ブラームス 「アルト・ラプソディー」作品53

brahms-alto-rhapsody-op-53

Johannes Brahms:Alto Rhapsody, Op.53

村上春樹『更に、古くて素敵なクラシック・レコードたち』で流れる音楽、
20)はブラームス 「アルト・ラプソディー」作品53。

曲の構成

この曲は、
三部形式で構成されている。

ブラームス 「アルト・ラプソディー」作品53 6枚のレコード

ブラームス 「アルト・ラプソディー」作品53 6枚のレコード

キャスリーンフェリア(Kathleen Ferrier)?
 /クルト・ジンガ―(Kurt Singer)
 /ベルリン国立歌劇場管弦楽団(Staatskapelle Berlin)不明
キャスリーンフェリア(Kathleen Ferrier)
 /クレメント・クラウス(Clemens Krauss)
 /ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(London Philharmonic Orchestra)1954年
マリアンアンダーソン(Marian Anderson)
 /フリッツライナー(Fritz Reiner)
 /RCAビクター交響楽団(RCA Victor Symphony Orchestra)1951年
クリスタルートヴィヒ(Christa Ludwig)
 /オットー・クレンペラー(Otto Klemperer)
 /フィルハーモニア管弦楽団(The Philharmonia Orchestra)1962年
・ミルドレッド・ミラー(Mildred Miller)
 /ブルーノ・ワルター(Bruno Walter)
 /コロムビア交響楽団(Columbia Symphony Orchestra)1963年
グレースホフマン(Grace Hoffman)
 /カール・バムバーガー(Carl Bamberger)
 /北ドイツ放送交響楽団(North German Radio Symphony Orchestra)1962年

キャスリーン・フェリア?/クルト・ジンガ―/ベルリン国立歌劇場管弦楽団

1枚目はアルトが、
キャスリーンフェリア

クルト・ジンガ―指揮、
ベルリン国立歌劇場管弦楽団。

?となっているのは、
もしかすると間違いではないのか?ということだ。

記載されている『日Angel GR2158』は、
タイトルが『キャスリーン・フェリア&ジークリット・オネーギン名唱集』。

A面がマーラーの『亡き児をしのぶ歌』で、
アルトはキャスリーンフェリア

ブルーノ・ワルター指揮、
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団。

そしてB面がブラームスの『アルト・ラプソディ』なんだけど、
アルトはジークリット・オネーギンなのだ。

そしてクルト・ジンガー指揮、
ベルリン国立歌劇場管弦楽団。

他は同じなんだけど、
アルトだけが違っている。

果たして、
どうなんだろう?

ここでは、
ジークリット・オネーギンの『アルト・ラプソディ』を。

キャスリーン・フェリア/クレメント・クラウス/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

2枚目はアルトが、
キャスリーンフェリア

クレメント・クラウス指揮、
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団。

マリアン・アンダーソン/フリッツ・ライナー/RCAビクター交響楽団

3枚目はアルトが、
マリアンアンダーソン

フリッツライナー指揮、
RCAビクター交響楽団。

クリスタ・ルートヴィヒ/オットー・クレンペラー/フィルハーモニア管弦楽団

4枚目はアルトが、
クリスタルートヴィヒ

オットー・クレンペラー指揮、
フィルハーモニア管弦楽団。

ミルドレッド・ミラー/ブルーノ・ワルター/コロムビア交響楽団

5枚目はアルトが、
ミルドレッド・ミラー。

ブルーノ・ワルター指揮、
コロムビア交響楽団。

グレース・ホフマン/カール・バムバーガー/北ドイツ放送交響楽団

6枚目はアルトが、
グレースホフマン

カール・バムバーガー指揮、
北ドイツ放送交響楽団。

おまけ

さて、
ブラームス 「アルト・ラプソディー」作品53。

この曲は、
アルト独唱と男声合唱および管弦楽のための曲。

本来は『ゲーテの「冬のハルツの旅」からの断章(Fragment aus «Harzreise im Winter»』で、
そのタイトル通りゲーテの中篇詩『冬のハルツ紀行(Harzreise im Winter)』に曲付けしたもの。

断章とあるように、
全11節中の5~7節を使っている。

アルト独唱に焦点が置かれているので、
この『アルト・ラプソディー』が正式なタイトルのようになっている。

Aber abseits wer ist’s?
Im Gebüsch verliert sich der Pfad.
Hinter ihm schlagen
Die Sträuche zusammen,
Das Gras steht wieder auf,
Die Öde verschlingt ihn.

Ach,wer heilet die Schmerzen
Des,dem Balsam zu Gift ward?
Der sich Menschenhaß
Aus der Fülle der Liebe trank?
Erst verachtet,nun ein Verächter,
Zehrt er heimlich auf
Seinen eignen Wert
In ung’nugender Selbstsucht.

Ist auf deinem Psalter,
Vater der Liebe,ein Ton
Seinem Ohre vernehmlich,
So erquicke sein Herz!
Öffne den umwölkten Blick
Über die tausend Quellen
Neben dem Durstenden
In der Wüste!

しかしそれはさておき
離れたところを行くあれは誰だ
彼の道は藪の中で迷い
彼の後ろでは藪が倒れ
草が再び立ち上がり
荒廃が彼を飲み込んでしまう

ああ誰がこの痛みを癒してくれるのか
薬がついに毒へなり
溢れんばかりの愛で
人間の憎しみを飲み干したのは誰だ
初めは蔑まれ今では人を蔑む者になり
彼は密かにすり減らしているのだ
自分自身の価値をも
満たされぬ自己愛のうちに

あなたの竪琴の響きが彼の耳にとどくなら
父なる愛の神よ
彼の心をよみがえらせたまえ
曇ったまなざしを開かせ
幾千もの泉を超えて
渇いた者のそばにあることを見せたまえ
この荒野のうちにも

—Goethe- Harzreise im Winter

よくこの曲は、
クララ・シューマンの三女ユーリエの結婚を知って書いたとされる。

クララに思いを寄せつつその娘にも想いを寄せていたとされるブラームス、
その結婚の話を聞いて怒りを持って作曲したという話がある。

クララはきっとブラームスのそんな想いに気付いていて、
敢えて他に嫁に出したのかもしれない。

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