2000 Miles
今回のクリスマス・ソングは、
ザ・プリテンダーズの曲。
1984年のアルバム『LearningTo Crawl』のリード・シングルとして、
1983年にリリースされた『2000 Miles』だ。
UKチャートでは、
13位になっている。
He’s gone 2000 miles
The Pretenders – 2000 Miles
It’s very far
The snow is falling down
Gets colder day by day
I miss you
彼は行ってしまった
2000マイルも遠く
遥か遠いところへ
雪が降ってきた
日々寒くなっていくわ
あなたが恋しい
と始まるこの曲、
普通に聴けば単純に遠くに行ってしまった恋人のことを唄っているかのようだ。
でも、
実際はそうではなくてもう少し深い。
クリスマス・ソングなの?と言われれば、
まあそうでもない感じだけど。
でも、
ちゃんと最後に歌詞に出てくる。
I can hear people singing
The Pretenders – 2000 Miles
It must be christmastime
I hear people singing
It must be christmastime
みんなが歌っているのが聴こえる
もうクリスマスなのね
みんなが歌ってるわ
クリスマスが来たのよ
ほらね、
一応クリスマス・ソングなのだ。
つくったのは、
もちろんクリッシー・ハインド。
プリテンダーズのオリジナル・メンバーに、
ギターのジェイムズ・ハニーマン・スコットがいた。
1982年6月16日、
彼はロンドンのガール・フレンドのアパートメントで亡くなっているところを発見される。
まだ25歳で、
死因はコカイン不耐性によって引き起こされた心不全だったらしい。
その彼のことを想って、
この曲はつくられた。
だからこの曲は、
遠くに行ってしまった恋人を想う歌ではないのだ。
翌年の1983年には、
同じオリジナル・メンバーで解雇していたベースのピート・ファーンドンも亡くなっている。
ちなみに、
ジェイムズが亡くなったのはピートを解雇した2日後のことだ。
この頃クリッシー・ハインドはキンクスのレイ・デイビスと交際していて、
1983年1月には女の子を出産したが結局2人は分かれている。
そんなあれこれといろいろな波乱があった中、
新しいメンバーを加えてつくったのがアルバム『LearningTo Crawl』。
このタイトルの意味は、
『よちよち歩きを覚える』という感じかな。
新しいスタートを切ろうと、
バンドが心機一転の意味を持って付けたタイトルなんだろうね。
このアルバムの最後を飾る曲が、
この『2000 Miles』なのだ。
そんなことをいろいろ知ってこの曲を聴くと、
また印象が変わってくるよね。
他のヴァージョン
これは『Cold Play – Christmas Lights』で登場した、
コールド・プレイのヴァージョン。
2007年、
オフィシャル・サイトでアップしたものだ。
このカヴァーなら、
全然悪くない。
というわけで…
今回のクリスマス・ソングは、
プリテンダーズの『2000 Miles』。
遠くに離れた恋人のことを唄ったものではなく、
ODで亡くなったオリジナル・メンバーのジェイムズ・ハニーマン・スコットを想って書いた曲。
プリテンダーズのオリジナルの他に、
コールド・プレイのオフィシャル・サイトにアップされたヴァージョンをお届けしました。
どうでも良い話だけど、
2000マイルって3200キロくらいなんだよね。
3200キロといえば、
最北端の地宗谷岬~最南端沖ノ鳥島(おきのとりしま)までの距離が2800キロくらいだからね。
本当に、
歌詞通りとんでもなく『It’s very far』なんだね。
コメントしてみる お気軽にどうぞ!