クライスラーの偽作ばなし
アンコールで演奏されたクライスラーの二曲はとてもチャーミングだったが。
村上春樹-一人称単数-謝肉祭(Carnaval)P161
フランスの女性ヴァイオリニストが奏でる、
クライスラーの二曲。
とてもチャーミングだったという二曲は、
いったいどんな作品だろう?
正直、
クライスラーの曲と言われても何曲も思い浮かばない。
そもそもクライスラ―と聞いて、
最初に思い浮かべるのは自動車の方だ。
でもここでは偉大なるヴァイオリニストであり、
作曲家でもあったクライスラーの方だ。
最初に思い浮かぶのは、
例えば『愛の喜び(Liebesfreud)』。
クライスラーはこの『愛の喜び(Liebesfreud)』 を、
ワルツの始祖と言われるヨーゼフ・ランナーの作品として最初は発表している。
これは、
盗作の逆スタイルだね。
この曲に限らず、
自分で作った作品なのに昔の誰それの作品なんて言って演奏していたらしい。
理由は『自作ばかりじゃ聴衆が飽きるから』とか、
『自分の名前が冠せられた作品だと他のヴァイオリニストが演奏しにくいだろうから』とか言っていたらしい。
ただ、
本当のところは本人にしかわからないことだ。
Liebesfreud / Liebesleid
そんなわけで、
イツァーク・パールマンのヴァイオリンで『愛の喜び(Liebesfreud)』
本文では『二曲』となっているから、
もう1曲。
よく『愛の喜び(Liebesfreud)』と対で演奏される曲、
こちらもヴァイオリンは同じで『愛の悲しみ(Liebesleid)』
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