Franz Schubert : String Quartet No.14 in Dminor, D810
村上春樹『更に、古くて素敵なクラシック・レコードたち』で流れる音楽、
19)はシューベルト 弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」ニ短調 D810。
曲の構成
この曲は、
4つの楽章から成っている。
第1楽章 アレグロ ニ短調 4分の4拍子 ソナタ形式
第2楽章 アンダンテ・コン・モート ト短調 2分の2拍子(アラ・ブレーヴェ) 変奏曲形式
第3楽章 スケルツォ:アレグロ・モルト – トリオ ニ短調 – ニ長調 4分の3拍子 複合三部形式
第4楽章 プレスト – プレスティッシモ ニ短調 8分の6拍子 ロンドソナタ形式
シューベルト 弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」ニ短調 D810 7枚のレコード
ここでは、
7枚のレコードが紹介されている。
カペー弦楽四重奏団のものは、
ジャケットの写真はスペースの関係で載せられていないけど。
・カペー弦楽四重奏団(The Capet String Quartet)1928
・ブッシュ弦楽四重奏団(The Busch Quartet)1936
・ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団(Wiener Konzerthaus streicherquartett)1957
・アマデウス弦楽四重奏団(Amadeus String Quartet)1959
・メロス弦楽四重奏団 (Melos Quartett)1974
・ジュリアード弦楽四重奏団(Juilliard String Quartet)1979
・東京クヮルテット(Tokyo String Quartet)1983
カペー弦楽四重奏団
1枚目は、
カペー弦楽四重奏団。
ブッシュ弦楽四重奏団
2枚目は、
ブッシュ弦楽四重奏団。
ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団
3枚目は、
ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団。
アマデウス弦楽四重奏団
4枚目は、
アマデウス弦楽四重奏団。
メロス弦楽四重奏団
5枚目は、
メロス弦楽四重奏団。
ジュリアード弦楽四重奏団
6枚目は、
ジュリアード弦楽四重奏団。
1960年の音はあるんだけど、
1974年のものは見つからず。
東京クヮルテット
7枚目は、
東京クヮルテット。
おまけ
さて、
シューベルト:弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」ニ短調D810。
シューベルトの弦楽四重奏曲は、
全部で15曲ある。
弦楽四重奏曲第1番 D18(1810年または1811年)
弦楽四重奏曲第2番 ハ長調 D32(1812年)
弦楽四重奏曲第3番 変ロ長調 D36(1812-13年)
弦楽四重奏曲第4番 ハ長調 D46(1813年)
弦楽四重奏曲第5番 変ロ長調 D68(1813年)
弦楽四重奏曲第6番 ニ長調 D74(1813年)
弦楽四重奏曲第7番 ニ長調 D94(1814年)
弦楽四重奏曲第8番 変ロ長調 作品D112(1814年)
弦楽四重奏曲第9番 ト短調 D173(1815年)
弦楽四重奏曲第10番 変ホ長調 作品125-1,D87(1813年)
弦楽四重奏曲第11番 ホ長調 作品125-2,D353(1816年)
弦楽四重奏曲第12番 ハ短調 D703(1820年)
弦楽四重奏曲第13番 イ短調 作品29,D804(1824年)
弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D810(1824年)
弦楽四重奏曲第15番 ト長調 作品161,D887(1826年)
ただ未完や破棄したものもあるので、
それらを併せるとその倍近くは実際には作曲されたようだ。
第2楽章が自身の歌曲『死と乙女 Op. 7, No. 3, D. 531』に基づいていることから、
この四重奏曲も『死と乙女』と呼ばれている。
このリートは、
マティアス・クラウディウスの作品を使っている。
マティアス・クラウディウスというと、
薔薇の種類を思い浮かべる方もいるかもしれないけれどドイツの詩人なのだ。
Das Mädchen:
Vorüber! ach,vorüber!
Geh,wilder Knochenmann!
Ich bin noch jung,geh,Lieber!
Und rühre mich nicht an.
Der Tod:
Gib deine Hand,du schön und zart Gebild,
Bin Freund und komme nicht zu strafen.
Sei guten Muts! Ich bin nicht wild,
Sollst sanft in meinen Armen schlafen.乙女:
—Matthias Claudius- Der Tod und das Mädchen
通り過ぎて ああ 過ぎ去って
残酷な死神よ
私はまだ若い 行って お願いだから
私にさわらないで
死神:
手を取るのだ 美しく可憐な少女よ
私はお前の友 罰しに来たのではない
心配するな 私は凶暴ではない
私の腕の中で安らかに眠れ
この弦楽四重奏曲が生まれたのは、
1824年。
この頃のシューベルトは、
病が進行し金銭面でも困窮していた頃。
なので、
よく死を意識した作品だと語られることが多い。
実際そうなのかは、
わからない。
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