ベートーヴェンの弦楽四重奏曲
帰り道ではよくベートーヴェンの弦楽四重奏曲を聴いた。
―村上春樹-ドライブ・マイ・カー
彼がベートーヴェンの弦楽四重奏曲を好むのは、
それが基本的に聴き飽きしない音楽であり、
しかも聴きながら考え事をするのに、
あるいはまったく何も考えないことに、
適しているからだった。
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は、
結構何曲もある。
こんな感じ。
- 弦楽四重奏曲 ヘ長調 Hess 34(ピアノソナタ第9番ホ長調作品14-1』を編曲したもの)
- 弦楽四重奏曲第1番ヘ長調op.18-1
- 弦楽四重奏曲第2番ト長調op.18-2
- 弦楽四重奏曲第3番二長調op.18-3
- 弦楽四重奏曲第4番ハ短調op.18-4
- 弦楽四重奏曲第5番イ長調op.18-5
- 弦楽四重奏曲第6番変ロ長調op.18-6
- 弦楽四重奏曲第7番ヘ長調Op.59-1(ラズモフスキー第1番)
- 弦楽四重奏曲第8番ホ短調Op.59-2(ラズモフスキー第2番)
- 弦楽四重奏曲第9番ハ長調Op.59-3(ラズモフスキー第3番)
- 弦楽四重奏曲第10番変ホ長調Op.74
- 弦楽四重奏曲第11番ヘ短調Op.95『セリオーソ』
- 弦楽四重奏曲第12番変ホ長調Op.127
- 弦楽四重奏曲第13番変ロ長調Op.130
- 弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調Op.131
- 弦楽四重奏曲第15番イ短調Op.132
- 《大フーガ》変ロ長調Op.133(もともと13番の最終章として作曲されたもの)
- 弦楽四重奏曲第16番へ長調Op.135
車の運転をしながら、
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲を流すのは案外悪くないものだ。
そして『聴きながら考え事をするのに、あるいはまったく何も考えないことに、適している』というのは、
まさにその通りだと思う。
特に運転している時なら猶更良い、
と思う。
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲以外だとバッハの『無伴奏チェロ組曲』という選択もありかなとも思うが、
下手すると聴き入ってしまって考えるという行為が切り離されてしまうかもしれないな。
音楽の好みは変わるのではなく拡がっていく
無伴奏チェロ曲にしても弦楽四重奏曲にしても、
昔はなんだか退屈だなと思っていた。
でも今となっては、
退屈なんか全くせずに聴くことができるようになった。
これは間違いなく年齢を重ねたからだと思うが、
どうだろう?
音楽の好みというのは、
やはり変わっていくものなんだろうか?
ボクの場合は好みが変わるというよりは、
幅が拡がっていくような感じがしている。
もちろん人それぞれ違うだろうけれど、
受け入れられる範囲が年齢と共に拡大していっているのだとすればそれは良いことだ。
Beethoven – Große Fuge
さて、
この物語の中のベートーヴェンの弦楽四重奏曲が何か?は具体的には出てこない。
なのでボクの好みで1曲。
クルト・シェッファーにより結成された、
ドイツの弦楽四重奏団『シェッファー四重奏団』の演奏。
物語の中ではこの曲は流れてはなさそうだけど、
やはり『大フーガ変ロ長調Op.133』を聴きたい。
短編集『女のいない男たち』で流れる他の音たちはこちら!
女のいない男たち
村上春樹 『女のいない男たち』 で流れる音楽たち
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