992年ハンブルグのタリア劇場にて初演されたミュージカル『アリス』流れたもの。
トムと、
彼の奥さんのキャスリーン・ブレナンが音楽を担当。
これら楽曲のデモ・ヴァージョンが海賊版で出回っていて、
トムがそれを聴いて曲を思い出して制作されたらしい。
手島葵 – La Vie en Rose
手嶌葵、
2009年のアルバム『La Vie En Rose ~I Love Cinemas~』の中の1曲。
1954年のビリー・ワイルダー監督の映画『Sabrina』の中で、
オードリー・ヘップバーンが何度か口遊んでいる曲。
元々は1946年、
エディット・ピアフの代表作。
ピアフの作詞、
ルイ・ルイギの作曲。
英語の歌詞は、
マック・デイヴィッド。
忌野清志郎 – 花はどこへ行った
原曲の『Where have all the flowers gone?』は、
ピート・シガーの作詞・作曲だ。
この歌詞、
ミハイル・ショーロホフの小説『静かなるドン』に出てくるコサックの民謡の歌詞から誕生したもの。
その『葦の葉はどこへ、少女はどこへ、男はどこへ、戦争へ』、
というフレーズが基になっている。
ただ1956年のピート・シガーのリリース後、
1961年にジョー・ヒッカーソンが4・5番を書き加えたもので著作権が登録し直されている。
1961年のキングストン・トリオのヴァージョンは、
その加筆のものの一部歌詞が更に変えられてリリースされている。
ピーター・ポール&マリー、
1962年ヴァージョンが有名なのかな?
清志郎は、
オリジナルの日本語訳詞でこれを唄っている。
ミスチルがこの曲をTVで唄ったけれど、
歌詞は全く違うものになっていて何とも言えないものだった。
はっぴいえんど – はないちもんめ
1971年、
はっぴいえんどがリリースした『風街ろまん』の中の1曲。
作詞は松本隆、
作曲:鈴木茂。
この時、
鈴木茂は19歳。
はないちもんめって遊び、
今でもあるんだろうか?
か~ってうれしいはないちもんめ、
まけ~てくやしいはないちもんめ…
一般的には銀一匁の花を売り買いする際のやり取りとされているけど、
花は女性の隠語だという話もある。
大瀧詠一が唄っているかのような、
鈴木茂のヴォーカル。
コーラスは大瀧詠一で、
同じようだけど1~3番まで全て違う。
この頃、
細野晴臣と大瀧詠一は仲が悪くなってしまったらしい。
右手の烟突は
松本隆 – はないちもんめ
黄色い煙を吐き
左手の烟突は
紅い煙を吐く
みんな妙に怒りっぽいみたい
みんな妙に怒りっぽいみたい
右手の烟突と左手の烟突は、
その2人を表しているみたいだ。
フジファブリック – 赤黄色の金木犀
フジファブリックがリリースしたメジャー・デビュー・アルバム、
2004年の『フジファブリック』の中の1曲。
3枚目のシングル・リリース、
でもある。
もちろん、
作詞・作曲は志村正彦。
四季を基調に作られた連作シングル、
桜の季節-陽炎に続く3曲目。
この曲の途中『僕は残りの月にする事を決めて歩くスピードを上げた』のところで、
曲のテンポが上がるところはなんてことないんだけれど悪くない。
そして金木犀の色を、
赤黄色と表現していることも。
赤黄色の金木犀の香りがしてたまらなくなって何故か無駄に胸が騒いでしまう帰り道
金木犀の香りがする季節が訪れる度にこのフレーズを思い出す。
Mr.Children – 花 – Memento-Mori-
ミスチル、
1996年のアルバム『深海』の中の1曲。
このアルバムがなければ、
ボクはこのバンドの他の音を聴くことはなかったと思う。
この曲の副題、
Memento Mori。
これって、
ラテン語で自分がいつかは必ず死ぬことを忘るなとか死を忘ることなかれという意味の警句。
10代から死を意識して生きてきた気がするけど、
それって果たして良かったんだろうか?
Bump of Chicken – 花の名
Bump of Chicken、
2007年のシングル。
作詞・作曲は、
もちろん藤原基央。
2007年の映画、
『ALWAYS 続・三丁目の夕日』の主題歌。
監督の山崎貴とメンバーが脚本やラッシュの映像を元に、
相談しながら作り上げた曲。
歌詞の一節に、
『生きる力を借りたから 生きてる内に返さなきゃ』というところがある。
もらったのではなく借りただけなんだな、
だから返さないといけないんだな。
そうやって物語は、
紡がれていくのかもしれない。
宇多田ヒカル – 花束を君に
タイトルや歌詞に出てくる『君』は、
亡くなった母親藤圭子のことだと本人が言っている。
2010年に音楽活動を休止した宇多田ヒカル、
2016年復帰後最初の曲。
歌詞の中で『世界中が雨の日も 君の笑顔が僕の太陽だったよ』、
のところが本人は1番気に入っているらしい。
亡くなった人へ手紙を書くことが、
気持ちの整理をすること。
それを曲をつくるという行為で、
自然にやったんだろう。
フジファブリック – 花
フジファブリック、
既に『赤黄色の金木犀』で登場した1stアルバムに収録されている曲。
いきなり『どうしたものか 部屋の窓ごしに つぼみ開こうか迷う花 見ていた』、
と始まる感じはまさに志村テイスト。
つぼみを開く前の花は、
希望に満ちている。
でも咲いてしばらく時が流れれば、
儚く色褪せていく。
でもまあ、
次から次へと花を咲かせりゃあ良いんだけどね。
それに咲いた花は、
次の花を咲かせる種子を生み出すわけだし。
奥田民生 – 花になる
奥田民生、
2002年のアルバム『E』に登場する1曲でシングル・リリースもされている。
歌詞は、
格闘家をイメージしているらしい。
手嶌葵 – The Rose
最初に出てきた、
ベッド・ミドラーの『The Rose』のカヴァーを最後に。
この曲のデモテープがきっかけで、
手嶌葵はジブリ映画『ゲド戦記』のテーマソングの歌手に抜擢されてテルーの声も務めることになる。
というわけで…
Nowhere Playlist、
今回は『25 Best Songs About Flowers』でした。
もちろん他にもいろんな曲があるけど、
何であの曲がないわけ?ということもあるだろうけど今のボクの好みなんだからこれで良いのだ。
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