僕はミルドレッド・ベイリーの『イッツ・ソー・ピースフル・イン・ザ・カントリー』を口笛で二回吹いた。
僕たちは一時間ばかりバックギャモンをしてからゴルフ場の金網を乗り越え、
―村上春樹,1973年のピンボール
誰も居なくなった夕暮れのゴルフコースを歩いた。
僕はミルドレッド・ベイリーの『イッツ・ソー・ピースフル・イン・ザ・カントリー』を口笛で二回吹いた。
双子の女の子とバックギャモンをして、
夕暮れのゴルフコースを散歩する。
そりゃあ、
この曲を口笛で吹きたくもなるってものだ。
都会の生活はすばらしいく予期せぬスリルに満ち溢れているかもしれないけど、
あまりにも多すぎる石の建物に電話(歌詞にある)。
そんな生活も悪くないけど、
田舎の平和な暮らしも悪くない。
Mildred Bailey – It’s So Peaceful in the Country
この曲は、
ミルドレッド・ベイリーがデルタ・リズム・ボーイズと共に吹き込んだ曲。
この『It’s So Peaceful in the Country』を書いたのは、
アレック・ワイルダー。
同時期にいくつも吹き込まれているけど、
このバージョンが1番有名なのかもしれない。
1941年にリリースされた、
78rpmシングルのA面。
B面はオスカー・ハマースタイン2世とシグマンド・ロンバーグが書いた、
『Lover, Come Back To Me!』。
ただ最初に吹き込んだのは、
ヤン・サヴィット & ヒズ・トップハンターをバックにアラン・デウィットが唄ったものらしい。
It’s so peaceful in the country
―Alec Wilder – It’s So Peaceful in the Country
It’s so simple and quiet
You really ought to try it
You walk about
And you talk about
The things that you love in life…
田舎はとても平和
とても単純で静か
本当に試すべきよ
あなたは歩きまわったり
人生の喜びについて
語ったりするの…
田舎って、
そんなに平和だろうか?
表面上は、
そうなのかもしれない。
でも実は複雑だったり面倒臭かったり、
意外に騒がしかったりしてね。
まあ一時を過ごすのと、
住んで暮らすのとでもまた違うだろうし。
Lucy Yeghiazaryan
アルメニア出身で現在はニューヨークで活動中のルーシー・イェギアザリアンのカバー、
これがなかなか良いのだ。
2022年にシングルでリリースされて、
2023年のアルバム『Lonely House』の収録されている。
このアルバムにはグレッグ・ルギエロ(ギター)やグラント・スチュワート(テナーサックス)、
ダニエル・デューク(ベース)にスティーヴ・ウィリアムス(ドラムズ)が参加している。
Mildred Bailey – It’s So Peaceful In The Country 関連 Play List
01 ミルドレッド・ベイリー – イッツ・ソー・ピースフル・イン・ザ・カントリー
02 ミルドレッド・ベイリー – ラヴァ―・カム・バック・トゥ・ミー
03 ルーシー・イェギアザリアン – イッツ・ソー・ピースフル・イン・ザ・カントリー
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