春本番だからって決してウキウキではない ♫ Spring is Here

菜の花畑

Spring has come と Spring is here

菜の花畑が黄色に染まり桜の蕾のほんの一部が開いただけなのに、
そんな光景を見ていると春の到来を感じる。

学校の授業で『Spring has come.』って習ったのはもう随分と昔の話だけど、
今がまさにこのフレーズの時なんだろうという気がする。

これが『Spring is here』となると、
もう春は訪れていてまさに春本番ということになる。

『春到来』という方がなんだかワクワク感があるが、
『春本番』だってウキウキ感がないわけではない。

いずれにしても、
春という季節は心を弾ませてくれる。

冬が終われば春が来るのはあたりまえじゃん、
と今までは思っていた。

でもそんなあたりまえのことが、
実は当たり前なことではなくて大切なことなんだと気付いたのはこの1年くらいの話だ。

それでもあたりまえのように菜の花が黄色い絨毯を敷き詰めやがて桜が咲き始めるといった、
春が訪れる気配はある意味とても素晴らしい出来事なのだ。

Earworm(耳の虫)

さて、時々、突然、何の前触れもなく、唐突に、
グルグルグルグルと頭の中で流れ続ける曲がある。

何がスイッチになったのか?
はわからないけれど何度も何度も流れるのだ。

これって『イヤーワーム(耳の虫)』とか『ディラン効果』なんて言われたりもするらしいけど、
ガムを噛んだりアナグラムを解いたりすると治るらしいが試したことはない。

まあわざわざ追い出さなくてもいずれ消えるのだから別に問題はないし、
それはそれで結構楽しかったりするのでボクはいつも放置しているけど。

♫ Spring is Here

それで、
最近頭の中で何度も流れていたのが『Spring is Here』。

1938年のミュージカル、
見たことはないけれど『I Married an Angel(私は天使と結婚した)』の為の曲。

1930年〜40年代にかけて数々のスタンダード・ナンバーを世に送り出した、
リチャード・ロジャースが作曲してロレンツ・ハートが作詞した曲だ。

春本番なのだから、
心躍る曲なのかと思いきや実は全くそうではない。

春なのに楽しくないのは、
誰も私を必要としていないからというなんとも切ない歌詞だ。

Spring is here
Why doesn’t my heart go dancing?
Spring is here
Why isn’t the waltz entrancing?

Lorenz Hart / Richard Rodgers;Spring is Here

心が躍り出すこともなく、
ワルツにうっとりすることもない。

欲しいものもやりたいこともなく、
誰にも必要とされていない。

それでも、
春はもうやってきている。

確かに季節が変わったからと言って、
何かが劇的に変わることはないのかもしれない。

それでも春はもうやってきていて、
それはどうしようもなく素晴らしいことなのだ。

もちろんどう捉えるのか?
は自分次第だ。

落ち込むなよなんて言うつもりはないけど、
少しだけ感じる心を開放してみると何かが変わるかもしれないよ。

ボクはこの歌を聴きながら、
この主人公に話しかけている。

Bill Evans Ver./Ella Fitzgerald Ver.

この曲といえばやはりビル・エヴァンスは外せないけれど、
エラ・フィッツジェラルドも外せない。

ということで、
ビル・エヴァンスは1959年リリースの『Portrait in Jazz』から。


そしてエラ・フィッツジェラルドは、
1956年の『Ella Fitzgerald Sings the Rodgers & Hart Song Book』からだ。




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