Ian Stewart – Key To The Highway
追悼の意味で『Dirty Work』の最後に隠しトラックとして、
イアン・スチュアートの『Key To The Highway』が登場する。
ステュはこのアルバムの制作中、
1985年12月12日に心臓発作で死去している。
まあストーンズのカヴァーではないんだけれど、
そうは言ってもストーンズのアルバムに入っているので。
Key To The Highway
Charles Seeger
この曲、
ブルースにありがちなオリジナルがハッキリしない。
でも、
最初に吹き込んだのはチャールズ・シーガーで1940年のこと。
Jazz Gillum
数か月後、
ジャズ・ジラムがこの曲を吹きこむ。
Big Bill Broonzy
更に翌年、
ビッグ・ビル・ブルーンジーがこの曲を吹きこんでいる。
そして三人が三人とも、
この曲はオレのだと主張する。
まあ、
誰のでも良いんだけれどね。
現在のクレジットは、
大体が『Charlie Segar/Big Bill Broonzy』になっているのかな。
いずれにしても、
ブルースのスタンダード曲として多くの錚々たるアーティストがこの曲を吹きこんでいる。
Little Walter
そんな曲が、
全米チャートに顔を出したのはたった一度だけ。
1958年、
リトル・ウォルター・ヴァージョンだね。
ピアノはオーティス・スパン、
ベースはウィリー・ディクソン。
マディ・ウォーターズがスライド・ギターで参加しているこのシングルは、
14週間もチャートに居座り続けた。
Derek and the Dominos
エリック・クラプトンはこの曲を何回も吹き込んでいるけど、
最初はデレク&ザ・ドミノズ。
1970年の『Layla and Other Assorted Love Songs』に入っていて、
デュアン・オールマンとのギターの掛け合いが素晴らしい。
Keith Richards
ストーンズも1964年にこの曲をチェス・スタジオで吹き込んでいるけど、
Spotifyでは見つからず(YouTubeで見つかるけど)。
その代わり、
キースがソロでリリースしているものがある。
1992年の『Main Offender』、
最後にボーナス・トラックで日本盤だけに入っているもの。
確かその後2020年に限定4,000枚、
7インチ・シングルレコードのB面で出ているけど。
キリがないので、
あと1曲だけ。
ジミー・ウィザースプーン、
1961年のアルバム『Roots』に入っているヴァージョン。
テナー・サックスは、
ベン・ウェブスターだ。
というわけで…
今回のストーンズがカヴァーした曲は、
カヴァーはしていないけどアルバムに入っている曲。
1986年の『Dirty Work』の最後に登場する、
イアン・スチュアートがピアノで奏でる『Key To The Highway』。
オリジナルと主張したチャールズ・シーガー、
ジャズ・ジラムとビッグ・ビル・ブルーンジーの3つのヴァージョン。
更に、
リトル・ウォルターにデレク&ザ・ドミノズにキース・リチャーズにジミー・ウィザースプーンのヴァージョンをお届け。
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