古くて素敵なクラシック・レコードたち
2021/6/24村上春樹氏の『古くて素敵なクラシック・レコードたち』が、
本屋に並んだ。
タイトルからもわかるように、
内容はクラシックのレコードについての音楽エッセイみたいなものだ。
なので、
いつもほどには話題にはならなかった気がする。
まあ村上春樹氏の作品が好きな誰もが、
クラシック音楽を好きなわけではないだろうし聴くわけでもないだろう。
内容は、
というとこんな感じ。
こよなく愛するクラシック音楽をLPレコードで楽しんでいる村上春樹さん。
―文藝春秋BOOKSホームページ
百曲以上の名曲を論じながら、作家の音楽観が披露される。
ジャズだけではなくクラシックにも造詣が深いことは、
小澤征爾氏との対談集『小澤征爾さんと、音楽について話をする』でもわかっていたけどこんな本まで出したわけだ。
100曲以上500枚近いレコード
この本で取り上げている曲は100曲とちょっとで、
聴き比べをしているから全部で486枚のLPが出てくる。
これはもう本格的なクラシック評論本といって良いだろうし、
村上氏のことだからそれなりにマニアックなものになっている。
読者も選ぶだろうが、
読者を選ぶ作品なんだろう。
ボクはクラシックが音楽の入口だったこともあって、
この本はなかなか楽しかった。
ただ、
正直読んでいるだけではちっとも面白くない。
なぜならここで語られているのがどんな音楽で、
どんな演奏なのか?聴かないまま読んでいて面白いわけがない。
そんなわけで、
できる限りここに出てくる音源を聴いていこうと思う。
この本を手に取った人が、
聴きながら読む助けになれば良いなという感じだ。
表紙で流れる音楽
取り敢えず、
表紙に掲載されている9枚のレコード。
もちろん中でも紹介されているし、
どんな曲?は抜きにしてご紹介。
ストラヴィンスキー:バレエ音楽『ペトルーシュカ』
1番上の左
Ernest Ansermet-
Stravinsky:
Petrouchka
1949年録音
1950年リリース
指揮:エルネスト・アンセルメ
演奏:スイス・ロマンド管弦楽団
ブラームス:間奏曲集
1番上の真ん中
Glenn Gould-
Brahms:
10 Intermezzi for Piano
1960-61年録音
1961年リリース
ピアノ:グレン・グールド
プーランク:『グローリア』&ストラヴィンスキー:『詩篇交響曲』
1番上の右
Leonard Bernstein,
New York Philharmonic,
The English Bach Festival Chorus,
London Symphony Orchestra,
Judith Blegen ,
Soprano Westminster Choir-
Poulenc:
Gloria / Stravinsky: Symphony Of Psalms
1976年12月20日&21日録音 (グローリア)
1972年4月8日 (詩篇交響曲)
1977年リリース
指揮:レナード・バーンスタイン
演奏:ニューヨーク・フィルハーモニック(グローリア)
ロンドン交響楽団(詩篇交響曲)
合唱:ウエストミンスター交響合唱団 (グローリア)
イギリス・バッハ祝祭合唱団 (詩篇交響曲)
ソプラノ:ジュディス・ブレゲン
ヘンデル:『水上の音楽』
Handel,
Boyd Neel Conducting The Boyd Neel Orchestra
– The Water Music Complete
1954年録音
1954年リリース
指揮:ボイド・ニール
演奏:ボイド・ニール管弦楽団
ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 作品67
Beethoven,
Erich Kleiber Conducting The Concertgebouw Orchestra Of Amsterdam
- Symphony No 5 In C Minor Opus 67
1953年録音
1953年リリース
指揮:エーリヒ・クライバー
演奏:ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
ドビュッシー:『弦楽四重奏曲 ト短調』&ラヴェル:『弦楽四重奏曲 ヘ長調』
Juilliard String Quartet,
Debussy,
Ravel
– Quartet In G Minor / Quartet In F
1959年録音
1960年リリース
演奏:ジュリアード弦楽四重奏団
ベートーヴェン:『交響曲第5番 ハ短調 作品67』&シューベルト:『交響曲第8番 ロ短調 D 759未完成』
Beethoven,
Schubert
/ Seiji Ozawa,
Chicago Symphony
– Beethoven’s Fifth,
Schubert’s “Unfinished”
1970年リリース
指揮:小澤征爾
演奏:シカゴ交響楽団
モーツァルト:『クラリネット協奏曲 イ長調 K. 622』/『バスーン協奏曲 変ロ長調 K. 191 (186e)』
Wolfgang Amadeus Mozart,
Gervase de Peyer,
Henri Helaerts,
The London Symphony Orchestra, Anthony Collins
– Concerto In A Major For Clarinet And Orchestra (K.622)
– Concerto In B Flat Major For Bassoon And Orchestra (K.191)
1954年録音
1955年リリース
指揮:アンソニー・コリンズ
演奏:ロンドン交響楽団
クラリネット:ジェルヴァーズ・アラン・ドゥ・ペイエ
バズーン:アンリ・エラール
シューマン:『謝肉祭』
Schumann / Carnaval, Op. 9
Sergei Vasilyevich Rachmaninoff
1929年録音
1929年リリース
ピアノ:セルゲイ・ラフマニノフ
というわけで…
今回の村上春樹音楽は、
『古くて素敵なクラシック・レコードたち』。
この本の表紙を飾っている、
9枚のレコードをお届けしました。
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